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2015/06/26(金) 00:00

ブルースタジオ 小田急電鉄の社宅再生リノベ「ホシノタニ団地」完成

投稿者:  牧田司

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「ホシノタニ団地」

 小田急電鉄とブルースタジオは6月23日、小田急線座間駅前の小田急電鉄社宅をリノベーションした賃貸住宅「ホシノタニ団地」を報道陣に公開した。

 物件は、小田急小田原線座間駅から徒歩1分、座間市入谷5丁目に位置するRC(ラーメン構造)5階建て3号棟28戸と4号棟27戸。既存建物竣工は3号棟が1965年、4号棟が1970年。リノベーション完成時期は3号棟が2015年6月、4号棟が2015年3月下旬。専用面積は37.38㎡。月額賃料は70,000~95,000円。管理費は5,000円。企画・設計監理はブルースタジオ。設計・施工は大和小田急建設。事業主は小田急電鉄。貸主は小田急不動産。

 小田急電鉄は、建物が老朽化したことから再生手法について10年前から検討を進めていたが、5年前、団地再生に実績があるブルースタジオに依頼して、リノベーション賃貸マンションにすることを決定した。

 隣棟間隔が広く多面的に利用できることなどから、サポート付き貸農園やドッグラン、カフェを設けることで地域にも開放した計画とし、座間市の依頼で子育て支援施設も設置。1号棟と2号棟は、市営住宅の建て替えに際し居住者が一時入居する市営住宅用に当てられる。

 建物は耐震補強を施したうえ、極力コストを抑えながら間取りの変更、ナラ材の無垢材のフローリング、一部床下げ、断熱材の充填、ウッドデッキの設置などの工夫を凝らすことで魅力付けを行っているのが特徴。

 ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦氏は、「建蔽率が20%を切っている団地特性を考え、駅前広場も整備し〝この街に住みたい〟と思える豊かな空間を整えた」と話した。

 4号棟は募集を開始しており、これまでに22室のうち13室が契約済み。入居者は30歳代の単身者が中心で、地元だけでなく都心方面からの問い合わせも多いという。3号棟の募集はこれから始まる。

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サポート付き貸農園

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団地のコンセプトなどについて語る大島氏

◇       ◆     ◇

 築50年も経過し、エレベータがなく面積も約37㎡しかないので、いくらリノベーションをしても入居者が集まるのだろうかと思ったが、企画がヒットしたようだ。確かに豊かな居住空間に生まれ変わっている。

 「ホシノタニ団地」というネーミングがいい。名前の由来は、鎌倉の時代に古東海道と八王子街道が交差する宿駅「いさま」があり、その地には「星谷寺(しょうこくじ)」が建立されている。その寺には昼でも星を映す井戸があるほど、星が美しい集落だったという。人と人をつなぐ、人と街を繋ぐ、星がつながり星座になるようにと「ホシノタニ団地」が誕生したのだそうだ。

 そういえば、神奈川県横浜市には「星の丘」がある。マンションもよく売れた。

 ブルースタジオが携わっているプロジェクトはいくつか見学しているが、それぞれに夢があり優しさ温もりを感じるものばかりだ。古いものと新しいものを融合させる思想、哲学のようなものがうかがえる。

 今回も、4棟の建物外観カラーリングは春夏秋冬に分け、それぞれ星座をデザインとして取り込んでいる。玄関サイドの牛乳箱だったものは、居室を示すサインにしている。ささいなことだが人はそういうところに感動する。細かなことにも手を抜かない工夫がある。

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1階住戸に設置されたウッドデッキ(左)と耐震補強された建物外観

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モデルルーム(キッチンの面材はラワン)

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団地エントランス部分

 

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