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2013/11/09(土) 15:24

公共建築物の木造化 24年度は100戸のマンション1棟分

投稿者:  牧田司

 

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平成24 年度第13 回公共建築賞で国土交通大臣表彰を受けた三重県立熊野古道センター(三重県尾鷲市)

 

 農林水産省と国土交通省は11月7日、平成24年度の公共建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況をまとめ発
表した。木造で整備を行なった公共建築物は42棟7,744㎡(前年は31棟6,534㎡)で、内装などの木質化を行なった公共建築物は258棟5,002㎥(同257棟9,511㎥)だった。

 平成22年に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」では、低層3階建て以下の公共建築物は原則としてすべて木造化を図るものとし、内装などについても、直接又は報道機関などを通じて間接的に国民の目に触れる機会が多いと考えられる部分を中心に木質化を促進するとしている。

◇     ◆   ◇

 公共建築物の木造化は全然進んでいないといわざるを得ない。42棟の省庁内訳は農水省(9棟)、国交省13棟)、警察庁(3棟)、環境省(16棟)、防衛省(1棟)のみだ。用途も倉庫、トイレ、作業施設などが20棟以上を占める。延べ床面積の総数は100戸ぐらいのマンション1棟ぐらいにしか過ぎない。24年度に国が整備した3階建ての公共建築物は462棟249,692㎡だから、木造化率は棟数比率にして16.8%、延べ床比率では0.03%だ。

 木造化が図れなかった理由としては、①延べ面積3,000 ㎡を超える大規模な建築物は建築基準法などの基準で耐火建築物とすること又は主要構造部を耐火構造とすることが求められた建築物であること②自衛隊施設など治安上又は防衛上の目的から木造以外の構造とすべき③刑務所、拘置所などの収容施設であり、施設の機能上の観点から木造以外の構造とすべき-などとしている。

 ①については、本気で木造化を図るのであれば建基法を改正して規制を緩和すべきだし、自衛隊や刑務所施設を木造化したら防衛上、機能上問題があると考える国民などほとんどいないだろう。自衛隊の施設は大砲を撃ち込まれても大丈夫なのだろうか。

◇     ◆   ◇

 地方自治体は、法律に基づき同じように都道府県や市町村ごとに木材利用を促進する方針を定めてもよいことになっているが、これも大都市圏ではそれほど進んでいない。

 東京都は62の市町村のうち方針を定めているのは新島村、神津島村、港区、日野市しかない。神奈川県は33市町村のうち小田原市、逗子市、相模原市など9市町村、埼玉県は63市町村のうち秩父市、飯能市、熊谷市など20市町村、千葉県は54市町村のうち富津市、茂原市など13市町村のみだ。

 木を大切にする自治体は人にも優しいはずだ。マンションや戸建てを検討する際に参考になるのではないか。港区は日本一のお金持ち自治体(特別区)だ。人気を集めるのも理解できる。

 

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