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2023/08/24(木) 00:13

ミサワホーム 「いつも」「もしも」ZEH対応 トレーラーハウス「MOVE CORE」発売

投稿者:  牧田司

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トレーラーハウス「MISAWA UNIT MOBILITY『MOVE CORE』」

 ミサワホームは8月24日、工業化技術を生かした「いつも」「もしも」の両面で社会課題解決に貢献するフェーズフリーのトレーラーハウス「MISAWA UNIT MOBILITY『MOVE CORE』」(以下、「ムーブコア」)を9月1日から全国販売を開始すると発表。発売を前にした8月23日、同社高井戸本館に設けた実売モデル2台をメディアに公開した。

 「ムーブコア」は、半世紀以上も南極昭和基地の建設実績や、「南極移動基地ユニット」を開発し、JAXAなどとの共同研究成果をもとに商品化したもの。

 仕様は、同社の工業化住宅とほぼ同じで、車検対応のトレーラーシャーシを利用するため自由に移動が可能。車検、道交法の適用は受けるが、建築基準法による建築物でないため、容積率、建ぺい率など様々な規制の適用を受けず、固定資産税、都市計画税などの課税も課せられないのが特徴。

 設備は、可変性を可能にするため糊や釘を使わず容易に施工できる乾式内装とし、重量規制に適合させるため、天井は700g/㎡の超軽量のボード(通常は6.6㎏/㎡)にしたり、着脱可能な設備にしたりしている。

 エクステリアは、設置・取り外しを容易にするため乾式外構を提案しており、蛇篭、100%リサイクル素材「M-WOOD2」のウッドデッキを採用。また、災害時の停電や断水に対応することを想定し、太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車から電気の供給を受ける「クルマde給電」、雨水・海水などを生活用水として利用できる水循環利用システム、災害時でも通信可能な衛星通信の設置も可能。

 用途は、宿泊施設、オープンカフェ、リゾートオフィス、応急仮設住宅、医療施設、個人住宅の離れなどを想定している。

 発表会に臨んだ同社執行役員 商品・技術開発本部長 桜沢雅樹氏は「防災の日でもあり関東大震災から100年目の節目である9月1日に販売開始する。当社のこれまでの工業化技術をそのまま利用したもので、住宅と同様、ZEHレベルを満たしている。多様な用途に対応が可能なので、無限の可能性を秘める商品。BtoB、BtoCを中心に事業化を図っていく」と語った。

 構造は「耐震等級3相当」(建築物と想定した場合)、防火は「不燃」、断熱性能は「Ua値0.59W/㎡・K」、遮音等級「Dr-35」など。寸法は全長約6,140ミリ×全幅約2,490ミリ×全高約3,780ミリ。重量は約3.5トン。価格は800~1,000万円。

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宿泊施設内観

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応急仮設内観

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モジュールファニチャー

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宿泊施設のシャワーブース(左)とトイレ

◇        ◆     ◇

 この種の取材・見学は3度目だ。最初は、三菱地所が2020年にオープンした新宿三丁目の「バスあいのり3丁目テラス」で、2度目は一昨年の三井不動産「HUBHUB(ハブハブ)プロジェクト」だ。

 建築物ではないから、建築基準法の規制を受けず、固定資産税などの課税も受けないのが味噌だ。桜沢氏は「無限の可能性を秘める」と語ったが、記者もそう思う。外周から計算するとトレーラーの広さは15.3㎡(4.6坪)。サッシは樹脂サッシで、天井高は2500ミリ、トイレはパナソニック「アラウーノ」。用途によってリビングベンチ下収納、スライドベッド、「蔵」収納などを設けることができるようにしている提案もいい。

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水循環利用システム

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エクステリア

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蛇篭

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