勝利に沸くタウングループナイン
タウングループ(84.5⇒85) 3-2 東急リバブル(86)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
タウングループ | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | |||
東急リバブル | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
(時間切れ)
タウングループがエース坂本の力投で逃げ切った。佐々木が勝ち越し打を放ち、敵失による得点がものをいった。東急リバブルは惜敗。
タウンは初回、1死から菊池が四球で出塁、盗塁と内野ゴロなどで1点先制。同点の4回は、この回先頭の3番加藤が四球で出塁し、続く佐々木の2塁打と敵失で2点を挙げリードした。
坂本は「三振は全然取れないし、7つ8つ四死球を出した」(丘前監督)が、2失点完投。
〇高坂監督 坂本は最低の出来。よく勝てた。次戦のミサワ東京さんには5~6回練習試合をやっているが、一度も勝てていない。古市さんは打っているが、坂本と相性が悪いのか
〇坂本 前夜は丘さんなどと痛飲し、帰ったのは朝方の3時だった(却って力みがなかったのがよかったのか)
〇佐々木 臨時で四番。相手投手が強かったので初球から振っていき、スライダーのインコースが来て逆転打になった。次も四番でいきます。本当の四番は腹痛です
〇菊池捕手 強い相手。胸を借りる覚悟で臨んだ。(自チームの)投手の調子が良くなかったので、投手を助けたいと思って、気持ちを切らさず、周りと助けてうまく抑えられた
●大槻監督 出場30年目。予選落ちせず必ず決勝へ進むという先輩たちからの伝統を守り戦っている。この試合は3点目の勝負になると想定していた。3点目をとられない継投をしないといけなかったが、坪井の調子も良く、私の判断が遅れた。私の責任
●古屋主将 今年もありがとうございました!
◇ ◆ ◇
この試合、記者はほとんど取材していない。〝勝って〟予想では総合力で勝るリバブルが優位と見て、レーティングはリバブルを「86」とし、タウンは勢いを買って「84.5⇒85」としたが、この「1点差」がものを言うと予想した。
結果はご存じの通り、タウンが3-2で勝利。記者の予想は外れた。その予想を覆した立役者はもちろんタウンのエース坂本だ。断っておくが、リバブルとタウンのレーティング差1点は総合力であって、投手力の差ではない。
単にリバブル坪井とタウン坂本の投手力比較だけだったら互角だと見ていた。坂本は気力で投げるタイプ。調子に乗ったら素晴らしい球を低めに決める。その逆に、気が乗らないと棒球も平気で投げる、そんなタイプだ。
一方の坪井は冷静沈着。以前は突如としてコントロールを乱すシーンがあったが、ここ数年は低めに落とす球(ツーシームか)をマスターし、安定感が増した。打たせて取るピッチングがすっかり身についている。
であれば、実績で勝るリバブルが勝つと記者は決断を下した。なぜその予想が狂ったか、野球とはそんなもの、だから面白いと言ってしまえばそれまでだが、いまでもよく分からない。
◇
坂本は前日、丘前監督らと夜中どころか当日の朝方まで飲んだという。何を話したかは全く覚えていないと坂本は話したが、丘前監督は逸る坂本を抑え、余分な力をそぐために飲ませたのではないか。試合後、ここでは書けない最上級の侮蔑言葉「××、あいつは7つも四死球を出した」と坂本を絶賛した。
6回まで7個の四死球を与えながら2失点に抑えるなんて奇跡だ。だからこそリバブル打線も狂ったのか。坂本は勝って初めて酔いから醒めたのではないか。
勝ち越し打を放った佐々木
佐々木の二塁打で加藤が生還したシーン
二回、タウングループ加藤捕手の送球でけん制死した2塁走者のリバブル若村]
最終回、適時二塁打を放った宮倉
最終回、宮倉の適時打で生還した濱を迎えるナイン