「クリオレジダンス横浜新杉田ハマシップ」完成予想図
明和地所が4月下旬に分譲する「クリオレジダンス横浜新杉田ハマシップ」を見学した。JR根岸線・シーサイドライン新杉田駅前の商住一体再開発で、「都市計画提案制度」の適用を受けた横浜市初のマンションだ。
物件は、JR京浜東北線・根岸線新杉田駅から徒歩3分、シーサイドライン新杉田駅から徒歩2分、京浜急行本線杉田駅から徒歩8分、横浜市磯子区新杉田町に位置する15階建て全176戸の規模。専有面積は55.73~100.32㎡、価格は未定だが、坪単価は193万円の予定。竣工予定は平成27年3月下旬。設計・施工は三井住友建設。都市計画提案・デザインはアール・アイ・エー。
現地は、根岸線とシーサイドライン新杉田駅前のバスターミナルに隣接。周辺には平成16年に竣工した横浜市住宅供給公社の30階建て全308戸の「ヨコハマ・シーナリータワー」くらいしかマンションはなく、ほとんど空白区といえるエリア。
最大の特徴は「都市計画提案制度」を利用した横浜市初の物件であること。都市計画提案制度とは、一定規模以上の土地について、土地所有者の3分の2以上の同意があれば、都市計画の決定や変更の提案ができる都市計画制度のこと。同社は、東芝の研修所などだった一帯を平成17年に取得。用途地域は工場専用地域だったが、市は同社の提案を受け近隣商業地域に変更した。
マンション棟の隣接地には4階建ての商業棟が建設されるのも大きな特徴の一つで、商業棟には保育所、飲食店舗、医療施設、事務所などが予定されており、屋上には緑の展望デッキとして開放される。津波災害発生時には避難場所として提供される。
マンションの最上階の9戸はグレードの高いプレミアム住戸として分譲される。同社の大規模マンション「クリオレジダンス」シリーズは2012年に竣工した「クリオレジダンス玉川上水」以来10棟目くらい。
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同社は今年で創業29周年だそうだが、記者は創業時からずっとマンションを取材してきた。フラッグシップである「クリオレミントン」はもちろん、今回の「クリオレジダンス」も何件かは見学してきた。
「クリオレミントン」は、ディスポーザーを標準装備した業界初のマンション「三鷹」をはじめ、100㎡住宅、低床バスの積極採用など、業界の最先端の商品企画を提案してきた。「クリオレジダンス」では、横浜市内の駅前再開発タワーマンションなども手がけてきた。ところが最近は、「玉川上水」を最後に供給が途絶えていた。
今回の物件は、同社も相当の力が入っていると見た。デザインに著名なアール・アイ・エーを起用したことにもそれが現れている。坪単価は200万円は突破しないだろうと見ていたので、リーズナブルなものではないか。ディスポーザー、食器洗い乾燥機、ミストサウナが標準装備。プレミアム住戸はオプション仕様通りだと1,000万円くらいしそうだが、思い切った提案はどんどんやるべきだ。
面白いのは商業棟だ。商住の一体開発だが、マンションと商業棟の管理組合はそれぞれ設立し、さらに全体としての組合も設立するという。商業棟の所有権は同社が現段階では保有している。
四季の小路
15階相当部分からの眺め