RBA OFFICIAL
 
2015/12/22(火) 00:00

国立求償裁判 国立市が逆転勝訴 東京高裁、第一審判決を破棄

投稿者:  牧田司

 明和地所の国立マンション建設をめぐる訴訟で、国立市が同社に支払った損害賠償金約3,120万円は当時市長だった上原公子氏が賠償すべきとした裁判(東京地裁平成26年9月25日判決言渡し)の控訴審言い渡しが12月22日、東京高裁で行われ、小林明彦裁判長は東京地裁の原判決を取り消し、国立市の請求権を認める判決を言い渡した。

 2014年9月25日の第一審判決では、東京地裁は「元市長への求償権行使は信義則に反し許されない」として、市の訴えを退けた。これに対して、市が控訴していた。

 控訴審判決に対して上原氏は「とんでもない判決。年内に上告します」とコメント。国立市は「現段階で詳細を把握できておらず、コメントは差し控える」とした。

◇       ◆     ◇

 42席ある法廷の傍聴席は裁判が始まる午後2時までに満席となった。上原氏はいつものように和服姿で登場した。この日は、濃紺の地に薄い笹の文様をあしらったもので、帯は鮮やかな沖縄の伝統的な染色技法の一つ紅型(びんがた)。時おり支持者に笑顔を見せていた。

 判決言い渡しはきっかり2時に始まった。

 「主文 原判決を取り消す。被告訴人は国立市に対して3,120万円と…」-小林裁判長が判決を言い渡した。すかさず上原氏の代理弁護士が「説明がない…」と異議を唱えたが、小林裁判長は「判決要旨は差し上げることになっているので、法廷では読み上げません。これで終了」ぴしゃりと、打ち切りを宣言した。この間、20~30秒。

 傍聴席からは「ひどい!」「最低!」「悪代官」などの声が飛び交った。「わたしは皆さんと立場が逆で、国立市を支持するものですがコメントをいただけませんか」と声をかけたが、ほとんど無視され「お前は官憲か」とも言われた。(わたしは皆さんと考えが異なりますが、敵ではありません。聞く耳は持っています)

◇       ◆     ◇

 判決後、国立市は次のように市の見解を発表した。

 「本日平成27年12月22日、東京高裁にて国立市が上原元市長を被告として訴えていました損害賠償請求訴訟で、市の請求を認証する旨判決がありました。なお、現時点ではまだ判決の詳細を把握できておりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」

◇       ◆     ◇

 上原氏と弁護団は判決後、記者会見を行い、次のような声明文を発表した。

 「控訴審においては、2013年12月19日における法規決議が違法であるか否か、放棄決議があるにもかかわらず市長が求償権の放棄をしないことが首長の権限乱用になるか否かが問題であった。この点について、本判決は、2015年5月19日、国立市議会が上原公子元市長に対して『求償権を行使せよ』との決議を行ったことを取り上げて、理由も付さずに権限乱用を否定した。

 …このような認定が横行すれば、地方自治・住民自治を委縮させ、発展を阻害することになる。

 …控訴審では…何ら論争が行われず、全く事実の審理が行われなかったにもかかわらず、独断と偏見に基づいて(原判決とは)正反対の判断が行われた。

 本事件は、住民自治のあるべき姿が根本的に問われている事件であり、このままでは、今後の地方自治をますます委縮させることになりかねない。

 上原元市長と弁護団は、ただちに、上告する予定である」

上原元国立市長に対する求償裁判 12月22日(火)に東京高裁判決言い渡し(2015/9/10)

国立 市議会勢力図が逆転 どうなる上原氏への損害賠償請求(求償権)(2015/5/1)

上原・元国立市長への求償は当然 議会「決議」の法的効力は?(2015/1/31)

「求償権の放棄」は問題 国立市は上原元市長に賠償請求すべき(2014/10/1)

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン