積水ハウスは2月27日、建築研究開発コンソーシアム(CBRD)主催の「第11回 建築・住宅技術アイデアコンペ」で同社が提案した「子どもの安全配慮に関する研究」が最優秀賞に選ばれたと発表した。
研究をまとめたのは同社技術部の藤井瑛美氏で、ユニバーサルデザインの視点から、住宅内の子どもの事故防止のためのプラン提案、部材・設備などの提案を行ったのが評価された。
受賞について同社は、「女性ならではの視点も評価されたのでは。2月より『ダイバーシティ推進室』を設け、女性を中心に多様な社員の活躍を目指す中での受賞」とコメントしている。このテーマについて約1年間、社会に還元できる具体的成果を目指して合同研究を行うという。
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同社のユニバーサルデザインの取り組みは業界では抜きんでており全産業を通じてもトップクラスだろうと思う。しかし、藤井氏も指摘しているように、小さなこどもの事故防止については盲点となっているのも確かだろう。記者も風呂場での溺死が相当あるのに驚いた。研究成果の発表を待ちたい。
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同社は2月に「ダイバーシティ推進室」を設置したようだが、記者もこれから「ジェンダー」について勉強しようと思う。
2月15日に行われる予定だった日本学術会議のセミナー「法の世界とジェンダー 司法と立法を変えることはできるのか? 」を楽しみにしていたのだが、大雪で急きょ中止になり参加できなかった。32ページにもわたる資料だけは頂いた。
そこには、報告を行うことになっていたお茶の水大学名誉教授・戒能民江氏の「立法は政治的意思の欠落を隠蔽する。政治的意思の欠落と結合した弱い法律は、法の効果そのものを蝕む」(国連女性に対する暴力特別報告書クマラスワミ)「新しい理論形態は『顔面を殴るこぶしという現実に関与する』」(マッキノン2005)などの鋭い文言・語句が満たされていた。
記者が一番注目したのは、ある大学の履修科目「ジェンダーと法」の最終回授業(15回目)では「男らしさと女らしさ」を論じるとあったことだ。男を自覚するようになって60年、記者はこのテーマの解答が分からない。
それを知りたくて、上野千鶴子氏と角田由紀子氏のそれぞれの近著を買った。同世代の作家、小池真理子氏は「私には両性具有の眼がある」と語ったが、やはり小池氏は素敵な女性だと思う。ミミズやカタツムリを研究するほうが手っ取り早いか。