昨日(4月1日)の不動産流通研究所のWeb「R.E.port」は住宅・不動産・流通17社の入社式での社長あいさつ要旨を紹介している。同社の了解を得たので、以下に紹介する。
鉄は熱いうちに打て。春爛漫のこの日、各社長は新人の胸に響く熱い言葉を放った。キーワードは「チャレンジ」「挑戦」だ。17社の社長が語ったあいさつの中で「チャレンジ」「挑戦」の言葉は全部で20ある。
三井不動産・菰田正信社長、野村不動産ホールディングス・中井加明三社長がそれぞれ3度用いたのをはじめ、12社の社長が果敢にチャレンジすることを呼び掛けた。語らなかったのは三井不動産リアルティ・竹井英久社長、三菱地所レジデンス・小野真路社長、東京建物不動産販売・種橋牧夫社長、積水ハウス・阿部俊則社長、森トラスト・森章社長の5氏のみだ。
三井不・菰田社長は、新人に期待することとして「自立した個人」「幅広い視野を持つ」「チャレンジスピリット」「健全な心身を保つ」「社会人としてのコモンセンスを持つ」-の5つを語った。
三菱地所・杉山博孝社長は、「守るべき」創業の原点である三菱三綱領(所期奉公・処事光明・立業貿易)を引き合いに出し、「英語に直せばそれぞれpublic、fair、globalだ」と話した。
住友不・仁島浩順社長は、「寄らば大樹の陰は通用しません。誰かに言われるがまま盲従することなく、皆さん一人ひとりが自ら考え、信念をもって行動することが肝要」と語りかけた。
野村不ホールディングス・中井社長は、「私の信念でもありますが、『人を育てる事が、すべての戦略実現に繋がる』」と自らの信念通り、新人を育てることを約束した。
東建・佐久間一社長は、仕事をする上で大切にして欲しい基本姿勢として「総合力の発揮」「現場主義」「スピード」の3点を強調した。
大京・山口陽社長は、「我々のようなBtoCを中心業務としている企業は、お客さまからの信頼という貯金を積み上げる努力が必要です。誠実で嘘がなく、人望がなければ相手から信用、信頼はされません」と、生き方を説いた。
三井リアル・竹井社長は、「『ひと、社員』に積極的に投資を続けて行こうというのが当社の成長戦略の柱であり、新入社員の皆さんは、我々の希望の星、期待の星」と最大級の言葉で望みを託した。
住友不販・田中利和社長は、「皆さんの成長なくして、当社の発展はありません。知識の習得はもちろん、人としての成長も期待しています」と人間力を磨くことを強調した。
積水化学工業・根岸修史社長は、「貧乏くじは当たりくじ」「難題のタイミングには意味がある」「振り出しに戻る時が新たな成長へのチャンス」の3つをアドバイスとして贈った。
大和ハウス・大野直竹社長は、「役職員全員が売上高3兆円という通過点を超えるため積極果敢に挑んでおり、一丸となって業容拡大を図っています」と同社の現状を踏まえ、「皆さん一人ひとりがその大きな仕事を託す価値のある人間かどうかにかかっている」と成長を託した。
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新入社員の諸君には、この不動産流通研究所の「R.E.port」を毎日読むことを記者は勧めたい。深く考えなければならないことはともかく、これほど世の中の動きが激しいと、週刊・月刊の業界紙誌に頼っていては、毎日生起する事象に追いついていけなくなる。
「R.E.port」は唯一といっていいくらい住宅・不動産・流通各社のニュースリリースを網羅し、毎日報じている。ただで読めるのだからありがたいことだ。寝る前、出社したとき必ずチェックしてほしい。病的なまでに指をせわしなく動かすスマホもいいが、しっかり新聞を読み、本も読んでほしい。
記者が贈る言葉は、月並みだが「石の上にも三年」だ。がむしゃらに3年も頑張れば未来が見えてくる。それでも芽が出なければ、さっさと会社に三下り半、絶縁状を突きつければいい。再チャレンジの時間は十分残されている。