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2022/04/26(火) 20:41

街のポテンシャル 劇的に変えた 野村不の商業施設「KAMEIDO CLOCK」4月28日開業

投稿者:  牧田司

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KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」

野村不動産は425日、フラッグシップ商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」記者発表会・関係者内覧会を行った。施設は、JR亀戸駅から徒歩2分、20163月に閉店した「サンストリート亀戸」の跡地約22,989㎡に完成したもので、大規模ZEHマンション「プラウドタワー亀戸クロス」との住・商・学複合施設。428日にグランドオープンする。内覧会には約2,000名が参加し、完成を祝った。

施設は、JR亀戸駅から徒歩2分、江東区亀戸六丁目の商業地域に位置する敷地面積 22,989.26㎡(プラウドタワー亀戸クロス敷地含む)、地下1階地上6階建て延床面積約58,000㎡。店舗数は136店舗。基本設計・監修は東急設計コンサルタント。設計監理・施工は前田建設工業。デザイン監修などはピクト・グラフィックデザイン:OKデザイン室、カメクロ横丁のデザイン監修は窪田建築都市研究所。竣工は20223月末。開業日は428日。年間1,200万人の来街者を見込む。

「プラウドタワー亀戸クロス」は25階建て全934戸。専有面積は28.48135.49 ㎡。竣工は20221月。売主は野村不動産、三菱地所レジデンス。施工は前田建設工業。総合設計制度を活用して容積率は352%から505%の緩和を受け、緑化率は当初計画の35%から40&%に拡大した。これまで770戸を販売済み、坪単価は370万円。

施設1階は、施設の顔となる「カメクロプラザ」のほか、総合設計制度を活用して整備した広さ約3,400㎡の「カメクロステージ」、7店舗からなる飲食街「カメクロ横丁」、CCCと基本合意書を締結して設置するワークスペースの第一号店舗「SHARE LOUNGI亀戸with H¹T」などで構成。

地階は、「地域№1〝食〟市場」をテーマにした大型店舗「ライフ」のほか、関東初出店となる京都発の老舗ベーカリー「グランディール」、商業施設初出店「本庄鮮魚」などが入店。

23階は、「ユニクロ」、「コジマ×ビッグカメラ」など総合アパレル・生活用品店などで構成。

4階は、フードコートや「TSUTAYA BOOKSTORE」のほか、地域の活性化の取り組みを行うコーナーとして「アソビバ」「タマリバ」などを設置。地域情報を発信するYouTubeチャンネル「カメテレ」も稼働する。

記者発表会で、同社代表取締役社長・松尾大作氏は、「2年前に住宅事業本部として記者発表会に臨んだ。その後、コロナの発生で、市場は大きく変化したが、スケジュール通り施設、マンションが完成した。感慨深いものがある。地元の方、テナントの方、工事関係者の皆さんに感謝申し上げる」と述べ、「施設名の『CLOCK』にはかつて第二精工舎人であった地域のDNAを活かす意味を込めた。今後も常に人に寄り添う、野村不動産らしい街づくりに真摯に向き合って取り組んでいく」と語った。

来賓として発表会に出席した江東区商店街連合会副会長で亀戸十三間通商店街振興組合理事長・吉村政明氏は、「素敵なお客さんが集まりそうな施設が完成した。世間では中小VS大手としてとらえられているが、中小のノウハウと野村不動産さんの街づくりのノウハウをミックスして街を盛り上げていきたい。協力関係を築いていく」と話した。

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「プラウドタワー亀戸クロス」(敷地西側から写す)

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「カメクロステージ」

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カメクロ横丁

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松尾氏

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フォトセッション

        ◆     ◇

 この日の内覧会は二部制で、一部の商業施設は午後1時から、二部のマンション見学は2時から。そして、松尾社長らの記者発表会は4時から。質疑応答が終わったのは終了予定の5時を大幅に上回る525分だった。都合4時間25分。コロナが発生してから2年余、記者はこれほど長時間にわたるリアルの内覧会・記者発表会は初めてだった。記者会見だけでも先日の三井不動産のロジスティクスに関する記者発表会で三木孝行専務が話した1時間20分を突破した。

 長いか短いか、内覧会と見学会はどちらを先にすればいいかよく分からないが、先に内覧会で実物を見て確認できるので、発表会を後にしたのは正解だったと思う。時間もこれくらいあれば、じっくり確認できる。松尾社長は開発当初からこのプロジェクトに関わっており、完成した施設・マンションをしっかり見てほしいという思いの表れだと解釈した。

 さて、見学会の率直な感想について。ますマンション。販売開始前に行われた記者発表会も取材して記事にしている。そちらも参照していただきたい。そのとき全館空調の「床快Full」をワンルームタイプの162戸を除き装備し、LowE樹脂サッシを採用していたのに驚愕した。最高レベルのマンションだと思った。その後、ZEH認定を受けたと同社は発表した。

問題は価格だった。発表当時の総武線沿線のマンション相場は、錦糸町がやや抜けており坪330340万円くらいではなかったか。その他の亀戸、小岩、新小岩などは300万円強だったような気がする。記者は基本性能の高さなどを総合的に判断し、「『所沢』(坪350万円)は超えると思いますが、『北千住』(坪380万円)には負けるのではないか」と、当時、取締役兼専務執行役員をされていた松尾氏に直球勝負を挑んだ。松尾氏の回答が面白かった。スタッフを呼んで「コンパクトの162戸は『北千住』を超える」と話した。その通りとなったようだ。

残り約160戸は多いのか少ないのか、販売スケジュール通りかそうでないのかは判然としないが、これから分譲するのは価格の低い(コンパクトの単価は400万円でも安いと記者は思う)住戸のようだ。

これが他の物件にどのような影響を及ぼすか、これまたよく分からないが、沿線のポテンシャルを劇的に向上させた貢献度はものすごく高いと思う。記者などは「亀戸」といえば、戦前の亀戸事件と東京大空襲で焼け野原に変わったことくらいしか思い描くことができない。そんな街が、わが京王線の調布の相場を超える…悔しいが〝プラウド〟の力を認めざるを得ない。

同社は今後、浦和駅前の再開発マンションにも「床快Full」を採用するようだ。「亀戸」の竣工によってその快適性・省エネ性が居住者からもたらされる。大きな武器になる。

商業施設とデッキで結ばれているゲートタワー4階部分に設置された地域住民に開かれた「Be ACTO」がまたいい。ラウンジ、ワーク&スタディスペース、アトリエ、キッズルーム、ダイニング&キッチンスペースは合計で約180㎡(70㎡マンションの約2.6倍)。同社が201810月に発表した「新・街づくり構想」に沿った施設で、一般社団法人・ACTO亀戸を立ち上げ、住民の子育て、働く、学び、・学校・企業連携、食などをテーマに、共創する街づくりを推進していく。

施設には「床快Full」が採用されていないのは残念だったが、床や壁、テーブル・椅子などに木を採用し、身障者などの絵画・アートをレンタルで展示し、入れ替えるという取り組みもいい。

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「床快full」のエアコン(左)と床吹出口・樹脂サッシ

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Be ACTO

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Be ACTO」に飾られているカミジョウ・ミカ氏の絵画

        ◆     ◇

 商業施設は、全フロアを担当者から説明を受けたが、一つひとつ紹介しきれない。その一部を紹介する。

 記者のお気に入りは、商業施設1階のエントランス部分に開業する「CRAFT BEER BEERMA」だ。600種類を超える世界のクラフトビールを提供するという。取材の合間に大好きな「東京ホワイト」「東京ブロンド」と乳酸菌入りの「KAME CLO」を飲んだ。店長の石田哲也氏に「毎日1本ずつ飲んだら全部飲むまでどれくらい」と聞いたら、「入れ替えも行うので、最低2年はかかる」そうだ。

 千葉県産の地魚や海鮮を安心価格で提供するという、千葉の水産会社が経営する回転寿司屋「やまと寿司」を試食させてもらった。このまえ多摩センターで食べたテレビCMによく登場する回転寿司とは天と地ほどの差があった。

発酵調味料の量り売りや味噌汁・酒、ぬか漬け(床)などのサブスク、各種ワークショップを用意している「85[ハチゴウ]」はナチュラル派にはまるかもしれない。

最近は買い物をしないので高いのか安いのかよく分からないが、「本庄鮮魚」で売られていた韓国産アワビが1ケ380円なのには驚いた。日本の海で大きくなるまで育てたら日本産にならないのか。10倍の値が付く。イワシが180円とは…どうしてこんなにおいしい魚を安売りできるのか。割り負けしている京王線のマンションの比ではない。

「船橋屋」といえば天ぷら屋だと思ったが、地元老舗のくず餅屋さんだった。土産に買った。

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クラフトビール 東京ホワイト

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「やまと寿司」

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470円の日替わり鮮魚(左)と640円の極ウマ(「やまと寿司」)

        ◆     ◇

 以下はおまけ。

 全ての取材を終え、定番の「蛍の光」に追い立てられたのは7時半ころか。家に帰っても飲むだけなので、スタッフの方に「外で飲めるとこあります」と尋ねた。その方に「亀戸といえばギョーザかホルモンを食べないと…」と取材したことにならないと言われたような気がしたので飲むことに決めた。コロナ後に一人で外食するのは数えるほどしかない。

 どこに行っても取材時は表通りを通るので、亀戸駅前に路地裏飲食街があることなど全く知らなかった。右を見て左を見て確認しながら歩いたら、だしぬけに「司ちゃん」と呼びかけられた-のではなく「当店一番人気 司ラーメン 850円」の看板が目を射た。上を眺めたら「つかさ司」とあるではないか。間口は1間あるかどうか。

 足が止まった。ギョーザかホルモンか、それとも司ちゃんか、四択の宅建士よりは優しいが、どれを選択すればいいのか迷いに迷った末、意を決して店に入った。他を選んだら自らを捨てたことに死ぬまで後悔すると決断したからだ。

 客席はウナギの寝床。1列に7席あるのみ。スタッフは店長らしき男性一人。一番奥に若い男性の方がズルズルと音を立てて食べていた。小生は自販機で「司ラーメン」を注文した。ぶっきら棒に「さっぱり? こってり? 」と聞かれたので「さっぱり」と答え、「麺は? 」には「少な目で結構です」と返した。

すると、どうた。厚さにして約2ミリ、2枚合わせれば文庫本くらいはありそうなチャーシューに角煮、味玉1個が入っているではないか。恐る恐る口に運んだ。さっぱりどころか、濃厚な豚骨スープに胃がひっくり返った。しかし、若いころの習性から抜け出せない、パブロフの犬と化した糖尿の小生はラーメンだけは汁まで食べつくさないと満足できなくなっている。

30分かけてやっと完食した。かみさんには「取材が長引いたので食事は済ませた」と携帯で知らせた。家に帰ってもお腹はパンパンで、酒は受け付けられなかった。夜中の3時くらいまで輾転反側した。

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ラーメン店

凄い!全館空調、二重&樹脂サッシ採用 野村不「亀戸」934戸 単価300万円台半ば(2020/2/19

 

 

 

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