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2014/01/30(木) 16:08

「エネマネハウス2014」 記者の評価№1は東大 早大は?

投稿者:  牧田司

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「エネマネハウス2014」モデルハウス 「慶応型共進化住宅」

 東京ビッグサイト東雲臨時駐車場で1月31日まで公開されている「エネマネハウス2014」モデルハウス〝2030年の家〟を見学した。経済産業省資源エネルギー庁の事業のひとつとして行われているもので、「エネルギー」「ライフ」「アジア」の3つのコンセプトに基づき先進的な技術や新たな住まい方を提案するモデルハウス5棟が展示されている。

 大きなテーマとなっているのは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」。ZEHとは、省エネに加え、太陽光発電などにより住宅の年間のエネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅のこと。

 ZEHが広く国内だけでなくアジアなどの海外に普及させていくためには省エネの観点だけでなく、快適性や気候、風土にあった住まい方が重要なポイントであることから、ZEHが備えるべき要件や評価方法を標準化するために今回の開催となった。

 展示されているのは、「慶応型共進化住宅」(慶応大学/OMソーラー・銘建工業・長谷萬など27社)、「母の家2030 -呼吸する屋根・環境シェルターによるシェア型住宅スタイル-」(芝浦工大/パナソニック、銘建工業など14社)、「自然エネルギーを活用した持続可能なブラスエネルギー住宅『ルネ・ハウス』」(千葉大/JKホールディングスなど35社)、「CITY ECOX 2030年における都市型住宅のZEHプロトタイプ」(東大/積水ハウスなど17社)、「Nobi-Nobi HOUSE」(早稲田大/旭化成ホームズなど9社)。

 31日に審査員により提案内容の有望性・実現性・完成度などが評価され、結果が公表される。審査委員長は村上周三氏(建築環境・省エネルギー機構理事長)で、審査委員は赤池学氏(ユニバーサルデザイン総合研究所所長)、柏木孝夫氏(東京工大教授)、木場弘子氏(キャスター・千葉大客員教授)、隈研吾氏(建築家・東大教授)、武田史子氏(ベネッセコーポレーション「サンキュ!」編集長)、中上英俊氏(住環境計画研究所会長)。

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記者の評点  東大95点 慶大90点 芝浦工大90点 千葉大85点 早大?

 採点は省エネなど客観的な測定結果による評価(100点)と審査員による評価(200点)の総合評価(300点)で行われる。来場者アンケートによる評価(住みたい家)は総合評価には加えず、参考情報として得票数1位の事業者が表彰される。以下、各チームの特徴と、デザイン性、居住性、テーマ性に重点を置いた記者の評点(100点)を紹介する。

 「慶応型共進化住宅」は、今話題となっている杉集成材(CLT)を用いた純国産材の木造住宅。屋上・壁面緑化により緑化も図っている。CLTはわが国では認定されておらず、まず準防火などの規制がある大都市では建築不可だが、テーマ性、コンセプトがいい。銘建工業の中島浩一郎社長は林業関係者で知らない人はないのだろうが、「里山資本主義」で全国区人気になったのではないか。ルーバーパネルヒーターもいい。断熱材には古新聞を採用しているそうだが、性能、施工性はどうなのか。記者の評価は90点。

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慶大「慶応型共進化住宅」

 「母の家2030」は、約60名の学生(うち女性約20名)が企画から施工まで行った木造住宅で、そのものずばり「母の家2030」を〝核シェルター〟のように提案しているのが特徴。床・壁・天井をCLTで覆ったもので、クギは1本も採用されていない。広さは2.4×3.6m。キッチンシェルター、水回りシェルターもある。「父」の部屋がないのが難点。金銭的な支援を受ける父の同意をどうして得るかの工夫がない。記者の評点は85点。

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芝浦工大「母の家2030」

 「ルネ・ハウス」は、〝恒久的に利用できる仮設住宅〟がテーマの一つになっているようで、キッチン、収納などのユニットを自由にレイアウトでき、4層住宅も可能というもの。壁はベニヤ材が用いられていた。説明を聞いたが、4層にしても耐力的に問題ないというのは信じられなかった。〝恒久的〟に仮設を使うコンセプトもよく分からない。スギのチップを断熱材として使用しているのも注目される。素人でも施工できるというから、ホームセンターで売り出せはヒットするかも。評点は80点。千葉大は2012年、スペインで行われた「ソーラー・デカスロン大会でわが国で初めて参加し、参加18チーム中15位に終わった。今年6月にフランスで行われる大会に参加するという。きちんと学習しているのだろうか。

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「ルネ・ハウス」

 「CITY ECOX」は、鉄骨造の都市型集合住宅を提案しているもの。低層3階建てを想定しており、提案は1スパンを中央のセンターフレックスゾーン(幅5m)と左右のサイドコートゾーンにそれぞれ水回りと居室(幅各2.5m)に分け、フレックスゾーンの北側には多目的に利用できる2×5mの空間を提案しているのが特徴。各住戸に太陽光を追尾する可動式太陽光パネルを設置。透光蓄熱建具を採用することで室内温度を調整できる工夫も施されている。住まい方提案が明確、実現性もある。記者の評点は95点。マイナスはシニア向けに赤と黄のデザインはないと思ったのと、水回り(風呂-トイレ-洗面-キッチンが横並びでオープン)に工夫が足りない点。

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「CITY ECOX」

 「Nobi-Nobi HOUSE」は、外観がパープルに近いピンク。地区計画や建築協定がなくても物議を醸す住宅だ。地域との親和性が全く考慮されていない〝喧嘩を売る〟住宅だ。その意図が全然わからなかったが、「対象はアジア」と聞いて納得した。アジアの富裕層には受けるかもしれない。内装はシンプルだが豪華。猫脚浴槽付きの浴室はホテル仕様。評価が難しい。〝海外高級リゾート向け〟限定として85点か。

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 「Nobi-Nobi HOUSE」 写真左は「自宅で使っている」という自然の風を取り込む窓の前に立つ田辺新一教授(メーカーは三協立山アルミ。これはスグレモノ) 

 

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