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2018/11/19(月) 15:01

三菱地所ホーム 関西初 CLTを床に採用した「オーダーグラン」千里にオープン

投稿者:  牧田司

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「千里ホームギャラリー」

 三菱地所ホームは11月17日、同社の富裕層向けブランド「ORDER GRAN(オーダーグラン)」関西エリア初出展となる「千里ホームギャラリー」をオープンした。

 国産のスギ材を用いたCLTパネルを建物2階の床面に採用しているほか、来客をもてなし、家族それぞれの趣味嗜好を反映する空間「「LOUNGE(ラウンジ)」を随所に提案しているのが特徴。

 オープンの前日16日に行われた記者発表・内覧会に臨んだ同社・加藤博文社長は、「2年半前に発売開始したオーダーグランの受注第一号は関西だった。ようやく関西圏で発表できることができた。富裕層マーケットに強い当社の従来商品企画に加え、今回はCLTを採用するなど東京にないモデルハウスができた。CLTは新たな領域に入っていくもので、三菱地所グループ全体として業界に先駆けて取り組んでいく」と話した。

 千里ホームギャラリーは延床面積約259.88㎡(78.61坪)。1階の天井高は約3m、サッシ高は約2.7m、床はオーク材。

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ウエルカムラウンジ

◇       ◆     ◇

 関西圏のモデルハウスを見学するのは初めてなので、見たまま感じたままを率直に書く。

 まず、全館空調「エアロテック」について。同社関係者は「同業他社と比べて当社が一番いいとお客さんから評価はされているが、首都圏ほど全館空調のニーズは高くないのが関西圏の現状」と話した。

 最近、埼玉県住まいづくり協議会が主催したシンポジウムで、星旦二・首都大名誉教授の「健康な住宅を創りましょう」と題する講演を聞いた。星氏は「冬期の風呂場気温が18度以上、壁が漆喰、床は無垢材」を強調された。医療・健康の視点から住宅のあり方を考える機運が高まっている。これは粘り強く訴えるしかない。

 次に、CLT。モデルハウスには厚さ210ミリのCLTパネル材が2階の約40坪の床全面に採用されている。

 残念なのは、予想されたことではあるが、CLTのよさが一番わかりやすい現わしにはなっておらず、外から見ても内から見てもコンクリや鉄との区別がほとんどつかないことだ。

 ただ、同社もそのあたりの事情は百も承知のはずで、現在工事中の沖縄・下地島空港ターミナル施設、宮城県・仙台市の賃貸住宅などでCLTの普及に積極的に取り組んでいることを内外にアピールするのが狙いなのだろう。

 コンクリや鉄と木を同じ土俵で戦わせるべきではないというのが記者の持論だが、〝悪法も法なり〟-建基法などの基準を満たすためにはこれらの問題をどうクリアするか。さらにまた、非住宅の大規模建築物はともかく、個人向け住宅の普及にはまだまだ課題は多い。

 パネル板は同じ容積のコンクリと比べはるかに軽いが、強度を確保するためには厚みが必要となり嵩張り、道路事情が悪いところでは搬入が難しく、狭小敷地ではパネル板の置き場や重機の作業スペースを確保するのは容易ではない。

 もう一つ、ボタニカルについて。積水ハウスの「5本の樹計画」もいいが、住宅内に緑をふんだんに取り込んだ企画は同社が突出している。「浜田山」や「ONE ORDER(ワンオーダー)」には驚愕した。今回も本物の観葉植物を各所に配置している。これはいいのだが、フェイクの地衣類を本物の植物に添え物のように置いてあるのにはびっくりした。これでは刺身のツマにもならない。

 本物にするか省くかは社内でも意見が交わされたようだが、記者は即刻取り払うべきだと思う。〝本物は管理が大変〟などと考えるのは当事者だけで、お客さんはそんなこと考えていないのでは。いやならやらなければいいことだ。

 木の住宅が人と環境にいいのと同様、ボタニカルの果たす役割が再認識されつつある。ハウスメーカーもデベロッパーもみんなフェイクの植物を平気で使うのが記者は信じられない。

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本物の観葉植物に寄り添うように配置されたフェイクの苔類(これでは完全にフェイクが勝っている)

◇       ◆     ◇

 発表会で司会役を務めた経営企画部広報戦略グループ・横須賀直人氏がまたまた「大きく書いて」と話されたので、以下はおまけ。

 モデルハウス見学会を終えて新大阪駅に帰ろうと万博記念公園駅に向かっていたら、加藤社長と同社スタッフに出会った。記者はゆっくり1~2泊して京都の紅葉でもと考えていたのだが、カネもないし他の仕事も重なり「せっかく金曜日に見学会をセットしていただいたのに…」などと加藤社長に話した。

 加藤社長はてっきりラグジュアリーホテルに泊まっているものとばかり思っていたが、全然そうではなかった。朝4時半に起きて、新幹線で京都に途中下車し、市内の自社の戸建て現場を2物件見て回り、午後の会見に臨んだのだという。

 それで仕事が終わりかと思いきや、これまた外れ。これから市内の取引先を回るのだという。

 さすが、地所ホームの社長だ。出張に行けば飲むことしか考えない記者などとはレベルが違う。

 だがしかし、加藤社長、働きすぎもいかがなものか。健康を害すれば会社の大きな損失になるし、スタッフも気苦労だ。リッツなどに宿泊し(当然自腹)、ホスピタリティを学ぶことは今後の事業展開に参考になると思いますが、いかがでしょうか。もうずいぶん昔ですが、ロイヤルパークホテルの社長さんは「わたしはリッツだけは正規の値段で泊まることにしている。ホスピタリティ・クレドは半端じゃない」と語されたのをよく覚えています。

 記者はといえば、風邪を引いており、のどが悲鳴を上げていたので千里中央の医者に駆け込んだ。薬を処方してもらったまではよかった。聞いたのがいけなかった。「酒は飲んでいいですよね。1合くらい大丈夫でしょ」「何を言っとるんだ。それじゃ治らんよ。絶対ダメ」と一喝された。お陰で新幹線の中では本がたくさん読めたが…。

 横須賀さん、これくらいでどうでしょうか。

ボタニカルが最高4つの商品・開発を発表 三菱地所ホーム(2018/5/30)

効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)

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三菱地所ホーム 富裕層向け注文・3階建て・戸建てリフォーム同時発売(2016/4/14)

わが国初CLT床材を利用した高層建築物 三菱地所 仙台「高森2丁目」現場見学会(2018/9/15)

美と機能性は離反していいか? CLTを採用したアキュラホーム 港北「キラクノイエ」(2018/5/20)

 

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