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2023/10/14(土) 17:59

木質化PJ「KIGOCOCHI(キゴコチ)」マンションリフォーム提案 三菱地所ホーム

投稿者:  牧田司

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「KIGOCOCHI(キゴコチ)」ショールーム(モデルルーム)

 三菱地所ホームは10月13日、空間木質化のプロジェクトの一環として新商品「KIGOCOCHI(キゴコチ)」の販売を10月14日に開始すると発表。第一弾として、マンションリフォームを提案するショールーム・モデルルームを「みなとみらい」にオープンした。

 「KIGOCOCHI」は、「KI=木」から得られる「IGOCOCHI=居心地」のよさを追求することから名付けられたもので、モデルルームでは、家の中に木の塊(コア)を機能的にレイアウトし、人間が木に囲まれたり、大木に寄りかかったりするときに得られる居心地のよさを再現する「木と共生する暮らし」を提案する。

 モデルルームの広さは約70㎡。「コア」は、「水回り」「キッチン・家具・スタディスペース」「玄関・寝室」の3つからなり、従来のnLDKの間取りにとらわれず、柔軟で回遊性の高い空間を提案しているのが特徴。内装材は構造材として用いられている3×6判(914mm x 1829mm)の愛媛県産材のヒノキ合板を採用することでコストも抑制。同社の全館空調システム「エアロテック」も装備している。

 「水回り」は、ユニットバス・脱衣所・サウナといった水回りを集約し、脱衣所の床は名栗(ナグリ)仕上げ。オプションでサウナを設置可能。

 「キッチン・家具・スタディスペース」は、動線に配慮して3方向からアクセスできるキッチン、パントリー、洗濯といった家事スペース。書斎にもなるデスクも内包している。

 「玄関・寝室」は、「木のトンネル」状とすることで廊下をなくし、ドアを開けた瞬間から木の心地よさに包まれる空間とし、夫婦別室を提案している。

 記者発表会・見学会で同社代表取締役社長・細谷惣一郎氏は「ショールームは、『木』のぬくもりと住み心地を体感できるものにした。今後も『木』と言えば三菱地所ホームと言われるように非住宅も含めて取り組みを強化していく」と話した。

 ショールーム・モデルハウスの空間設計を担当したトラフ建築設計事務所・鈴野浩一氏は「1年半前から三菱地所ホームさんから依頼を受けて取り組んできた。大木(コア)に寄りそう暮らしを実現した。3つのコアは部分的に採用することにも対応した」と話した。

 ショールームは、みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩4分、JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄桜木町駅から徒歩9分、横浜市西区みなとみらい2丁目に位置。営業時間は10:00~18:00、定休日は水曜日、日曜日(祝日を除く)。TEL:0120-429-115。

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細谷氏

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アートてせぃレクションを担当した金井あき氏(左)と鈴野氏

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モデルルーム

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キッチン&ダイニング(上部は「エアロテック」)

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玄関収納

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ドアノブ

◇        ◆     ◇

 素晴らしい提案だ。モデルルームの玄関を開けたとたん、マンションではまずありえない本物の木の空間「玄関・寝室」が目に飛び込んできた。廊下は取り払われており、その奥に「水回り」「キッチン・家具・スタディスペース」が広がっていた。

 洗面室の床は名栗(ナグリ)仕上げ。ドアノブはおしゃれなウォールナット材。有孔パネルの壁面はフックや棚板をレイアウトできるようになっており、天井は漆喰仕上げ。床はリノニウム。

◇        ◆     ◇

 素晴らしいショールームではあるが、記者の率直な感想を1つ2つ言わせていただく。

 一つは、ヒノキ合板に違和感を覚えたことだ。記者は三重の田舎育ちで、実家はごくありふれた農家だったが、構造や柱、梁にはスギ、ヒノキ、マツはもちろんだが大黒柱や框、建具面材にはケヤキやヤマザクラが多用されていた。ケヤキもそうだが、とくにヤマザクラは時代を経るごとに赤みが増し、ピカピカ光る。紫檀や黒檀などと同等の面材だと思う。

 住宅の内装材に合板(ベニア板)が用いられることはなかった。なので、見てすぐわかる構造合板のコア(とくに小口)には引っかかるものがあった。無垢・突板と区別がつかない化粧合板のほうがよかったのではないかと思った。

 もう一つは単価だ。同社は70㎡でフルリフォームした場合の価格は2,000万円台の半ばとしか話さなかったが、だとすれば坪単価は100万円以上だ。

 この価格には驚いた。確かに新築マンションも中古住宅も資材も価格が暴騰しているのは分かる。まさかリフォーム価格まで上昇しているとは思わなかった。

 しかし、これは記者が知らなかっただけだ。リフォームだけが数年前と変わらないということはありえない。合板の価格指数は2020年を100とすると50%くらい上昇しているようだ。リフォームも坪100万円の時代に突入したということか。

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「水回りコア」の一部(床はナグリ仕上げ、奥はサウナ)

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内観

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有孔パネル

◇        ◆     ◇

 肝心なことを書き忘れた。モデルルームに入ったら、鈴野さんから「木を飲んでみませんか」(違った表現だったかも)を勧められた。「KAMOSHIKA Drinks(カモシカ飲料)」だった。紙コップに半分。少し泡立っていた。口に含んだ。木の味はさもありなん。得も言われぬ味が口中に広がり、田舎の山と森の香りが鼻腔を蕩かした。一瞬、ウイスキーかと思ったが、甘みがあり炭酸が入っていそうなので、酒ではないことは分かった。ラベルの原材料にはカラマツ、アカマツ、アブラチャン、ヒノキ、タイム…などが記載されていた。

 いまネットで調べた。リフォームも高いが、250mlで2,300円。(糖尿になるまでは3~4日に1本空けていたバランタインよりはるかに高い。いま飲んでいる焼酎一升とほぼ同じくらい…ウーン)そのあとの会見でも同じ量のおなじものが供された。

 貧乏人の記者は飲めないが、同社のお客さんだったら浴びるように飲めるのではないか。砂糖を入れず原液をロックで飲むか、ジンとかビールで割っても美味しいはずだ。三菱地所グループの〝空と土プロジェクト〟の一環として造られた日本酒「丸の内」も美味しいが…日本酒やワインにはあわない。

「木の居心地を徹底追求・従来間取りを解体」 三菱地所ホーム リフォーム新提案(2023/7/27)

木造木質化を推進するプラットフォーム「KIDZUKI(キヅキ)」始動 三菱地所ホーム(2022/6/15)

 

 

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