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2018/01/09(火) 17:45

「今年こそデフレ脱却を」 菰田正信・不動協理事長 FRKと2018年合同賀詞交歓会

投稿者:  牧田司

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不動産協会&不動産流通経営協会 合同賀詞交歓会(ホテルオークラ別館で)

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菰田氏(左)と榊氏

 不動産協会と不動産流通経営協会(FRK)は1月9日、恒例の合同新年賀詞交換会を行った。約1,100名が参加した。

 冒頭、挨拶に立った不動産協会・菰田正信理事長(三井不動産社長)は、「今年こそデフレから脱却し、経済の好循環に向けて成長が加速する年にしなければならないという思いを強くしている」と切り出し、デフレ脱却について踏み込んだ発言をした。

 続いて、「わが国の経済は、企業収益や雇用情勢の改善などでゆるやかに回復している。先行きは世界情勢の不確実性など不透明な点もあるが、今後さらに力強い成長を促し、経済の好循環を実現するために官民が総力を挙げて都市と地方の活性化を図ることが大変重要だ。

 当協会はこうした観点から平成30年度の税制要望活動を積極的に進めてきた。先月決定した『平成30年度の税制改正大綱』では、最重点要望だった『土地固定資産税の負担調整措置』の延長が認められた。その他『居住用財産の買換え・売却に伴う特例』や『新築住宅に係る固定資産税の軽減特例』など、当協会の主要な要望がすべて認められた。

 また、都市政策や住宅政策についても、都市再生特区の用途変更の柔軟化、エリアマネジメントの充実、団地型マンションの建て替えに関する制度の整備、宅配ボックスの容積率に関する運用の弾力化が図られるようになった。

 当協会は、魅力的な街づくりと豊かな住生活を実現するとともに、これらを通じて経済の成長に一層寄与するため都市政策、住宅政策、税制について官民一体で要望活動に取り組んでいく。

 今年は都市再生プロジェクトの推進を図るとともに来年度に期限切れを迎える都市再生促進税制について的確に対応するほか、AIの活用、街づくり、働き方改革、多様化する住宅ニーズへの対応、国際化、物流など幅広い取り組みを行い、真の豊かさを実感できる社会の実現に貢献していく」などと述べた。

 乾杯の音頭を取ったFRK・榊真二理事長(東急リバブル社長)は、「当協会が長年要望してきた買取りリフォーム販売における不動産取得税の減額措置の敷地への適用が認められたほか、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特例の適用期限の延長、地方の空き家等の定額物件の負担軽減措置なども実現した」と先の税制改正で同協会の要望がほぼ認められたことに触れた後、「昨年の不動産流通市場は成約件数、成約価格とも1年間通じて堅調に推移した。足元でも既存住宅への底堅い需要を実感している。

 今年も低金利に加え、税制による支援ローン策などを背景に好取引が続くと期待している。

 人生100年時代、超長寿社会を迎え、不動産の利活用も各様々なパターンが増える。社会の要請を受け止め、新たな制度や技術を活用して隠れた価値を見出すことによって地域の魅力や既存住宅のよさを発信し、不動産流通を活発化させることで内需拡大と諸課題の解決に貢献したい」と述べた。

 来賓として登壇した国土交通省・石井啓一大臣は、「人口減少社会を迎え、持続可能な社会を実現するため、一昨年は生産性革命元年として位置づけ20のプロジェクトを立ち上げた。昨年はその前進の年としたが、今年は深化の年とした。不動産活用の最適化、都市の高度利用、既存住宅の利活用の促進など社会全体の生産性向上に注力していく」と述べ、また、「近年問題になっている所有者不明土地問題、都市のスポンジ化対策、都心部の余剰駐車スペースの有効活用策などについても通常国会へ法案提出に向けて準備を進めている」と語った。

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石井大臣

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◇       ◆     ◇

  今年の賀詞交歓会での取材のテーマは〝デフレ脱却〟だった。バブルが崩壊して28年。もうそろそろ脱却宣言をしないとこれから先〝デフレ脱却〟は死語と化すのではないかという危機感があるからだ。誰でもいいから脱却宣言を引き出すのが目的だった。

  なので、のっけから菰田理事長が話したのにはびっくりした。一昨年、当時の木村惠司理事長(現三菱地所会長)もあいさつの中でデフレ脱却について触れたが、それほど強い口調ではなかった。それだけに今回の菰田氏の発言は重い。以下、会場で拾った各氏のコメント。順不同

 岩沙弘道・三井不動産会長 (会長、今年デフレ脱却を宣言しないともう永遠に無理では)そう、今年こそ宣言しないといけない。今年は明治改元150年。記念すべき年。来年は元号が変り、消費税も上がる。英知を振り絞ってデフレ脱却を宣言しないといけない

 樋口武男・大和ハウス工業会長 デフレ脱却? そや、素晴らしい年にせにゃあかん。僕は大丈夫だと思う。全体の流れは上向き。プラス思考じゃないといかん。マイナス思考は経営の敵じゃ

 神山和郎・日神不動産会長 昨年と変わらない。デフレ脱却? ムードだけ。実体経済は悪くはならないだろうが、完全に脱却という状況にはなにないのでは。賃上げだけではない条件もある

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左から岩沙氏、樋口氏、神山氏

 髙井基次・大和ハウス工業常務執行役員(マンション事業担当) 業界は(大手の)寡占化が進む。(御社はその一角に食い込まないと)ブランディングをしっかりやって大手の一角に食い込むぞ

 柿崎宏治・明和地所取締役執行役員 名古屋支店開設準備室室長に就任した。用地仕入れはこれから。目標? 年間100戸くらいはやりたい(隣にいた同社福眞吉葉執行役員に「100戸でいいんですか」と言われ)それじゃ200戸にするか

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左から高井氏、福眞氏、柿崎氏、明和地所・三平慎也執行役員 

 荒井正昭・オープンハウス社長(元高校球児) さらに成長の年にしたい。RBA野球? どうも最近の新入社員は野球に興味がないみたいだ

 脇英美・三菱地所レジデンス社長 最高の年にする。〝戌笑う〟っていうじゃない。走り回る

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左から2人置いて荒井氏、脇氏

 高林学・三交不動産社長 (三重県の伊勢出身で、御社のファンですから)そうですか。わたしも伊勢出身(今度、和光市でマンションを分譲するとか。かならず見学する)

 島田和一・タカラレーベン社長 ライフスタイルに新常識をつくる年にする。今週金曜日、銀座8丁目にコンパクトマンションのサロンを開設する。案内状? 届いてない。(間違いなくお伺いします)

 手島芳貴・タカラレーベン常務取締役 RBA野球に復帰する。選手としても出場するつもりでいたが…(同社は東京ドームに進出した経験あり)

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左から高林氏、同社・盛田哉東京支店本部長、手島氏、島田氏、同社・岡部剛専務取締役

 野村均・東京建物社長 今年は中計の4年目の年。右肩上がりの年にしたい。順調に推移している

 神園徹・野村不動産アーバンネット執行役員人事部長 お客さんにも社内でも世の中でも当社が№1と評価される会社にする(ずいぶん成長されたようですねとカメラを向けたら)写真はかんべんしてよ。前とかわらないよ

 廣岡哲也・フージャースホールディングス社長 ホテル、シニアなど業界の垣根を越えてチャレンジしていく

 木村惠司・三菱地所取締役(前不動産協会会長) 消費者物価指数2%の壁があるから…まだわからない

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左から野村氏、廣岡氏、木村氏

不動産協会・不動産流通経営協会2017年 合同賀詞交歓会に過去最多の1,200名(2017/1/6)

 

 

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