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徹底した差別化で需要喚起
サジェスト「デュフレ自由が丘」
(9月7日)
 

 今年からRBA野球大会に参加したサジェスト ( 宮内宗頼社長 ) の分譲マンション「デュフレ自由が丘」を見学した。野球大会は初戦が敗戦、2試合目は仕事の都合で選手が揃わず不戦敗と 2 連敗でいいところなく予選敗退が決まったが、このマンションは違った。差別化が徹底している好物件だ。

 このマンションは、東急東横線自由が丘駅から徒歩7分の世田谷区奥沢5丁目の一角で建設中の6階建て全12戸の小規模物件だ。専有面積は約34〜55平方メートル、価格3240万〜5580万円 ( 坪単価320万円 ) という、いわゆるコンパクトマンションだ。

 コンパクトマンション市場は、このところ相次いで参入するところが増え、供給過剰気味で売れ行きも芳しくない。記者も昨年から今年前半にかけて60物件ぐらいを見学したが、よく売れているのは2割、そこそこ売れているものも合わせて4割ぐらいだろうと読んでいる。半分以上は苦戦を余儀なくされているはずだ。ターゲットの単身女性やDINKSを意識するあまり、まるで生活感のない、やたらとカラフルなマンションに食傷ぎみだ。

 サジェストの物件も、自由が丘という立地からして先走ったデザインの空疎なものではないかと思っていたが、そうではなかった。

 確かにデザインはコールテン鋼と呼ばれる耐候性鋼材やガラス素材を外観に用いるなど凝ってはいるが、実に中身がしっかりしている。基本性能・設備仕様では二重床・二重天井を採用しているほか、2400ミリのノンレールサッシハイサッシとウッドデッキ、マイナスイオンクロス、浴室はバブロバス ( 気泡バス ) 、洗濯乾燥機、IHクッキングヒーター、カリン材の無垢のフローリング、オールステンレス張りのシステムキッチンなどを標準装備している。横幅約1800ミリの鏡張り洗面と、白のモザイクタイルを一面に敷き詰めた洗面・浴室はいかにも女性に好まれそうなデザインだ。カラーデザインは白が基調だ。

 平面プランもユニークで、全12戸のうち7戸がメゾネットタイプで、パブリックスペースとプライベートスペースの分離を図っている。メゾネットタイプにはロフト付きや2層吹き抜けを利用したサッシ高約5・2メートルのものや天井高約4メートルのものもある。

 販売は8月下旬からだが、チラシ広告とホームページでの告知のみで来場者は約200組にも達しており、半分は申し込み・契約済みという。大型の陰に隠れて売れ行きが芳しくない中小規模物件にあって好調なのは、差別化が半端でないからだ。半月足らずで半分も売れているというのは極めて好調といえる。

 「建築費だけでも坪100万円はかけており、半面、広告宣伝などの経費を極力抑えているので、価格的には高くないはず」と、販売事務所の同社開発企画部主任・城戸広太氏は胸を張った。

 同社は平成10年設立の新興デベロッパーだが、単なる勢いだけでなく、しっかり作りこみをするデベロッパーとみた。

(牧田 司記者 9月7日)