RBA OFFICIAL
 
2023/12/08(金) 18:59

従来のHEMSと一線画す 世界に通用する「HOMETACT」体験施設開設 三菱地所

投稿者:  牧田司

R5S_2703.jpg
「playground大手町」

 三菱地所は12月7日、同社の総合スマートサービス「HOMETACT(ホームタクト)」を体験できる「playground大手町」を12月8日にオープンし、mui Labと共同開発したスマートホームでの新たなエネルギーマネジメント体験「HOMETACT Energy Window」を公開すると発表した。

 「HOMETACT」は、同社が独自開発したスマートホームサービスで、専用アプリやスマートスピーカーでエアコンやテレビ、照明、カーテンといった複数メーカーの幅広いIoT機器をまとめてコントロールするもの。「おはよう」「行ってきます」といった「シーン」機能や、時間や位置情報などを実行条件とする「自動モード」の活用で、複数のIoT機器をまとめて動かし、設定どおりの住空間の制御が可能。2021年11月、三菱地所レジデンスの賃貸マンション「ザ・パークハビオ」シリーズに導入して以降これまで3棟に導入済み。もう1棟に導入することが決まっている。

 この種のサービスを行っているところがないことから、同業他社や賃貸管理会社、インフラ事業者など幅広い企業からの引き合い・相談を受けており、施設・システムを公開することで、ワンストップで課題解決に結びつけるのが狙いだ。

 「HOMETACT Energy Window」は、三菱地所とスタートアップ企業であるmui LabがHEMS技術の共同研究や新サービス開発に向けた協業を推進するため2023年8月に資本業務提携したのに伴い提供するもの。従来の住設機器・家電の制御に加え、電気・ガス・水道をはじめとした家庭内でのエネルギー使用量の「見える化」を図っているほか、Tips機能(節電アドバイス)により「行動の習慣化促進」と節電につながる仕掛けを施しているのが特徴。

 記者発表会に臨んだ同社住宅業務企画部 新事業・DX ユニット 統括・橘嘉宏氏は「今までのHEMSとは一線を画す。ZEHにも対応し、Tips機能は世界的に見てもチャレンジできる」と語った。

 「playground大手町」は、東京メトロ大手町駅他直結の「大手町ビルヂング」1階の56㎡。営業時間は平日(土・日・祝日休業)10:00~18:00(予約制)。

R5S_2739.jpg
内観

IMG_3793.jpg
左から橘氏、廣部氏、大木氏

◇        ◆     ◇

 HEMS、EMS、CEMS 、MEMS 、スマートタウン、スマートハウス、ZEH…取材先でいつも聞かされる耳にタコができるフレーズだ。同社の「HOMETACT」は、最初に導入した「ザ・パークハビオ 麻布十番」を取材しているので、どのような機能が盛り込まれているかはわかっており、今回のメディア向け見学会で発表された、消費者の省エネ行動を促そうという狙いの新機能の「HOMETACT Energy Window」もとてもいいと思った。

 ところが、施設について説明した橘氏や共同開発をしたMui Lab代表取締役社長CEO・大木和典氏、同社Creative Director・廣部延安氏からは、「麻布十番」でもそうだったが、わが国の後進性が改めて指摘された。〝ヘムスを開発したメーカーは撤退しつつある〟〝家庭に導入しても使われなくなる〟というものだ。

 HEMSなどが普及しない理由はなんとなくわかる。三菱地所レジデンスが2013年12月、他社に先駆けマンションの各住戸のエネルギー消費量をコスト(燃費・円)に置き換えて「見える化」した冊子「マンション家計簿」を今後首都圏で販売する全ての新築マンション購入検討者に配布すると発表したときに、小生は次のように書いた。

 「記者はこれだけでは不十分だと思っている。単に電気やガスの消費量の見える化だけでなく、日常生活におけるすべての二酸化炭素(CO2)排出量を『見える化』『見せる化』しなければならない。

 ガソリンから上下水道、生ごみ、食品、酒・たばこ、耐久消費財、旅行・レジャー、医療、交通移動手段などすべての消費財・サービスも含めてCO2の排出量を提供できるようにし、低炭素社会を構築すべきだ」

◇      ◆     ◇

 あれから10年だ。三菱地所レジは追跡調査を行っていないようだが、「マンション家計簿」の発行部数は数十万冊に達しているはずだ。この取り組みが「HOMETACT」の開発に繋がったのだろう。

 そこで、家計簿について考えてみた。かつて専業主婦が圧倒的多数を占めていた時代は、主婦向け雑誌は年末になると別冊付録の「家計簿」を販促につなげた。いま主婦向け雑誌がどうなっているか分からないが、ネットで調べた。ある社の360人を対象とした調査では、約6割の人が家計簿をつけており、うち女性は74%、既婚は63%、子育て世帯は37%で、お金を管理しているのは「自分」が71%という結果が出ている。立派というほかない。男性の人は正直に申告しているのだろうか(小生は領収書を受け取ることはほとんどない。そんなものをかみさんに渡したら、どこでどれだけ酒を飲んだか全て捕捉されるではないか)。

 ただ、子育て世帯は37%しかないことに注目する必要がありそうだ。家計簿をつける余裕などないのだ。一昨日の三井不動産レジデンシャルの記者発表会でも時間に追われている子育て世代(とくに女性)の実態が報告された。代わりにバーコードやQRコードをかざせば自動的に収入、支出項目ごとに記録されるようにすればいいと思うが…もう実用化されているか。そのデータをAIが解析し、アドバイスできるようにすれば生活は劇的に変わる。

 それはともかく一つ提案がある。アレクサはいいとは思うが、「おはよう」「行ってきます」「ただいま」「お休み」と声を掛けても、合成語とすぐわかる、小生のかみさんと一緒、どこかトゲのある「分かりました」としか答えない。その時々の雰囲気、様子によってもっと感情を露わにすべきだ。昔、夜中というより朝まだき、家に帰ったら「お父さん、今日も朝帰り」と息子に言われたことがある。金輪際酒など飲まないという誓いは1か月くらい持続した。

 これがアレクサだったら効き目はない。それより、鬼より怖いかみさんとか子どもにすべきで、起床の音楽はボレロがお勧めだ。小生は独身のとき、朝起きて身支度をし、出勤するまでの約15分間、この曲を聴くのを日課としていた。ぴったり15分間だ(朝食は会社の傍にあった喫茶店)。化粧に1時間くらい割く女性もいるそうだが、これは時間の無駄。多くの男性は女性の心を見ている。

 お休みの曲は、小生の記憶をたどると♪ねんねんころりよおころりよ~♪に勝るものはない。

 子どもの個室などない薪炭の時代だ。いつも祖母と一緒に寝ており、この童謡を聴きながら、しわくちゃのおっぱいをまさぐると、焼きもちを焼いた雄の飼い猫が布団に潜り込んできて、祖母と小生の間に入り、すぐゴロゴロと寝息を立てた。三人・匹が川の字になって眠りに落ちた。朝は、雄鶏のけたたましい〝コケコッコー〟で叩き起こされた。

 アレクサに頼っていては、いつまでたってもAmazonの支配から抜けだせない。高畑充希さんが「次に行こう」と呼び掛けているではないか。

スマホ一つで住設機器・家電など操作・ 管理 三菱地所 スマートホームサービス開始(2021/11/4)

三菱地所グループ 「マンション家計簿」が地球温暖化防止活動環境大臣賞(2015/12/2)

三菱地所レジデンス 「マンション家計簿」全マンションに導入(2013/12/19) 

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン