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2021/09/01(水) 18:19

総武線(亀戸~小岩)の開発に拍車 再開発中心に5000戸超 「亀戸」の上値圧力も

投稿者:  牧田司

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「プラウドタワー小岩ファースト」

 総武線(亀戸~小岩)の再開発を中心とする分譲マンション開発に拍車がかかっている。現在分譲中と計画中の主だった物件戸数をざっと調べたら5,000戸(非分譲含む)を突破した。もちろん、この他の物件も供給されるはずだから、向こう数年間にわたって少なくとも年間500~600戸、市況次第では1,000戸近くが分譲されるのではないか。市場を概観した。

 東京から快速で10分もかからない錦糸町駅圏は坪単価400万円を突破していると思われるが、開発余地は少ないはずで今後も大型物件の供給はないのではないか。

亀戸 最高峰「プラウドタワー亀戸クロス」(934戸)竣工完売か

 その先の亀戸-平井-新小岩-小岩がこれからの主戦場になる。その中で最高峰マンションは、一昨年春から分譲が始まった野村不動産・三菱地所レジデンス「プラウドタワー亀戸クロス」(934戸)だ。この物件については販売開始前の記者見学会を取材しているので、記事はそちらを参照していただきたい。

 「亀戸」の地域イメージはさておき、商品企画レベルは他のどの物件にも負けない。プラウド初となる床空調システム「床快full」(三菱地所レジデンスは全館空調の供給実績あり)と樹脂・二重サッシを採用することでZEH認定を取得、間取りの自由度と可変性を高める「Mi-liful(ミライフル)」、大規模修繕の周期を長くして全体的なコストを削減する「アトラクティブ30」を採用しているのが特徴だ。

 見学時には坪単価は300万円台の半ばと予想したが、350~360万円くらいでスタートしたはずで、それほど外れていなかったと思う(今はもっと高いか)。現在、物件ホームページには「第5期」となっている。ものすごい販売スピードだ。竣工予定の2022年1月下旬までに売り切るのだろうか。この「亀戸」が分譲されている限り、他の物件はこの単価を上回って供給できないはずだ。

平井 駅北口で野村不・阪急阪神不の再開発 住友不も大規模予定

 錦糸町駅から1駅先の「平井」駅といっても、具体的イメージがわかない人は多いと思われるが、記者は公園が多く落ち着いた住宅地を形成しているので、錦糸町~小岩駅圏ではもっとも好きな駅だ。

 その平井駅北口では、野村不動産と阪急阪神不動産の29階建て「平井五丁目駅前地区」(施行面積約0.7ha)の再開発マンションが2022年度中に分譲される予定だ。全約370戸のうちうち分譲対象は270戸の予定。

 平井駅から徒歩10分の平井六丁目では、住友不動産が「シティハウス平井」319戸を2022年3月上旬に分譲開始する。

新小岩 駅周辺で5か所の再開発 住友不ほかが先陣

 平井駅の先の快速停車駅の新小岩駅圏では、駅を中心に北側地区、東北地区、西部地区、南口地区、東南地区の5地区、合計23.0haの再開発計画が進行中だ。このうちすでに着工中の「東南地区」再開発(施行面積3.9ha)では、住友不動産・ジェイアール東日本都市開発・日本貨物鉄道の15階建て「シティテラス新小岩」268戸の分譲が今春に始まった。坪単価は340万円程度と思われる。この単価設定は、やはり「亀戸」の上値圧力が強いからだと記者は思う。

 このほか、新小岩駅圏では三井不動産レジデンシャルと首都圏不燃建築公社が事業参画している「新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業」(戸数約580戸)がこの8月に都市計画決定された。(記事参照)

小岩 3物件トータルで2000戸超 野村不・タカラは好調スタート

 新小岩駅の先の小岩駅圏では、南口徒歩1分の野村不動産・タカラレーベン・清水建設の3社JVの22階建て「プラウドタワー小岩ファースト」233戸(非分譲住戸76戸含む)の分譲が7月から始まった。第1期として分譲対象の約半分88戸を供給したほどだから、順調なスタートを切った模様だ。ただ、坪単価は340万円くらいのはずで、ここも「亀戸」の上値圧力のせいでこの単価になったのではないか。

 この物件は、「南小岩六丁目地区」再開発事業(施行面積1.3ha)のⅡ街区に当たり、Ⅰ街区には10階建て商業・オフィス棟、Ⅲ街区(33 階建て)は商業・住宅棟が建設される。住宅は合計で601戸の予定。竣工はⅠ街区が2020 年末に竣工済み。Ⅱ街区が2022年3月、Ⅲ街区が2026年冬頃に竣工する予定。

 小岩駅北口では、三井不動産レジデンシャルと日鉄興和不動産が事業参画している小岩駅北口から徒歩2分の「JR小岩駅北口地区第一種市街地再開発事業」(施行面積2.0ha)として商業・業務・保育所とともに約730戸のマンションを建設する。2022年3月に着工、2027年1月竣工予定。

 さらに小岩駅圏には、2023年度の都市計画決定を目指す日鉄興和不動産、住友商事、長谷工コーポレーション、学研ホールディングスが事業参画している「南小岩七丁目地区」再開発計画がある。住宅は約1,250戸。2025年度に着工する予定だ。

コンセプト次第で対抗できる中小規模物件

 以上、主だった物件を紹介したが、コロナ禍で現場取材がほとんどできておらず〝フェイク〟記事にならないことを祈るのみだ。問題は、これらの再開発・大規模マンションに、他のデベロッパーの中小規模マンションは対抗できるかどうかということだ。

 単価的には「亀戸」の分譲が完了しないと高値追求はできないはずで、〝売れる〟値段は坪300万円くらいと読むがどうだろうか。駅から遠い物件でもターゲット・コンセプトを明確にすればまた違った展開も考えられるか。

 記者は昨年9月、平井駅から徒歩16分の「オーベルグランディオ平井」138戸を取材したが、坪単価は230万円くらいで、平均74㎡の〝広さ〟はアピールできると予測した。物件ホームページには最終期とあった。竣工予定は2022年1月下旬だから竣工完売のめどがついたか。

三井不レジ・首都圏不燃公社 新小岩の再開発 第2弾「南口地区」が都市計画決定(2021/9/1)

三井不レジ・日鉄興和不JR小岩駅北口再開発事業 権利変換計画認可(2021/7/28)

野村不、タカラレーベンが事業参画 小岩駅前で再開発マンション601戸(2019/5/13)

凄い!全館空調、二重&樹脂サッシ採用 野村不「亀戸」934戸 単価300万円台半ば(2019/2/19)

圧倒的な価格の安さと平均74㎡の広さアピール 大成有楽不動産「平井」(2020/9/10)

 

 


 

 

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