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2013/12/11(水) 11:45

住友不動産「シティテラス加賀」 山田氏が独演会 商品企画を熱く語る

投稿者:  牧田司

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「シティテラス加賀」

 住友不動産は12月10日、桜並木の景観が美しい石神井川のほとりの板橋区加賀一丁目に位置する大規模マンション「シティテラス加賀」(全385 戸)が竣工したのに伴い報道陣向けに内覧会を行なった。

 物件は、都営三田線板橋区役所前駅から徒歩9 分、板橋区加賀一丁目に位置する15階建て全385戸の規模。専有面積は54.00~84.00㎡。竣工は平成25 年12 月。設計・施工は西松建設。これまで197戸を供給し、174戸が販売済み。販売済みの価格は3,790 万~6,590 万円。坪単価230万円弱。

 物件名にも冠されている「加賀」は、江戸時代に約21 万坪の広大な加賀前田家の下屋敷があったことに由来する地名で、区内では住宅地として人気の高いエリアとして知られる。敷地の北側には桜並木が美しい石神井川が流れる。「加賀一丁目」では過去最大規模のマンション。

 建物の外壁の一部にガラスカーテンウォールを採用し、5階までは奥行き2.7~3mのバルコニー、スカイラインを形成する最上階はティアラを模した全面ガラスバルコニーにするなど階層によって外観に変化を持たせ、マリオンによる分節手法を用いて深みのある意匠を施し手居るのが特徴。また、外廊下に空調室外機などを収納する木目調ルーバーデザインの「格納スペース」を設置し、パイプシャフトをルーバーで隠すなどディテールにもこだわっている。

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左から外廊下の収納スペース、内から見たパイプシャフト、外から見たルーバーつき化粧柱

◇     ◆   ◇

 同社が昨年行なった港北ニュータウンのマンション見学会では意匠にこだわった同社の商品企画に驚いたが、今回はそれ以上だった。同社製品企画室シニアエンジニア・山田武仁氏が見学予定の1時間を40分も上回る熱のこもった〝独演会〟を演じ、寒さを吹き飛ばしたからだ。

 まず、こう切り出した。「なぜわれわれは製品企画室と呼ぶか。それはデベロッパーはメーカーと同じ。いかに差別化を図り、素材(土地)に付加価値をつけるかを考えている」と。

 さらに続けて「われわれはお客さんにお見合い写真のような完成予想図を提示するが、それより完成した実物のほうがいいと分かってもらい、さらに住んでみたらもっといいと思ってもらえるような建物をつくりたい」「品よく際立つシンボルが目標」「3階から見る桜並木はピンクの絨毯を敷いたような景色となる」「桜並木を背景に仲のいい夫婦が記念写真を撮るのもいい」「友人から羨望が混じったお祝いの言葉をかけられるデザインにした」「正面もいいが裏から見ても美しいマンション」光が入らないエレベータホールにはベンジャミンの高木を配し、マンションの内側にも自然を取り込んだ」「夜と昼の顔が反転するライティングも施した」「設計図書がぼろぼろになるぐらい、100回以上のディテールの見直しを行なった」などと約1時間にわたり〝山田節〟を展開した。

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左が奥行き2.7~3mのバルコニー、右がエレベータホール前のベンジャミンのシンボルツリー

◇     ◆   ◇

 いまマンション業界では、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産がかつてないほどブランディングに力を入れている。一方の住友不動産が行なう見学会はせいぜい年間に2~3程度で〝わが道を行く〟の独自路線を歩んできた。

 この図式が一変した。同社はこの数カ月の間に「高田馬場」「武蔵小杉」「晴海2丁目」と3回も立て続けに見学会を行い、戸建ての「青山モデルハウス」を含めると今回で5回目だ。報道陣の数も「武蔵小杉」「晴海2丁目」では40~50人ぐらい集まったように、他を圧している。

 そして山田氏の登場だ。山田氏は青山モデルハウスの見学会でも話したが、とにかく熱い。つくり手の企画意図がストレートに伝わってくる。商品企画の〝宣伝マン〟として最適だ。この日も、最初の商品説明が15分で打ち切られたとき、「まだ1時間ぐらい話したい」とつぶやいたほどだ。同社のマンション・戸建てのイメージを一変させるのではないか。かつては山田氏のような会社の顔になる〝名物男〟がたくさんいた。

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〝住友の顔〟になりそうな山田氏

 

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