タカラレーベンの「レーベン横浜汐見台ソラノテ(横浜ソラノテPROJECT)」を見学した。全192戸が100㎡以上で、太陽光パネルを日本最大級の1,536枚を搭載し、光熱費を約71%節約できるという触れ込みのマンションだ。
物件は、JR京浜東北線・根岸線磯子駅から徒歩15分、横浜市磯子区汐見台二丁目2-2の風致地区に位置する6階建て全192戸。専有面積は101.83~128.24㎡、2期50戸の最多価格帯は4,700万円台、坪単価は150万円。竣工予定は平成26年11月下旬。施工は飛島建設。敷地は旧東京電力社宅跡地。
最大の特徴は、全戸が100㎡以上である点だ。これは「汐見台」の約72haが都市計画法の「1団地の住宅施設」に指定されており、建ペイ率・容積率、住宅の規模、道路、公園、公共施設などがこと細かに定められていることによるものだ。
「汐見台2丁目2-2」は戸数が192戸と決められていることから、同社は全戸100㎡以上にすることを決めた。
第2の特徴は、太陽光パネルを同社としては最大の1,536枚(これまでは「東鷲宮Ⅲの1,200枚」)を設置し、オール電化と組み合わせることで日本最大級のマンション個別太陽光発電システムを採用していることだ。同社の試算によると、光熱費は約71%節約できるという。
もう一つは、共用施設に力を入れている点だ。コンシェルジュサービスを行うほか、キッズルーム、アリーナ、ライブラリー、カラオケ&シアターなどだ。駐車場も196台備え、料金も最高2,000円に抑えている。
昨年10月に友の会優先で50戸を即日完売しており、販売担当者も自信を深めている。戸建て・買い替え検討者の来場も目立つという。
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大手との競合にどうしたら負けないかを示したマンションだ。
いま磯子駅圏では、旧プリンスホテル跡地の東京建物他「Brilliaシティタワー横濱磯子」(1,230戸)と、東芝の社宅跡地の野村不動産・三井不動産レジデンシャル・NREG東芝不動産「ヒルコートテラス横浜汐見台」(416戸)が分譲中だ。前者は単価が180万円ぐらいだが、後者は約155万円。タカラレーベンと競合する。
同じような商品企画では結果は火を見るより明らかだ。同社は「太陽光」が売りではあるが、果たしてそれだけで勝てるか。そこで、同社は「全戸100㎡以上(平均111㎡」」をセールスポイントにした。これはかなりインパクトがある。かつて日本綜合地所が金沢八景で全戸100㎡以上の「グランシティレイディアント横浜」(1,805戸)を早期完売して話題になったが、それとよく似ている。一般サラリーマンにとって「30坪の家」は理想だからだ。隣接する「ヒルコートテラス」は平均88㎡だ。
どうして100㎡にしたか。これにも理由がある。風致地区で一団地指定があるため戸数は192戸に制限されているが、面積規制はない。100㎡以上としたのは、同社は2年前に同じ「汐見台」で平均100㎡のマンション47戸を早期完売した経験がここで生かされた。これが大きな差別化となった。「ヒルコートテラス」より単価を下げられたのも面積を広くしたからだ。
全戸を100㎡以上としたことで、リビングは最低15畳大、居室は6畳大、主寝室は8畳大以上として提案することが可能になった。廊下幅はすべてメーターモジュールを採用している。
「太陽光」だけでない、規制を逆手に取った同社の強かな戦略がうかがえるマンションでもある。