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2015/12/28(月) 00:00

記者が選んだ2015年「話題のマンション33物件」

投稿者:  牧田司

記者が選んだ2015ベスト3マンション

三井不動産レジデンシャル「パークコート赤坂檜町ザタワー」

東京建物・首都圏不燃建築公社「Brillia Towers 目黒」

大成有楽不動産・長谷工コーポ「オーベルグランディオ品川勝島」

 今年の最後の「こだわり記事」は恒例の「話題のマンション」。今年見学したマンションは約90件。昨年より若干減少した(その分、分譲戸建ての見学を増やした)。

 その中から33物件を選んだ。いつものことだが、「話題性」を重視して選んだので、必ずしも物件の優劣で選んだわけではない。とはいえ、水準以下の物件は1物件も選んでいないつもりだ。物件はほぼ記事の掲載順に紹介する。

 1年間を振り返ると、都心の高額マンションがバブル期を彷彿させるような爆発的な売れ行きを見せたのが印象深い。坪単価も山手線では400万円を突破し、都心部では800~1,000万円が相場となりつつある。

 郊外部は、業界内では売れ行きがいま一つといった認識があるようだが、記者はそう思わない。

 郊外部でも価格上昇が顕著で、坪単価150万円以下がほとんど姿を消した。グロスにすると70㎡で約3,200万円。中堅サラリーマン層の取得限界に近づいている。にもかかわらず、堅調に売れている。都心部が異常なだけだ。

 残念なのは、基本性能、設備仕様レベルの低下だ。基本性能では70㎡台の郊外マンションは直床(ダメというのではないが)が当たり前となり、以前は6.2m以上あったスパンは6mが普通となった。

 設備仕様も、バックカウンター・吊戸棚はオプションになり、食洗機やスロップシンクを設置しないところも増えてきた。床・建具・面材もみんな右に倣えなのかケミカル一色になった。

 まあ愚痴を言ってもしようがない。来年に期待しよう。

住友不動産「シティテラス草加松原」

約6000戸の松原団地建て替え本格化2015/1/12)

 東武スカイライン松原団地駅圏の約6,000戸のUR「松原団地」建て替え事業の一環として分譲された全538戸の規模。

 URと草加市が敷地売却の条件として敷地面積約2haに対して1戸当たり38㎡の土地を確保することを求めたため、坪単価180万円で、平均価格は4,000万円を突破した。これまで草加松原駅圏の坪単価は130~140万円で推移していた。単価は3割以上の上昇となった。

サンケイビル「ルフォンリブレ浜松町キャナルマークス」

「めざましテレビ」そのまま(2015/1/20)

 これまで倉庫街としてしか知られていなかったゆりかもめ「日の出」駅から徒歩2分の港区海岸2丁目に立地。浜松町に徒歩10分というのも売れた要因か。

 さすがサンケイビルか。フジテレビの朝番組「めざましテレビ」のセットそのままのモデルルームが設けられていたのには唖然とした。

大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺II

坪単価は“旧価格”(2015/1/27)

 旧日本住宅公団「牟礼団地」の建て替え事業地の一環で、同社が2013年に分譲し人気になった「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅰ」(177戸)に次ぐ第2弾。

 今回はやや単価が上昇し、専有面積は最低でも72㎡台、平均で約78㎡と広くなった。最寄り駅の一つ京王線仙川駅圏や調布駅圏でも大規模マンションが分譲され、大激戦となったエリアで大健闘。

三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス西新宿タワー60

第1期325戸 平均2.19倍で即日完売(2015/2/23)

ここも唯一無二か わが国最高階数(2014/11/7)

 総戸数954戸うちの事業協力者住戸を除く販売住戸全777戸が分譲開始からわずか10カ月で完売して話題となった。新宿区内のマンションとしては、昨年、「富久クロス」(全1,222戸)の分譲住戸992戸がわずか6カ月で完売して話題となったが、それに次ぐ早期完売。これまで約3,500件の来場者を集めた。

 販売前からコミュニティ支援のイベントを定期的に行っているのを評価したい。

三井不動産レジデンシャル「パークリュクス銀座mono

バブルだ!中古が新築を上回る銀座2015/2/23)

野村不動産「プラウド日本橋三越前」

問い合わせ4500件突破(2015/2/27)

NTT都市開発「ウエリス銀座二丁目」

「銀座初」に問い合わせ2500件(2015/5/12)

東京建物「Brillia日本橋三越前」

〝プラウド〟に挑戦状 ほぼ同じ単価で

 日本橋・銀座エリアで4物件が供給されいずれも人気を呼んだ。

 「パークリュクス銀座mono」は、銀座8丁目でそれほど立地条件に恵まれているわけではないが、実需というよりは投資向けに圧倒的な人気になった。坪単価415万円は中古より安かった。

 「日本橋三越前」も問い合わせが4,500件にのぼり、圧倒的な人気を呼んだ。「日本橋三越前」が最寄り駅というのが最大の人気の要因。設備仕様レベルも高かった。

 「銀座二丁目」は、「銀座アドレス」で所有権分譲としては10年ぶりで、初の80㎡台があるマンション。北は北海道から南は沖縄まで問い合わせは2,500件に達した。建物は2015年2月に竣工済み。全体的にグレードが高いのが目立った。

 東建「Brillia日本橋三越前」は女性を中心とした商品企画プロジェクトチーム「Bloomoi(ブルーモア)」が企画に参画。全44戸を即日完売した。

コスモスイニシア「グランコスモ武蔵浦和」

またイニシアだ! アクティブシニア向け(2015/3/24)

 現在分譲中のマンション「武蔵浦和SKY&GARDEN」などとともに一体開発されている再開発プロジェクトの一つ。購入者の年齢制限は設けてはいないが、60歳代以上のアクティブシニア層をターゲットにしたマンション。

 これまでアクティブシニア向けは郊外部が中心だったが、同社は10年くらい前から企画を温めてきた。企画秀。

伊藤忠都市開発「クレヴィア大船」

親子隣居を可能にした「アウタールーム」採用(2015/4/17)

 親子隣居を想定した「アウタールーム」付きを最上階タイプの6戸3組に採用。

 「アウターフレーム」とは、一般的なマンションのバルコニーは奥行き約1.8~2.0mで、隣の住戸との間には隔て板を設けているのに対し、隣り合う住戸のバルコニーの隔て板を設置せず、双方の住戸をバルコニー空間でつなぐというもの。親子世代の「つかず、離れず」の関係が保たれるのがみそ。

東京建物ほか「Brillia THE TOWER TOKYO YAESU AVENUE

「八重洲アベニュー」は坪450万円(2015/4/24)

 基本性能・設備仕様レベルの高さが光った。キッチン天板はアフリカ・アンゴラの貴重な御影石「ステラブル」で、バックカウンターも標準装備。リビングドアなどは突板の浮造り仕上げ。天井高は2600㎜以上。

 「Bloomoi」とキリンビールの女性社員とが「働く女性がもっと幸せになる住まい」グループインタビューを実施して編み出した「お酒が楽しめる空間」も提案。

フージャースコーポ「デュオヒルズつくばエンブレム」

つくばセンター地区・最後の一等地(2015/5/1)

 つくば駅圏で実績豊富なフージャースコーポレーションの記念碑的物件。計画的に整備されたつくば駅周辺のセンター地区の一角にあり、オークラフロンティアホテル、常陽銀行、つくば中央警察署、大清水公園、筑波合同庁舎などが隣接・近接。周辺はペディストリアンデッキでつながれており、駅まで車道を通らず移動できる一等地に立地。同駅圏では初の免震工法を採用、デザイン監修は光井純氏。

東急不動産「ブランズタワーみなとみらい」

プラン・設備がいい、坪400万円は納得 (2015/5/13)

 間違いなく同社の記念碑的なマンションだ。「みなとみらい」駅から徒歩2分、「クイーンズスクエア横浜」に隣接する免震の29階建てタワーマンション。坪単価は当初380万円くらいと見られていたが、人気が高いことから400万円以上に上方修正された。第1期150戸は440万円でも即日完売した。

近鉄不動産他「BLUE HARBOR TOWER みなとみらい」

坪単価は400万円前後(2015/6/9)

 東急不動産の「みなとみらい」より少し遅れて供給されたが、こちらも坪単価は400万円を突破か。両物件が競合というよりは相乗効果のほうが大きいと見た。

三菱地所レジデンスほか「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」

親子隣居・近居プランを提案(2015/5/22)

 「公団烏山第一団地」跡地に建設されるもで、お年寄り夫婦の入居を想定した「ユニバーサルプラン」がいい。面積は約59㎡。両面バルコニーで、南西側の玄関を入るとすぐにバルコニーに面したリビング・ダイニングがあり、その隣が半独立型のキッチン。居室2室は北西側に設置。廊下幅はメーターモジュールとし、トイレを含むすべてのドアは引き戸を採用。

大和ハウス工業「プレミスト高尾サクラシティ」

スマートシティ高尾はこんな街(2015/6/8)

 この5年間で2棟120戸しか供給されていない高尾駅圏の総戸数416戸の大規模マンション。約16,000㎡の沖電気の敷地跡地。敷地に隣接して複合商業施設と戸建て街区が予定されおり、保育所・小学校も隣接。「サクラシティ」は既存樹のサクラが市民にも開放され親しまれていたことから名づけられた。販売も順調のようだ。

三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウスグラン南青山」

平均9.65倍で即日完売(2015/6/16)

 同社の都心のフラッグシップ「ザ・パークハウスグラン」の第3弾。即日完売して話題を呼んだ。坪単価は800万円弱。全101戸のうち81戸が事業協力者住戸81戸で一般分譲は20戸のみだった。これまたすごい。

三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小杉ザガーデン」

第1期は409戸、単価は330万円(2015/6/24)

 総面積が約92haの再開発エリアの一角で、これから開発が進められる駅北口の第1弾プロジェクト。敷地は旧日本石油の社宅・独身寮跡地。

 全592戸のうち第1期として409戸が供給された。坪単価は330万円。「小杉人気」は高まる一方だ。

伊藤忠都市開発「クレヴィアタワー池田山」

全104戸を5カ月で完売(2015/7/21)

 他の大規模都心マンションの人気に隠れてしまったが、この物件も全104戸がわずか5カ月で完売した。坪単価400万円。設備仕様レベルが高い。

野村不動産他「桜上水ガーデンズ」

「類まれな」レベルの高さ(2015/8/28)

 分譲開始は2013年だったが、記者は「話題のマンション」に含めなかった。単価(330万円)が高すぎると判断したからだ。しかし、同社が竣工見学会を開き、その全体的なレベルの高さに驚愕した。なので、今年の「話題のマンション」として加える。建て替えマンションとしては同社の物件だけでなく、首都圏を代表する物件の一つ。

 駐車場地下化、3~5戸1エレベーター、日建設計、既存樹180本などのランドスケープが素晴らしい。管理組合の〝いいものを作ろう〟という意思が伝わってくる。

三井不動産レジデンシャル「パークホームズ赤羽西」

キッチンを動かせる画期的商品「Imagie(イマジエ)」開発(2015/9/8)

 同社は近年〝パークホームズ〟の商品レベルを飛躍的に上げているが、キッチンを簡単な工事で動かせる画期的商品「Imagie(イマジエ)」を開発、第一号としてこの物件に採用した。マンションの間取りが劇的に変わる可能性を秘める。

コスモスイニシア「イニシアクラウド二子玉川」

コスモスイニシア、新ブランド第1弾公開(2015/8/25)

 同社の新ブランド「INITIA CLOUD(イニシアクラウド)」第一弾。ライフスタイルやライフステージによって間取りが変えられるのが大きな特徴。各居室はスライドウォール・引き戸を開閉することで1LDKから3LDKまで自在にレイアウトできる。

 間取りを自由自在に変更できるのも、木のぬくもり・優しさを感じさせる素材の採用も、ここ数年の時代の流れだ。ありきたりのプランでは満足しない層のニーズを取り込む企画が優れる。

小田急×コスモスイニシア「リノグラン東林間アリーナ/ブライト」

バブル仕様の素晴らしいリノベーション物件(2015/9/17)

ポラスグループ「ルピアージュ天王台」

 “オールポラス”で初のリノベはバブル仕様(2015/11/19)

東急不動産「MAJES(マジェス)六本木」

 都心立地に特化したリノベ事業に参入 第1弾は「六本木」(2015/10/9)

 リノベーションマンションでは、小田急不動産・コスモスイニシア「リノグラン東林間アリーナ/ブライト」、ポラスグループの「ルピアージュ天王台」、東急不動産「MAJES(マジェス)六本木」を選んだ。

 「東林間」は小田急の賃貸マンションで、外壁はもちろんバルコニー、階段はタイル張り。一部にはライトコート(吹き抜け)もある。住戸の天井高は2400ミリだが、2重床・2重天井で浴室の段差はほとんどない。平均で75㎡(アリーナ棟)、81㎡(ブライト棟)と広いのも特徴。

 「天王台」は、バブルの絶頂期、平成2年に竣工した三井住友海上の社宅で、施工は清水建設。PC工法のため躯体はいじられていないが、専有面積は約90㎡、中住戸にはすべてライトコートが付いており、当時の質の高さがうかがわれるマンションだ。6つのプラン提案もいい。

 「六本木」は、麻布、赤坂、青山、恵比寿、中目黒、代官山など都心3区を中心とした築浅の物件を再生して分譲する新しいブランド「MAJES(マジェス)」の第一弾。

三井不動産レジデンシャル「パークホームズ立川」

「半ソト空間」だけでない魅力あり(2015/9/28)

 すまい(日常)の中にアウトドアライフ(非日常)を取りこむ住戸プラン「半ソト空間」をスノーピークと共同開発。採用するのは1階部分の住戸と共用部分だが、その他の住戸プランも工夫されており、坪単価も割安感がある。

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス京都鴨川御所東」

 立地にふさわしい仕様レベル(2015/10/8)

 12月6日抽選分譲した第1期1次26戸が最高5倍、平均1.69倍の競争倍率で即日完売。

 登録者の年齢は30歳代が1割、40歳代が2割、50歳代が4割、その他が3割。居住地は東京都が3割、京都府が2割。これまでの問い合わせ件数は約1,700件、来場者数は約350件。

 登録者の居住地が地元京都より東京都のほうが多いのは予想していた。なので「話題マンション」に含めた。

明和地所「クリオ駒沢公園」

全53戸のうち10戸は億ションかプレミアム仕様(2015/10/30)

 再開発進む駅前一等地&公園に隣接明和地所「クリオ東小金井パークフロント」(2015/3/6)

 同社が春先に坪単価が300万円前後の〝割安〟マンションを「東小金井」で分譲して驚いたが、「駒沢公園」は相場並みの400万円くらい。駒沢オリンピック公園に徒歩4分、国立東京医療センターに隣接する全53戸の中層マンションで、同社久々の100㎡の億ション10戸くらいが含まれる。意欲的な物件だ。

ナイス「ノブレス西馬込」

ナイス、分譲するマンション全てに免震構造を採用(2015/10/30)

 ナイスは10月30日、今後同社が分譲するすべてのマンションを免震構造にすると発表。日建設計、および日建ハウジングシステムと共同でワークショップを実施し、これまで8階建て以上を免震としていたものを7階建て以下の中層でも採用が可能とみて踏み切ったもの。

 免震の新ブランド「Noblesse(ノブレス)」を立ち上げ、その第1弾「ノブレス西馬込」の建築現場見学会を行い関係者に公開した。

 同社は1997年に竣工した「ナイスアーバン砧公園」を皮切りに免震構造を積極的に採用しており、これまで計画中を含め70棟7,120戸に採用。首都圏での免震マンション供給棟数はナンバーワン。

モリモト「ディアナコート文京本郷台」

 デザインは「本郷弓町」の今井氏&鬼倉氏(2015/12/1)

 今年も同社のマンションをほとんど見学した。いつもデザインにはほれぼれする。「文京本郷台」もモデルルームの仕様レベルが高く、55㎡以上の住戸は床・建具・面材は全て無垢・突板仕上げ。キッチン・洗面、浴室のカウンタートップは天然御影石。サッシは2.3mのハイサッシ、天井高は14階までは2450ミリだが、15階・16階は2650ミリ。

野村不動産「プラウドタワー木場公園」

都心に3つしかない眼下に大規模公園(2015/12/8)

 敷地は3方道路に囲まれており、建物は東側、西側、北側が木場公園と木場親水公園に隣接・近接しており、南側住戸は下層階を除き公園が見渡せる。

 また、最近少なくなってきている都の総合設計制度の適用を受け27階建てを実現。単価323万円は、木場・門前仲町駅圏の最高単価をあっさり更新。

三菱地所レジ・大栄不「ザ・パークハウス浦和タワー」

埼玉県の最高単価 好調スタート(2015/12/14)

 バブル崩壊後の埼玉県のマンションでもっとも坪価格が高かったのは住友不動産「シティハウス浦和高砂」(95戸)の約290万円だが、同物件は330万円台の半ば。埼玉県の最高単価マンションの記録を更新した。この記録は当分破られないはずだ。売れ行きも絶好調。12戸は億ションで、これまた埼玉県の最多億住戸マンションになる。

日土地「武蔵野富士見ザ・レジデンス」

設備仕様レベルはトップクラス (2015/12/16)

 同社は今年、マンション供給を年間500戸くらいにし、近い将来には年間1,000戸くらいに拡大すると発表。

 この物件は、「二重床・二重天井」「ディスポーザ」「食洗機」「バックカウンター・カップボード」「ミストサウナ」「平置き駐車場」で差別化を図る 。

 

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