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2013/10/26(土) 13:53

見ごたえあった同姓「今野」対決と今野と川崎の同窓「明大」対決

 

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旭化成ホームズ今野(左)とオープンハウス川崎

  
 水曜ブロック決勝戦、旭化成ホームズ-オープンハウスは2-2のまま決着がつかず、昨年と同様、引き分け再試合となった。旭化成の今野もオープンハウス川崎も完璧の投球を見せたが、それぞれ味方のミスも絡んで2失点した。今野は「力んでしまった」と悔い、川崎は「ドームには魔物がいた」と声を絞り出した。〝勝つと思うな、思えば負よ〟-記者は古い演歌のフレーズを思い出した。「今野」の同姓対決と、明大卒の同窓対決を振り返った。

◇     ◆   ◇

 まず、旭化成のエース今野とオープンハウスの核弾頭・今野の同姓対決から。

 記者は戦前からこの〝今野対決〟を楽しみにしていた。結果は旭化成の今野が3打数無安打に抑えたが、今野投手の2失点はオープンハウス今野が奪ったともいえる。

 そのシーンを振り返る前に、前打席の対決を紹介する。前2打席ともオープンハウス今野はファウルフライに討ち取られている。旭化成の今野に軍配が上がった。とくに2打席目が面白い。初球、今野投手は「捕手の要求どおり」内角にオープンハウス今野をのけざらせるストレートを投げた。そして2球目。一転して緩いカープを投げた。バッターの今野はタイミングが合わず3塁ファウルフライ。わずか2球で決着がついた。今野投手の投球が光った。

 そして、3度目の対決。0-0の5回裏、2死2、3塁で打席にオープンハウスの今野が立った。ここで今野投手に迷いが生じた。「四球でもいいと思ったが、勝負にいった」。〝四球でもいい〟という思いが〝針の糸を通す〟制球力を狂わせ、スライダーは外に大きく外れ暴投。2者が生還した。オープンハウス今野はこの打席であわやスタンドインという大ファウルを放ったが、結局、キャッチャーファウルフライに倒れた。

 討ち取った今野も討ち取られた今野もその理由は分かったはずだ。次の対決もまた見ものだ。

◇     ◆   ◇

 最終回。ここまでオープンハウス川崎は無安打に抑えていた。許した走者は味方の失策と四死球による3者のみ。盗塁などでいずれも3塁まで許したが後続を力で抑えていた。最終回も〝普通に投げれば〟川崎がノーヒット・ノーランを達成していたはずだ。

 しかし、川崎に魔物が立ちはだかっていた。川崎は先頭打者の9番横田に四球を与えた。明らかに力んでいた。ストレートはすべて高めに浮いた。新人の横田は冷静だった。「2球目、きわどい球だったが、ボール一つ外れていた」と判断してボールを選ぶとあとは明らかなホールで四球。

 ここで旭化成は揺さぶりを掛けた。代打は取って置きの久保田。横田が盗塁したあと、久保田が甘い高めのストレートを中堅前に運び1点差。勢いに乗る旭化成はここで代走に新人の池田。池田は2盗し、さらに意表を突く3盗を敢行。慌てたオープンハウス日隈捕手は3塁に悪送球して池田が難なく生還して同点に。今野投手のドーム無敗神話は継続された。

◇     ◆   ◇

 再試合がまた見ものだ。双方とも相手の手の内が読めたはずだ。今野は連打を浴びなければ抑えられると思っただろうし、川崎もストレートの力勝負に自信を持ったはずだ。しかし、各チームの打線も攻略法を探るはずだから、同じ手が通用するとも限らない。だから野球は面白い。

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今野、痛恨の暴投て2失点した場面

 

 

 

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