「プラウド日本橋三越前」
問い合わせ・資料請求が4,500件を突破している野村不動産「プラウド日本橋三越前」を見学した。「日本橋三越前」と「プラウド」人気が相乗効果を呼んだ数字だが、モデルルームは間違いなくその期待に応えるとみた。いかに顧客満足度を向上させるか、商品企画の参考にしたいマンションだ。
物件は、銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩6分(総武快速新日本橋駅から徒歩4分他)、中央区日本橋堀留町1丁目に位置する12階建て全88戸。専有面積は41.54~72.02㎡、予定価格は4,600万円台~10,000万円台(最多価格帯6,000万円台)、坪単価は380~390万円の予定。竣工予定は平成28年8月上旬。施工は三井住友建設。
現地は、三越前駅から再開発が進む同社の「YUITO」、三井不動産の「COREDO室町」を抜けて、昭和通り(首都高速1号線)を渡った商住混在地区。
建物は扁平梁と梁型の出ない戸境壁を採用した三井住友建設の独自工法を採用。内廊下方式で、住戸は60~70㎡台の南向きと40~50㎡台の北向きがそれぞれ1フロア4戸ずつ。
設備仕様を高めているのが大きな特徴で、リビング床はチークの突板仕様で、玄関・ホール、キッチン天板・袖壁、洗面・トイレカウンターなども天然石張り。
第1期の登録申し込みは3月7日~15日(日)。モデルルームオープンは2月28日(土)。これまで問い合わせ件数は4,500件を突破している。
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「ものすごい人気」だとは同社の関係者から聞いていたが、問い合わせ件数の多さにびっくりした。戸数が数百戸規模ならこれくらいの問い合わせは不思議ではないが、この程度の規模にしては信じられない多さだ。三井不動産レジデンシャルの「銀座」の人気にも驚いたが、「日本橋」も負けてはいない。
単価は決して安くはないが、最近の価格上昇を考えればリーズナブルな値段といえなくもない。かつてコンパクトマンションが流行した平成10年ころ、プロバストが分譲した「プラティーク日本橋」などは坪200万円を切っていたし、人形町界隈の価格の高い物件でも相場はせいぜい220~230万円くらいだったことを考えると、時代は変わったものだ。
ただ、グレードの高さは、当時の物件とは比較にならないほど高いし、近年の銀座、八丁堀あたりの物件と比べてもはるかに高い。
ここが「プラウド」の他社物件との違いだ。それを端的に示しているのが、玄関・ホールに採用している大理石だ。
マンションギャラリー副所長の村田大輔氏は、この石を「ビンテージマンションとして知られている『広尾ガーデンヒルズ』の玄関床に使用されたイラン産のゴハレベージュです」と説明した。
「希少種の…産です」と説明するデベロッパーの営業マンは少なくない。それだけで貴重な石であることは分かるのだが、「広尾ガーデンヒルズと一緒」と説明されたらどう感じるか。もう40年近く前のマンションだが、今もわが国の億ションとして燦然と輝いている。そのマンションと同じものを採用したと聞いたら、ほとんどの来場者は感動するはずだ。
住宅は感動を売る商売でもある。野村不動産はいかに人を感動させられるかをよく弁えている。同じようなことだが、同社は「1418サイズ」のオハナの浴室を説明するときは「これは親子風呂ですよ」という。もちろん親子が一緒に入れるくらい広いという意味だ。「広めの1418ですよ」というのと「親子風呂ですよ」というのとでは、響き方がまったく異なる。これが同業他社と「プラウド」の差だ。
一つだけ注文も付けたい。マンションギャラリーは草月流の師匠がコーディネートしており、高価そうな袋帯が4本も5本も飾られていた。ところがだ。8,000万円はしそうな豪華なモデルルームに飾られていたカサブランカは造花だった。かつてのプロバストは白と黒が基調のモデルルームに飾る赤いバラの花を東京中の花屋から探してきた。
記者は「これはない」と話した。ひょっとしたら28日のオープン時には本物のカサブランカが飾られているかもしれない。
モデルルーム(造花のカサブランカも写っている)