RBAタイムズHOME > 2004年6月〜9月 > ニュース
「非日常の世界」を飛びぬけた
「DAIBA TOWER」 (8月27日)

 

 オリックスリアルエステート、東京建物、阪急不動産の3社共同「THE TOWERS DAIBA」1期 308 戸が、来場者 5000 組を集め、最高 28 倍、平均 2.9 倍で即日完売した。

 港区台場2丁目、新交通ゆりかもめ「お台場海浜公園」駅から徒歩2分の 33 階建て超高層マンション2棟の全 525 戸の規模。1期の専有面積は約 30 〜 176 平方メートル、価格 2.070 万〜2億 1.000 万円 ( 最多価格帯 6.300 万円台 ) 、坪単価 273 万円だ。

 お台場地区では 90 年代から半ばまでに東京都、都公社、都市公団の賃貸住宅約 2000 戸が供給されたが、分譲は今回が初めてとあって注目を集めていた。そのモデルルームを見学した。

 記者は約 20 年間、マンションのモデルルームを見つづけてきた。そして辿り着いたのが究極のマンションはホテル≠ニいうことだ。一流ホテルのアメニティをどれだけ盛り込めているか、「非日常の世界」をどれだけ演出できているかに関心を持って見てきた。言い換えれば、どれだけ「驚き」を来場者に与えられるかが勝敗の分かれ目とも考えてきた。

 「DAIBA」はどうか。

 優れた立地のほか、設備仕様、基本性能、共用施設などは、最近の話題物件と同様、間違いなく水準以上だし、地域の将来性などを加味すると価格も決して高くないと感じた。ワインカラーが印象的な縦ラインの外観と塔屋のティアラデザイン、正面に滝が流れるエントランスゲート、全戸分の駐車場を確保した屋内駐車スペースとその屋上を利用した約 3000 平方メートルの空中庭園などは圧巻で、驚きもした。

 専有面積が約 98 平方メートルの魅せるためにある<vレミアムプランや、和風でもない洋風でもない、かといって和洋折衷でもない不思議な住空間が演出されている約 165 平方メートルのデザイナーパートナーズシステムプラン、約 4000 円で宿泊できるゲストルームなども、十分「非日常の世界」を演出していた。

 ところが、もう一つ、わが同僚の福岡記者が「まるでテーマパーク」と評した、「非日常の世界」も「驚き」もはるかに飛び抜けていた提案があった。専有面積が約 69 平方メートルのSOHOスタイルだ。映画「キルビル」の監督、クエンティン・タランティーノ氏のアトリエをイメージしたというものだが、映画も監督も全く知らない記者は、あっけに取られて声も出なかった。理解の限界を超えていた。妖しげなアジアンテーストの部屋からは御香の匂いが漂ってきそうだった。

 かつてモデルルームの客寄せに映画俳優やテレビのキャラクターが登場したことがあったが、いまや世界的なタレントやデザイナーが需要喚起に一役買う時代になった。そういえば、安藤忠雄氏が設計・監理した住友不動産「シティハウス仙川」は、ほとんど宣伝も行われず、坪単価 275 万円という超高単価だったにもかかわらず 2000 組が殺到し、圧倒的な人気を呼んだ。

(牧田 司記者 8月27日)