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2014/07/12(土) 00:00

いまどきの30代夫 完璧に家事こなすのは3割 旭化成ホームズが調査

投稿者:  牧田司

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「マルチアイランドキッチン」

 旭化成ホームズは7月11日、今年25周年を迎える同社の「共働き家族研究所」が調査・研究した報告書「いまどき30代夫の家事参加の実態と意識~25年間の調査を踏まえて~」(A4判86ページ)をまとめ発表した。

 調査の結果、①夫の家事参加が大幅に進み、5割の夫は洗濯ものを干す②夫の7割近くが、出産後も妻に仕事を続けてほしいと思っている③家事を完璧にこなせる夫は3割で、意欲はあっても上手にできない「チョイカジパパ」が多い-ことなどがわかった。

 また、今回の調査結果を踏まえ、同研究所と永大産業が共同して、夫の家事参加を促す「マルチアイランドキッチン」「ランドリーサンルーム」「デイリークローゼット」を開発、住宅展示場や「街かどヘーベルハウス」などで提案していく。

◇     ◆   ◇

 記者はこの種の発表会でいつも思うのだが、社会、経済環境は昔と比べ大きく変化している。「専業主婦」「配偶者・扶養控除」「寡婦(夫)控除」「共働き」などの呼称・文言について考え直すべきだと思っている。

 記者は約10年間、妻が死亡したためだが2人の子どもを育て仕事もこなしてきた。同社が夫の家事・育児関与度を21項目に分類した評価では21項目、つまり調理も洗濯も掃除も育児も程度の差はあれ全て行なった。特に食材では白、黒、赤、緑、黄を盛り込むことは忘れなかった。鰹節やトリガラで出汁を取ったこともあるし、砂糖を用いなくても甘みを出すことも覚えた。アップルパイは毎週のようにつくった。

 同社はまた、妻のしっかり家事度を13項目に分類して評価したもの、例えば「雑巾がけ」「水拭きする」などは全然行なわなかったので、2~3項目しかやらなかった。それでも家事・育児労働は1日3~4時間くらいはやったはずだ。

 家事・育児労働を金額にも換算したことがある。自己評価では月額30万円くらいになった。しかし、それでも記者は専業主婦(夫)でも兼業主婦(夫)でもなく、「孤閨」を守ったわけではないし、うじがわく「男やもめで」もなかったが、税法上は「寡夫」だ。そんな経験から、先にあげた言葉がしっくり受け入れられないのだ。

 例えば専業主婦。ウィキペディアによると、専業主婦は「『働く女性(賃金労働者)』と『専業主婦』はもともと対立概念ではなく、様々な理由から多くの女性が『働く女性(賃金労働者)』と『専業主婦』というライフコースを行き来する。賃金労働に従事していない時期名である為、『無職』に分類される。…専業主婦は家庭という組織内部で貢献しつつ内部分配を受けることから、企業における製造・営業に対する『総務・経理的役割』と同等の『家庭内の役割』だと考えられている」とある。

 これはこの通りだろう。しかし、必ずしも女性の労働環境は良好といえないから、働く女性と対立して考えざるを得ない現実がある。賃金労働者でないから「無職」とする一方で、企業における『総務・経理的役割』と同等」の役割を担っているとしていることに矛盾はないか。「家事労働」という言葉もあるくらいだから、「専業主婦」の労働価値を正当に評価すべきだと思う。

 また、「配偶者控除・手当て」もよく分からない制度だ。103万円だとか130万円の壁が論議されているが、女性の雇用促進を考えるのなら、働く女性が不利にならないように、また多様な生き方が選択できるような仕組みにすべきだ。「寡婦(夫)」もいやな言葉だし差別的だ。「未亡人」「やもめ」「孤閨」などと同じだ。税制面での支援策があるが、ならばどうしてシングルマザー、シングルファザーには支援がないのかもよく分からない。

 ことほどさように生き方は様々だ。家父長制が貫徹されていた昔と異なる。このあたりの制度なり意識改革を抜本的に行なわない限り、女性の社会進出促進や男女共同参画社会は実現しないのではないか。「男女参画社会」もまたよく分からない概念で、どうして「男女平等社会」でいけないのか。

◇     ◆   ◇

 調査結果は予想していた通りだし、「マルチアイランドキッチン」「ランドリーサンルーム」「デイリークローゼット」の提案もなかなかいい。アイランドキッチンは他社も採用しておりかなり増えてきたが、2帖ほどのランドリーサンルームとそれに隣接した「タタミコーナー」「デイリークローゼット」がいい。記者も洗濯には難儀した。ティッシュを取り忘れたときなどはパニックになった。室内にコンパクトに洗濯作業場があると助かる。

 ついでだが、いかに「寡夫」にとって家事・育児労働が大変であるかをしょうかいしよう。

 だいたい自分の時間が持てるのは夜10時過ぎだ。それから酒のつまみをつくり1時、2時まで飲む。もちろん原稿も書く。遠足用の弁当つくりもこの時間まで掛かる。

 困るのは子どもに持たせるこまごました道具類だ。あるとき「ナプキン」を持たせるようにと学級便りにあった。これには頭にきた。記者は妻がいないことを先生は承知しているのにどうして生理用品を持ってこいというのか、怒鳴りつけようかと思ったが、義妹に相談した。「よく読みなさいよ。そんなもの持ってこいというはずない」と電話口で言われたので、よく見たら「ナフキン」だった。それまで「布巾」は知っていたが、「ナフキン」など知らなかった。「トイレ」を持ってこいというのもあった。これにも呻吟した。先生を呪った。しかし、これもよく見たら「トレイ」だった。

 読者の方々は笑うかもしれないが、忙しいときはゆっくり学級便りなど読んでいる暇は全然ない。やってみれば分かる。

 

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