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2019/01/13(日) 17:41

富士山に登らなくて済む!? 忙しいママ・パパ向け ナイス「DIWKS PARFAIT」

投稿者:  牧田司

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パワーホーム 街かどモデルハウス 港北ニュータウン

 ナイスは1月12日、DIWKS(ダブル・インカム・ウィズ・キッズ)にパーフェクトな家を提案する「DIWKS PARFAIT(デュークスパフェ)」コンセプトモデルハウスを報道陣に公開した。

 横浜市都筑区荏田南3丁目の「パワーホーム荏田南ガーデンズ」内に建設したもので、土地面積約168㎡、延べ床面積約112㎡、価格は2,400万円台(坪72万円)。建物は、長期優良住宅基準を超える高耐震、高断熱が特徴の「パワーホーム」で、平屋建てにプラスαの住空間メザニンを設けたタイプ(建基法では2階建て)。

 「DIWKS PARFAIT」は、「Double Income With Kids」からもじった、子どものいる夫婦ともに収入がある意味の「DIWKS」に、Perfectな住まいを提供する意図を込めた「PARFAIT」からなる造語だ。登録商標出願済み。

 モデルハウスは、調理を手早くでき、来客のときなどはバックカウンターの間仕切り扉を閉めることができる「コックピット」とも名付けた「パワーキッチン」(4.8畳大)と、家族全員がそれぞれ身支度できる窓付き「パワークローゼット」(4.7畳大)、ダブルボウル・ダブル収納付きで洗濯物をその場で干せる「パワーSENMEN」(3.5畳大)が、それぞれ家事動線を考慮して配置されているのが特徴。

 その他、玄関ドアは観音開きで、ホール-リビングダイニング-キッチンにウォールナット挽き板ヘリンボーン(永大産業の4枚1ピース)を敷き詰め、廊下・居室などはアカマツのフローリング、メーターモジュールの階段が採用されている。

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パワーキッチン

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ヘリンボーンの挽き板

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パワークローゼット

◇        ◆     ◇

 個人的には、バックカウンター収納は〝魅せる〟機能を考えるともう一工夫あってもいいのではないかと思ったが、「パワーキッチン」「パワークローゼット」「パワーSENMEN」は設計意図が明確でよくできていた。

 意表を突かれた説明もあった。女性担当者から「富士山」の言葉が発せられた。

 一瞬何のことか分からなかったのだが、「パワーSENMEN」を採用したことで、2階に洗濯物を干しに上り、取り込む作業もしなくていいので、その作業量を距離に換算したというのだ。

 つまり、階段を14段、踏み上げを20cmと計算し、1日2回上り下りするとすれば年間では4,088mとなり富士山の高さ(3,776m)より高くなるとことだった。

 なるほど。主婦あるいは主夫は洗濯物を干し、取り込む作業だけで富士山に登はんする以上の距離を費やしているというのか。手ぶらではない。洗濯物は結構重い。両手を使えば転落する危険性は高まる。一つ間違えれば死に至ることもありうる。

 そのリスクまで考慮すると、女性スタッフの説明は説得力を持つ。洗面所には湿気を取り除くため除湿器もセットされていた。

 洗面室に洗濯物を干したら梅雨時や冬場は乾かないだろうと書こうと思ったら…(自宅マンションの場合だが)洗面所は空調設備が整っているのでよく乾くのだそうだ。洗面に暖房設備を設置すれば、ヒートショック対策にもなり万全だろう。「パワーホーム」はUA値0.6以下だからその必要はないのか。

 ひとつ提案だ。距離節約も結構だが、ユーティリティ動線によってどれだけ家事労働の時間が節約できるかについても数値で示すべきだ。

 家事労働は、介護・看護、ボランティア活動などとともに「Unpaid Work(無償労働)」と呼ばれているが、内閣府は平成25年、無償労働をお金に換算したらいくらになるかを公表している。

 それには、「女性の場合、無業有配偶(専業主婦)の無償労働評価額が最も多く、年齢平均では304.1万円、有業有配偶の無償労働評価額は223.4万円となっている」とし、男性の場合はその3分の1以下に留まっているという。

 この額は正鵠を射ているはずだ。記者は記者の約10年の主夫生活から判断して、月額30万円とはじいたことがある。女性の場合は、家事のほか夫の世話(とくに性的欲求を満たす行為=これは労働でも片務契約でもないし、夫から妻に対するお返しもあるので差し引きゼロかもしれないが)を考えると、普通のサラリーマンでは絶対〝主婦〟を雇えないと愕然、呆然、慄然、絶望した。

 その後、働き改革を進めるべきと盛んに書くのは、このままでは結婚しない女性、結婚できない男性が劇的に増え、わが国の将来は絶望的だからだ。

 話を元に戻す。家事動線が家事労働の時間短縮にどれだけ効果があるかについて、アキュラホームが2016年、フルマラソン3回分の約122km、時間にして約1日分の家事労働時間の短縮を実現したという調査結果をまとめ発表している。

 ナイスの女性担当者の話とアキュラホームの調査結果からして、主に女性がいかに過酷な労働を家庭でも強いられているかがわかる(嬉々としてやっている人も多いかもしれないが)。

 取材後、街行く人に家事労働を時間給に換算したらいくらになるか聞いた。「分からない」という人が圧倒的に多かった。「家事」を「労働」と捉えていない人が多いだろうからこれは当然だ。答えが返ってきた10人くらいでもっとも多かったのは1,500~2,000円で、1,000円と答えた人も2人いた。

聡明そうな女子高生にも声を掛けた。「分かりませんが、母は日曜日以外働いていますむ「えっ、どんな仕事ですか? 」「歯医者です」

 蓋で覆い隠されたバギーを引いていた、とっくに子育てを終えているはずの70代と思しき女性にも聞いた。「これ? ネコ。子ども産んだことない」「…」(子どもを産んだことがないのはネコなのか本人なのか聞き忘れた。乳母車にはいろいろ用途があるものだ)

 働き方改革で30分、AI、家事ロボット技術の向上で30分、1日1時間の余裕が生まれたら、郊外の住環境に恵まれた30坪のマンションに住めると思うのだがどうだろう。

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現わしの梁(イメージ図)

マラソン3回分122kmの家事労働短縮 動線や洗面室の工夫で実現 アキュラホーム調査(2016/8/16)

いまどきの30代夫 完璧に家事こなすのは3割 旭化成ホームズが調査(2014/7/12)

ナイス ママの過重労働を解放する「DIWKS PARFAIT(デュークス パフェ)」発売(2018/11/29)

 

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