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2023/08/29(火) 17:28

ケイアイスター不 生成AI活用に向けた実証実験開始 リリースもAIが作成

投稿者:  牧田司

 ケイアイスター不動産は8月29日、社員を対象とした生成AIの利用実態調査を踏まえ、生成AI活用に向けた実証実験を10月に開始すると発表した。

 実証実験を開始することについて同社は、「生成AIの認知は約84%と高く、認知はあるが業務に活かす具体的な方法が見つからずにいるという現状が見受けられた」としながら、「回答者の99%が生成AIの活用により業務改善や新たな価値創出に期待していることから、こうした技術の活用が組織全体の効率化や新たなビジネスモデルの創出につながる可能性を秘めている」と判断し、生成AIを安全かつ社内で活用しやすくするために独自システムを構築し、実証実験を10月に開始するとしている。

 具体的には、まずは社員200人程度を対象とし、対象部署へのヒアリングを行い、どの業務において効率的に利用できるのか、またはどのような問題を解決するのに適しているのかを明らかにすることで、活用方法を洗い出し、文章の要約や調査作業、校正などの業務の簡素化、同社のマインドセットを踏まえた人材育成により、社員一人ひとりの働きやすさと業績向上を図る。

 利用実態調査は、6月30日から7月8日まで、Google フォームにより同社社員を対象に行ったもので、有効回答は710件。

 調査の結果、生成AIの業務利用時に対する懸念点を回答した人は約60%にのぼり、情報漏洩を懸念事項とした回答者は約26%、生成AIからの間違った情報をそのまま使ってしまうといった回答が約16%、個人のスキルが衰えるといった回答が約14%あったとしている。

 同社は、首都圏を中心に全国各地で戸建分譲事業を展開。年間7,176 棟(土地含む)を販売しており、2023年3月期の売上高は2,418億円。一般社団法人日本木造分譲住宅協会の立上げに参加し、国産木材の利用を促進するなどESGにも力を入れている。

◇        ◆     ◇

 同社のプレス・リリースは、A4版で5ページにわたるもので、冒頭には「本記事は生成AI(GPT-4API版)を活用して執筆を行い、デジタル化推進部の担当者にて校正をしました」とあるので、上段の記事は、入れ替えは行ってはいるが、極力そのままの文書を要約した。

 リリースを読んだ感想は、文章は非の打ちどころがない。完璧だと思う。誤字・脱字もないはずだ。難点を指摘すれば、やや饒舌、文書が長すぎることだ。「実証実験の内容」は、画面イメージ図を除いても1,000字を超える。半分以下にすべきだ。同業他社のプレス・リリースにも言えることだが、文章全体ではA4版3ページくらいにまとめられるはずだ。

 もう一つ言わせてもらえば、「日本木造分譲住宅協会の立上げに参加し、国産木材の利用を促進する…」は字余り。触れないほうかよかった。

 この点に関して書き出せば止まらないのでくどくどと書かないが、協会理事はオープンハウスに吸収されることがほぼ確定した三栄建築設計を含めて3者(社)しかない。一般社団の設立要件に問題はないが、実効あるものにするには多くの同業が参加する組織にすべきだ。業界トップの飯田グループをはじめ、4位のポラス、ハウスメーカートップの積水ハウス、さらにはデベロッパー1位の三井不動産レジデンシャル、2位の野村不動産も参加するような組織にして、分譲住宅の質を高めてほしい。

 このことを生成AIに聞いたらどのような回答が得られるか。多分、〝情報を持ち合わせていない〟とでも返ってくるか。

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