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2024/02/10(土) 15:39

坪単価399万円 圧倒的な割安感あり 野村不・阪急阪神不「平井」最終分譲へ

投稿者:  牧田司

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「プラウドタワー平井」

 野村不動産・阪急阪神不動産が分譲中の「プラウドタワー平井」のモデルルームを見学した。2022年10月のエントリー開始から反響数は約4,900件、2023年1月からのモデルルーム来場者は約950件に達しており、2023年3月の販売開始から販売対象住戸268戸(未分譲23戸含む)のうち239戸(2月13日時点※)を成約済み。今月16日に受け付ける第5期23戸をもって販売を完了する予定で、極めて好調裡に進捗している。

 物件は、JR総武線平井駅から徒歩2分、江戸川区平井五丁目の商業地域に位置する敷地面積約3,725㎡、29階建て全374戸(非分譲住戸106戸含む)。専有面積は25.93~120.59㎡、2月16日から申し込みを受け付ける第5期(23戸)の専有面積は52.96~120.59㎡、予定価格は6,200万円台~22,900万円台。2月13日現在※、先着順で分譲中の住戸(4戸)専有面積は93.55~120.59㎡、価格は13,488万~24,988万円。既分譲の坪単価は398.8万円※。建物竣工予定は2024年11月下旬。基本設計・実施設計・総合監修は佐藤総合計画。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。施工は前田建設工業。

 現地は、JR総武線平井駅北口に位置する四方道路に囲まれた施行面積約0.7haの「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」地内に位置。事業は、安全・安心な歩行空間の確保とマンションの供給を通じ、地域の先導的プロジェクトとして位置付けられており、地域の人が利用可能な集会実、防災広場などを整備する。2014年に組合設立、2020年に権利変換計画の認定を受け、2021年3月着工。両社は参加組合員として事業参画している。

 建物は南北軸が長い長方形で、住戸は5階以上(28・29階はプレミアム住戸)。住戸プランは南東向きが1スパンのほか、南西・北西(角)、南西、南東・南西(角)向きと南東・北東(角)、北東、北東・北西(角)、北西向きがほぼ半々。主な基本性能・設備仕様は、免震構造、長期優良住宅認定(一部住戸除く)、二重床・二重天井、リビング天井高約2600ミリ(プレミアム住戸28階は約2700ミリ、29階は約2800ミリ)、ディスポーザー、食洗機、二重サッシ(一部除く)、ワイドスパン、幅広(約30cm)フローリング、御影石キッチンカウンタ-(プレミアム住戸はフィオレストーン)など。

 共用施設は、3階にCOMMUNITY LOUNGE、STUDY ROOM、LIBRARY LOUNGE、LOUNGE、PLAY AREA、KID’S ROOM、25階にSKY LOUNGE、GUEST ROOM。このほか、このほか、1・2階は商業施設、3階は認可保育園、4階は自転車置き場。

 販売担当者によると、2LDKは江戸川区、江東区を中心に集客できており、3LDKは二次取得層も多く、プレミアム住戸は地元の顧客が中心。10m前後のワイドスパン(約72㎡のモデルルームは約10.8m)が高い評価を得ているという。

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低層部(完成予想図)

◇        ◆     ◇

 この再開発計画が権利変換認定を受けた2020年の時点で、記者は坪単価は350万円と予想した。総武線の亀戸-新小岩間では再開発マンションだけでも5,000戸超が計画されており、野村不動産の記念碑的物件といえる「プラウドタワー亀戸クロス」(934戸)の坪単価370万円が上値圧力となると読んだからだ。

 ところが、皆さんもご存じのように、2022年ころから都心・準都心のマンション単価が暴騰した。城西・城南はともかく、城北エリアも坪400万円をはるかに突破した。

 城東エリアは、豊洲や勝どきの一部の物件を除き坪単価が400万円を突破した物件はないはずだが、「平井」は分譲前に坪400万円を突破すると上方修正した。

 予想はやや外れた。既分譲の単価は398.8万円だ。東京駅まで7.5キロメートル圏、乗車時間にして17分のエリアの〝駅近〟マンションでこれほど単価の安い、しかも基本性能・設備仕様レベルが高いマンションは皆無だろう。最終期の50㎡台は6,200万円台(坪単価386万円)というではないか。プレミアム住戸には記者の背丈ほどあるオーダーメイドのタオルウォーマーが提案されていたのには驚いた。

 総武線では今後、荒川を越える新小岩、小岩の再開発マンションなどが供給される(新小岩の駅周辺は江戸川区ではなくて葛飾区だが)。「亀戸」と「平井」の上値圧力がなくなるので、坪単価は400万円を超えるとみているのだが…。

※記事掲載は2月10日だが、その後、同社から修正依頼が入り2月13日時点とした。坪単価も当初は390万円としたが、399.8万円に修正した。

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モデルルーム

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SKY LOUNGE

◇        ◆     ◇

 「平井」を含む江戸川区について。城東エリアに縁のない方は総武線の「錦糸町」「亀戸」「新小岩」「小岩」はよく知っていても、「平井」を知っている人は少ないのではないか。マンションの供給もこれまでそれほど多くなかった。位置的には亀戸駅から一駅先、新小岩駅の一駅手前で、江東区との区界を流れる旧中川と駅の東側に流れる荒川に挟まれたエリアだ。

 駅を降りて街を歩くとすぐわかることだが、江戸川区の最大の特徴はみどりが豊富ということだ。物件ホームページには、23区の公園面積ランキングでは江戸川区は公園数515か所・総面積782.6haと1位にランクされている(2位は江東区の316か所・516.6ha)。公立小学校の数は23区トップで、公立中学校は3位、年少人口は3位となっている。

 区のデータによると、平成30年のみどり率は30.8%と、23区平均の24.2%を上回っており、江東区の36.0%に次いで第2位だ。緑被率は18.5%で、20%を超える千代田区、港区、練馬区、世田谷区、杉並区などに及ばない中位クラスとなっている。

 みとり利率は河川など水面を含み、緑被率は大規模公園などを抱える都心区が上位を占めているのでこのような結果になっているが、日常的に目にする街路樹の多さは江戸川区が他の区市を圧倒している。

 一般社団法人・東京都造園緑化業協会の「平成30年度東京都緑化白書」によると、街路樹本数を区市ごとに見ると、もっとも多いのは江戸川区の約61,000本で、八王子市の約38,000本、世田谷区の約25,000本、足立区の約23,000本、江東区の約18,000本、府中市と町田市の約16,000本、大田区の約11,000本、葛飾区の約11,000本がベスト10。

 人口1人当たりの街路樹本数は、トップが約8.9本の江戸川区で、以下、千代田区の約8.1本、八王子市と稲城市の約6.7本、府中市約6.2本、多摩市の約5.3本などが続く。

 みどり率や緑被率とも関連がある第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域がない区は千代田、中央、台東、墨田、江東、荒川の6区で、建築規制が緩い準工業・工業・工業専用地域の割合は江東区は実に60.3%で、江戸川区は16.0%だ。緑環境に視点を当てた〝住みたい街〟ランキングをどこもやらないのはなぜだ。

1人当たり街路樹 最多は江戸川区の8.9本1本当たり維持管理費は1.5万円 (2022/8/17)

街のポテンシャル 劇的に変えた 野村不の商業施設「KAMEIDO CLOCK」4月28日開業(2022/4/26)

総武線(亀戸~小岩)の開発に拍車 再開発中心に5000戸超 「亀戸」の上値圧力も(2021/9/1)

圧倒的な価格の安さと平均74㎡の広さアピール 大成有楽不動産「平井」(2020/9/10)

 


 

 

 

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