喜びを爆発させる佐藤(左から2人目)
RBA出場15年目の佐藤は、優勝が決まると「めちゃめちゃ嬉しい!」と喜びを爆発させた。「あのでこぼこチームから、こんなにいい試合ができるチームに…。変わった…。不思議…」。弱かった時代からの軌跡を知る、ベテランならではの感慨があった。
2004年の入部当時は、ゴロをアウトにできないような弱いチームだったという。だが勝てない時も諦めず、勝ちたい、ドームに行きたいという目標意識をみんなで持ち続けて、この日を迎えた。「どんどん新戦力が入り、気が付いたら強豪の旭化成さんを倒せて、ドームにいた。サインなんてしないんです。勝つためにどうするか、1人1人が考えるチーム」
前々日に誕生日を迎え43歳に。8番左翼として出場し、真剣にそして楽しくプレーした。「本当に実現できるとは、夢のよう! しかも自分が出ていてね。もちろん飲みますよ」と球場を後にした。
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ご存じない方へ。佐藤さんが若いころはチームの1番を打っていた。長打を飛ばすタイプではないが、シュアなバッティングが光った。打率はいつも4割くらいをマークしていた。
打率4割の選手なら他にもたくさんいたが、佐藤さんはとにかく足が速かった。塁に出ると必ず走った。単打は2塁打になった。2塁打は3塁打になったこともあった。佐藤さんをホームに還す打者がチームにいたら、いつもベスト8には進出していたのではないか。
その佐藤さんの奥さんとお子さんに出会った。女の子だから野球は無理かもしれないが、ソフトがある。とても聡明そうな顔をしていた。きっと頭もいいのだろう。
奥さんとお子さん