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2023/10/25(水) 23:23

郊外部も坪300万円の時代へ 予算額との隔たりどう埋めるか 総合地所「花小金井」

投稿者:  牧田司

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「ルネ花小金井ザ・レジデンス」

 総合地所、積水化学工業、大栄不動産は10月25日、総合地所の〝ルネシリーズ〟として都内初のZEH-M Oriented基準を満たした「ルネ花小金井ザ・レジデンス」(162戸)の販売を開始したと発表した、同日、報道陣にモデルルームを公開した。坪単価310万円には驚いたが、第1期として供給した50戸のうち37戸が成約済みと聞き、これまた驚いた。

 物件は、西武新宿線花小金井駅から徒歩4分、小平市花小金井南町一丁目の商業地域・第一種中高層住居専用地域に位置する8階建て全162戸。専有面積は44.46~88.92㎡。2023年11月上旬に販売予定の1期4次(戸数未定)の価格は4,100万円台~8,500万円台(最多価格帯6,200万円台)、坪単価は310万円。着工は2023年5月。竣工予定は2025年2月。設計は長谷工コーポレーション。施工は長谷工コーポレーション・森組。販売代理は長谷工アーベスト。

 9月30日に販売を開始し、これまで供給した第1期50戸のうち37戸を成約。資料請求は約1,000件、来場者は約280件。来場者の属性は30歳代がもっとも多く約35%、40歳代が約20%。現居住地は小平市が約40%。予算額は今回の物件の最多価格帯6,000万円超は30%で、予算額との乖離は1,000万円以上の差がある。一方で、希望面積は70㎡以上が約50%、80㎡以上も約15%。

 従前土地は金融機関の施設で、主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、リビング天井高2500ミリ、直床、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、Low-Eガラス(共用廊下側窓)など。

 見学会で総合地所分譲事業部マンション開発部開発1課課長・石井大祐氏は、「駅から徒歩4分の得難い立地で、当社のZEHでは『南柏』『上尾』に次ぐ都内初のZEH対応のシンボリックな物件。また、花小金井は、当社社長・梅津が手掛けた2011年分譲の『ルネ花小金井』に次ぐ〝ゆかりの地〟であり、〝泣かせるシアター〟も思い出させる」と話した。

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左から石井氏、同社分譲事業部マンション開発部開発1課・根岸拓海氏、同・中村瑞輝氏

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エントランスホール

◇        ◆     ◇

 石井氏とは、RBA野球大会の選手として出場していたころだからもう20年くらいのお付き合いか。元気そうな様子だったので、とても嬉しくなった。そのお返しのつもりで、見学会に出席していた約10人の記者の方に〝泣かせるシアター〟のことを話したのだが、一人を除いて何の反応も示さなかった。その一人こそ〝家族の絆〟をテーマにしたシアターに映り出されたサラリーマンと自らをだぶらせて「ほろりとさせられた」と語った記者だ。当時、娘さんは小学生のころか。

 あれからまだ12年しか経っていないのに〝泣かせるシアター〟は通用しない。十年一昔、隔世の感がする。要するに、腰を落ち着けて継続してマンションを見学する記者はいないということだ。ものを見る目がなければ、見たことにはならず、その分だけ時間が無駄ということだ。

 さて、坪単価。前回は、駅から14分で坪155万円だった。今回は駅に近く、用地・資材・人件費の上昇が続いていることから、土地代がただでも坪200万円以下はありえないが、新宿まで似たような電車所要時間ではあるが、街の利便施設の集積度では問題にならないわが街多摩センターの坪250万円以下だろうと予想した。

 結果は大外れ。言い訳はしない。多摩センターと比較したのがいけなかった。私情を挟み過ぎた。冷静に考えたら坪310万円というのはありうる価格だ。工期も従前なら15か月くらいだろうが、今回の物件は21か月になっている。これも建築費を押し上げている要因の一つだ。

 いよいよ郊外部でもマンション坪単価は300万円の時代に突入したということだ。ユーザーの予算額、希望面積との隔たりをデベロッパーはどうして埋めるのだろうか。〝買いあがる〟余力のある人はいるのだろうか。

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建設現場

◇      ◆     ◇

 初めて知ったのだが、花小金井駅南口の駅前ロータリーには車道と歩道が交差しているにも拘わらず信号はなく、すぐ先の東京都道132号小川山田無線と交差する三叉路(幅員4mくらいの市道とも交差するのでほとんど四叉路)にも信号機はひとつもなかった。

 三叉路近くにいたお年寄り夫婦に聞いた。「こんな広い道路(幅員15mくらいか)に信号がなくて大丈夫ですか」と。すると、ご夫婦の方は「車が停まってくれるんですよ」と答えた。嘘だろうと思ったが、女子高校生らしき集団がこの三叉路を渡ろうとしていたとき、確かに車は停まった。全て世の中は車優先かと思っていたが、そうでもないところがあるのに驚いた(別の記者は「それだけ車が少ないということ」と冷たく言い放ったが)。

 ネットで調べた。面白いデータが見つかった。日本自動車連盟(JAF)の調査によると、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとした際に一時停止した車の都道府県別の割合は全国平均で21.3%、トップの長野県は72.4%、最低は宮城県の5.7%とある。なぜこんなに差があるのか、その理由は示されていない。

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駅近くの四叉路(左側が今回のマンション販売事務所)

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