〝読みは『ドイ』ではなく『ドヒ』です〟三井レジリース土肥
三井不動産レジリース(80⇒86) 11-0 三井不動産レジサービス(78)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
三井不動産レジデンシャルリース | 4 | 4 | 3 | 11 | ||||||
三井不動産レジデンシャルサービス | 0 | 0 | 0 | 0 |
(時間切れ)
初回、2ランを放った渡辺
三井レジリース(80⇒86)-三井レジサービス(78)の〝兄弟〟対決は、三井レジリースが大勝した。わが西武・土肥(どい)コーチのはとこで元ヤクルトの土肥(どひ)が先発し、力三分でレジサービスをひねりつぶした。打線は初回から攻撃の手を緩めず3回まで毎回得点の11点を挙げた。次戦で野村不動産と決勝Tの座をかけて戦う。敗れたレジサービスはポラスと戦う。
試合は1回の攻防で決まった。レジリースは初回、いきなり2番渡辺の2ランと、四死球と相手の拙守に付け込んで4点先制。その裏、レジリースの土肥が味方の失策で3塁まで走者を進めたが、内角を突くえげつないシュート気味のストレートと変化球を操り、無難に抑えた。雌雄は決した。
〇土肥 投げにくい。まだ軟式に慣れていない。肩痛い(この日の投球を見る限り、制球に苦しんでいた)
〇小野田捕手 土肥? 半分の力も出していない。内側のシュート? あれはストレート
〝軟式は難しいよ〟土肥
死球で出塁した山際(1塁手はかつての主砲藤元)
◇ ◆ ◇
信じられない。こんなことが起きていいのか。血も涙もない。どっちが兄か弟かは知らないが、弟を労わる気持ちはないのか、兄を敬う心根は持ち合わせていないのか。記者は〝勝って〟予想で次のように書いた。
「勝っても負けても次戦がある。勝者は野村不動産-東急不動産の敗者と、敗者は青山メインランド-ポラスの敗者と戦う。
ここは兄弟対決。次戦の相手を睨みながら、勝ちを譲る仲良しこよしの、二兎を追う試合になるのは間違いない。
ズバリ、サービスが勝つはずだ。野村-東急の試合は野村が優勢で、サービスと東急が戦ったら、サービスが優勢だ。
…(リースは)僚友に勝ちを譲って貸しをつくり、青山-ポラスの敗者と戦う選択肢を選ぶはずだ」と。
ところがだ。試合前、リースナインは「勝ちに行く。次のことは考えていない」と口々にしゃべった。この時点で記者の〝勝って〟予想は崩れたと予感した。
予感が確信に変わるまで時間はかからなかった。初回に渡辺が2ランを放った直後、3塁コーチの中野は「波状攻撃だ」とナインを鼓舞した。
そして、わが三重県勢を震え上がらせたかつての東邦の主砲、5番山際が何を血迷ったのか、冷静な読みなのか、レジサービスの門井投手に決定的な致命傷を与える行動に出た。
何球目だったか。山際は、サッカーのヘディングシュートのように荒川まで飛ばそうと思ったようには見えなかったが、ただすっぽ抜けただけの大した球威もなさそうな、彼の技術をもってすれば簡単によけられる高めのボールに頭突きをくらわしたではないか。
石頭か中身が空洞か判然としないが、その頭と共鳴したボールは音叉のような「ポコン」と音を立てて山際の足元に転がった。
山際は多分演技だろうとは思うが、鬼の形相でもって角井を睨みつけた(と見えた)。その直後、次の6番小野田が2点打を放ちこの回4点をもぎ取った。
その裏、土肥は報復の意図があったわけではないだろうが、デッドボールを一つ記録した。
記者は、これだけ見て他の試合に移った。試合はその通りの結果となった。
〝ヤマギワって何者だ〟三井レジサービス門井
◇ ◆ ◇
いかに相手が格下だろうが、手抜きなどしないのがアスリートとしての矜持なのはわかる。ましてや八百長まがいの試合など本物のスポーツマンは絶対しないのもよく理解できる。山際や土肥の姿勢に本物のプロ魂を見た。あっぱれ。
だが、しかし、先に書いたようにレジサービスに勝ちを譲れば双方とも久々の決勝Tに進む可能性は大きかった。あそこまで叩く必要があったのか。
試合の結果、レジリースは決勝T進出を決めるはずだし、レジサービスはよほどのことがない限りポラスを破るのは厳しいとみた。ただ、ポラス折笠もさすがに連投はきつい。消耗戦になるのは必至だ。頑張れレジサービス!