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RBA野球が果たしている役割(6月24日)

 記者は過去 13 年間、RBA野球大会を取材してきた。RBA野球大会がスタートしたのが平成元年だから、バブルの絶頂期で、その翌年にはバブルが崩壊。その後、不動産氷河時代≠経て今日がある。

 昨年優勝したトーシンの祝勝会で、不動産業界にそれほど詳しくない方が「なるほど。野球も仕事も勢いがあるところが勝つのか」と仰った。当たらずとも遠からず。歴代の優勝チームや強豪チームを見ると、その時々の業界地図が浮かび上がってくる。当初は強かったマンションデベロッパーが弱体化し、姿を消した。総合デベロッパーも新人の補強がままならず、チーム力は低下の一途をたどっている。その一方で、新興デベロッパーの活躍が目立つ。

 不動産業界ばかりでなく、あらゆる業界で企業スポーツが衰退し、トップレベルの競技者の活動基盤は極めて深刻な状況に追い込まれている。かつてのような福利厚生としてのスポーツがその役割を終えたという側面もあるが、主因は経済環境の悪化だ。競技者を抱える体力が企業になくなったからだ。

 RBA大会もしかりだ。年間 10 万円の参加費が捻出できない、あるいは大会に参加することの意義が見出せないチームが姿を消していく。

 そこで RBA 野球大会開催の原点をもう一度、確認しておきたい。そもそも RBA は「 300 年後に生まれくる子ども達に今以上の地球環境を残しゆく為に…」との基本理念のもと産声をあげた。開幕宣言では「人類の維持発展の基本条件である『衣・食・住』の『住産業』に関わる方々の心身における健康をもって歴史に貢献しよう」と謳っている。業界では当時、会社を渡り歩く流れ営業マンが経営者の悩みの種でもあったことも背景にあり、各企業の愛社精神の高揚も目的の一つとして掲げられていた。

 その精神を裏付けるように、強豪チームといわれる企業の選手は、間違いなく仕事でもトップクラスの成績を上げている。「仕事で成果を上げられない選手は試合に出さない」という厳しい内規を定めているチームもある。選手の中には売上げナンバー 1 営業マンが、それこそゴロゴロいる。野球大会の成績をリクルート対策にして成果を上げている企業もある。

 年間 10 万円の参加費を惜しむ経営者がいるとすれば、野球大会に社員を出すことで仕事に影響が出るのではと考える経営者がいるとすれば、それは大きな勘違いだ。事実は全く逆だ。自己実現、企業モラールの向上にRBA野球大会は大きな力を発揮している。野球を通じてビジネスに発展したケースは数え切れないだろう。

 記者は、RBA野球大会に参加して欲しいということを言いたいのではない。優秀なパワーのある社員を採用し、かつ育てる意味で野球は大きな力を発揮するということを言いたいだけだ。

 記者が野球大会を楽しみにしているのは、力が強く、礼儀正しい、性格が率直な選手に毎年会えるからだ。そして、野球の選手が将来、各企業の幹部クラスに出世≠オてくれることを夢見ている。

 RBA野球大会は記者の無上のカタルシスだ。

(牧田 司記者 6月24日)