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2023/08/07(月) 08:40

樹木を避けて整備 都の日比谷公園整備PJ/「生き物を殺していいの」 二の句継げず

投稿者:  牧田司

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第二花壇

 東京都が8月4日(金)~6日(日)開催した「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」に関するオープンハウス会場を見学した。目的は、同プロジェクトで謳っている「整備工事は樹木を避けて実施する」ことが事実かどうかを確認するためだった。都の建設局公園緑地部職員は「このような文言を盛り込んだのは今回が初めて。緑に関する関心が高まっていることを考慮した」と話した。

 同プロジェクトは、令和3年(2021年)7月に策定した「都立日比谷公園再生整備計画」に基づく実施計画としてまとめたもので、「日比谷公園を年齢、性別、国籍、障害の有無などに関わらず、誰もが利用しやすく、楽しめる公園に進化させ、将来の都民へ引き継いでいく必要がある」とし、基本的な考えとして①歴史的文化的な価値を継承しつつ、誰もがより楽しめるWell-beingとなる公園に進化させる②公園の緑を守っていく③アクセシビリティを向上させ、より多くの方が公園を訪れることを目指す-としている。

 樹木の取り扱いについては、①樹木を避けて整備を実施する②移植が必要となる場合には樹木診断を行い、公園内で移植する-としている。

 オープンハウスは、同プロジェクトを都民に告知するとともに、アンケートなどで意見を聞くために実施したもの。3日間で約120名が訪れた模様。

 整備工事は、令和5年9月の「第二花壇周辺」を皮切りに、開園130周年を迎える令和15年(2033年)までに公園を9つのエリアにわけ段階的に行われる。

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オープンハウス会場

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第二花壇周辺で行われていたイベント

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◇        ◆     ◇

 以下は、添付した記事とあわせて読んでいただきたい。都が「樹木を避けて整備を実施する」と謳っているのに満足したのだが、会場の近くで整備計画に反対する人たちに話を聞いて、頭をどやされたような気がした。

 神宮外苑の再開発に反対するビラ配りの活動をしているという「ただひとりの母親としてこの国が心配」の女性に「神宮外苑の四列イチョウ並木を残す? これは本質から目をそらす罠。地下40mまで杭を打つんですよ。イチョウの根が傷つけられないわけがない。伊藤忠のビルは190mですよ。その隣は180m。日陰になっちゃう。神宮球場は古い? 同じくらい古い甲子園球場は改修工事でリニューアルに成功しました。ビル風の影響も受けます。軟式野球聖地もなくなっちゃう。日比谷公園の樹木の移植? 移植すれば樹木に負担がかかるんです。土中にはセミが生息しているんです。ミミズもいる。ものとしか見ていないからそんなことができるのです。生きものを殺していいんですか。そもそも移植にどれだけの費用がかかるか。知らないでしょ。樹種にもよるでしょうが、巨木となると1本1億円もすると専門家から聞きました。都民の税金で賄うんですよ」とやり込められた。

 この言葉に記者は二の句が継げなかった。仰る通りだ。自分で「鳥や虫の視点で考えて」と記事にしたばかりだ。数年から10年、土中にひっそりと暮らすセミを殺してもいいとは思わない。イチョウは劣悪な環境でも育つと思うが…。神宮球場はZOZOマリンの比でない風の影響を受けるかもしれない。

 さらに、別の方から追い打ちをかけられた。「神宮外苑も日比谷公園も主導しているのは三井不動産。あなた、魂まで売っていいんですか」と。

 記者は、基本的には是々非々で取材しているつもりだが、立場・見解が異なるとそのような見方もできるかもしれない。なさけない爺と映るのだろう。「樹木を伐採せず、避けて整備する」に膨らんだ胸は〝ハチの一刺し、二刺し〟でいっぺんに萎んだ。

 すごすごとその場を離れ、目的の一つだった松本楼でクラフトビールを飲み、ビーフカレーを食べ、第二花壇周辺を観察して歩いた。花壇周辺では屋台のイベントも行われており、また一杯。それにしてもキッチンカーのビールは高い。1杯700円とは。多摩センターは500円くらいだ。

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松本楼

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心字池

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