ブルースタジオが設計・監理を担当している賃貸住宅「青豆ハウス」を見学した。木造3階建てのトリブレット住宅で、入居者が共に育む住環境というコンセプトがヒットし、完成前に全8戸の入居者が決まった。
物件は、東京メトロ有楽町線平和台駅から徒歩10分、練馬区田柄1丁目に位置する木造3階建て全8戸。専用面積は57.60~63.36㎡。月額賃料は159,000円〜174,000円。設計・監理はブルースタジオ。ランドスケープデザインはチームネット・エーピーデザイン。施工はコラム。事業主はメゾン青樹。
特徴のひとつ、3層トリブレットは機能的ではないので、賃貸であろうと分譲であろうと記者は好きではないが、若い層には人気なのだろう。小さな一粒の豆が大地から芽を出し、空に向かってらせん状に成長していくイメージを具現化したようだ。完成前に全戸契約済みという。
もう一つの特徴は、国産材や自然石を多用した優しいデザインだ。庭にはピザ窯が設置される予定で、大谷石が敷き詰められていた。建物の外壁は下地に不燃処理を施したうえ、表面にレッドシダー(スギの一種)を貼っているのが印象的だ。外階段や共用部はヒノキの国産材間伐材を多用。室内の床もヒノキ材。キッチン天板などはラワン材。
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階段やエントランスなどの共用部にヒノキの節だらけの岡山産の間伐材が使用されていたのには驚いた。建物ばかりか参拝用の舗道にも節ひとつないヒノキ材を使用している伊勢神宮を見慣れている記者にとってはむしろ感動的だった。
室内の床はほとんど節目がないヒノキだった。幅が均一ではなかったような気がしたが、これもまたいい。ラワンを面材にしたキッチンもなかなかいい。昔のイメージと異なり、ラワンは高級材だそうだ。
このような造り手の思想が伝わってくる住宅を見るのはとても楽しい。このような賃貸をデザイナーズ賃貸と呼ぶのだろう。