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2024/02/16(金) 12:28

関西初の木造マンション「MOCXION(モクシオン)」完成 三井ホーム

投稿者:  牧田司

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「MOCXION ESPOIR(モクシオン エスポワール)」

 三井ホームは2月15日、関西エリアで初となる同社の設計・施工による3階建て木造マンション「MOCXION ESPOIR(モクシオン エスポワール)」が完成したと発表。同日、報道陣にも公開した。

 物件は、OsakaMetro谷町線千林大宮駅から徒歩4分、大阪市旭区大宮3丁目の第2種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約763㎡、木造(枠組壁工法)3階建て延べ床面積約1,324㎡の全47室。専用面積は23.23㎡。家賃は非公表だが6万円前後になる模様。着工は2023年1月、竣工は2024 年2月。管理運営は学生情報センター。

 構造躯体に237.2t-CO2(スギの木470本相当)の炭素を貯蔵しており、建物の劣化対策として耐震等級「3」、BELS評価の「ZEH-M Oriented」を取得、一次エネルギー消費量を20%以上削減。同社独自開発の「高性能遮音床システム「Mute(ミュート)」と、構造強度に優れた木質構造断熱複合パネル「ダブルシールドパネル(DSP)」、エントランスの壁、天井などにナラ材の木をそれぞれ採用している。

 見学会で同社関西コンサルティング営業部営業グループ長・楢橋隆氏は「管理運営を担当する学生情報センターの意向も考慮し、エレベータは設置しておらず、部屋は全て同じタイプとした。コストを抑え、利回りを上げるために1時間耐火ではなく1時間準耐火構造としているのもポイントで、ZEH-M仕様は差別化につながるはず」と説明した。

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エントランス

◇        ◆     ◇

 これまで見学した「MOCXION」の「稲城」でも「四谷三丁目」でも「北千束」でもなかった。学生マンションだからそうなのだろう。管理人室もなければエレベータもなし。本物の木はエントランスの壁と天井、ベンチくらい。他は居室を含め「木」に見えるのは全て木調シート。居室の天井高は2400ミリ、キッチン(幅約1.2m)、洗面、浴室、トイレ付き。

 もう一つ、これまで取材した女子学生会館や学生マンションとは異なるのも特徴だ。千林大宮駅圏には大阪工大キャンパスがあり、ターゲットは同大学の学生が中心になるようだが、男子、女子の入居区別はないという。

 これは結構なことだ。〝爺さん〟〝婆さん〟は禁句のようだし、そのうち女流作家、処女作、女流棋士、女子会も死語となるのではないか。女郎花はほとんど絶滅した。(記者の好きな作家の丸山健二氏は「ブラックハイビスカス」で「不平等社会の陰画にほかならない法の前の平等」と喝破しているが…)

 RC造とのコストについて報道陣から質問が飛んだ。同社はRC造とのコスト比較は行っていないと答えたが、間違いなくRC造よりは安いはずだ。建築費だけでなく、レンタブル比も90%を超えているはずで、かなり高い利回りが期待できるのではないか。延べ床面積が法定容積率を余しているのは、敷地条件や1時間準耐火構造としたのも理由の一つという。

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 現地について、おやっと思ったことがある。駅前の幹線道路沿いの用途地域は商業地域のはずで、高層マンションなども建っていたが、表通りから一歩入った現地周辺の建物は「MOCXION」を含めてほとんど2~3階建てだった。低層の店舗や高層マンション、駐車場も点在していたので、第一種低層住居専用地域ではないことは理解できた(大阪市内には第一種低層住居専用地域は存在しない)。

 後で確認したところ、現地は第2種中高層住居専用地域だった。にもかかわらず2~3階建てばかりというのは、道路が狭く土地も細分化されているからだろうが、〝なんでもあり〟の大阪の気質なのだろうか。

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千林大宮駅前

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