RBA OFFICIAL
 
2014/04/14(月) 18:00

中心市街地の活性化の起爆剤になるか 京急・大和ハウス「ザ・タワー横須賀中央」

投稿者:  牧田司

conc00_03.jpg
「ザ・タワー横須賀中央」完成予想図

 京浜急行(事業比率50%)と大和ハウス工業(同)の駅近再開発タワーマンション「ザ・タワー横須賀中央」を見学した。横須賀市は昨年の人口流出が全国トップと報じられるなど人口減少に歯止めがかからないが、果たしてこのマンションが地域活性化の起爆剤になるか。出だしは絶好調だ。

 物件は、京浜急行線横須賀中央駅から徒歩3分、横須賀市大滝町2丁目に位置する38階建て全297戸((販売戸数253戸、事業協力者戸数44戸)。専有面積は44.72~124.97㎡、先に即日完売した1期の最多価格帯は4,200万円台。坪単価は190万円。竣工予定は平成27年11月中旬。施工は淺沼組。販売代理は三井不動産レジデンシャル、京急不動産。

 現地は駅前の市街地のど真ん中。もっとも賑やかな一角に建つ。スーパー西友などがあったところだ。4階までが商業施設で、住戸は6階以上。標準階1フロア12戸構成。15~16階以上は北東に猿島、南東に馬堀海岸、北西に横須賀基地などの海岸が見渡せ、南西側には富士山が見える。最上階の124㎡のプレミアム住戸は1億2,900万円。

 第1期分譲として150戸が3月9日に登録申し込みが締め切られ、最高4倍、平均1.3倍で即日完売。引き続き2期として70戸が3月末に分譲され、おおよそ50戸が売れている。未供給は価格が低いところが中心の33戸のみ。早期完売が期待される。

◇       ◆     ◇

 横須賀中央を訪ねるのは、平成20年に見た双日・三交不・長谷工3社JVの「ザ・コーストよこすか海辺ニュータウン」(249戸、坪単価176万円)以来、6年振りだ。その時も感じたのだが、ずいぶんさびれているという印象を受けた。それより3年前、「横須賀プリンスホテル」も身売りされていた。

 市は平成20年、横須賀中央駅を中心とする26haの「横須賀中央エリア」を活性化させるプランを発表。老朽化した建物の建て替えや土地の高度利用を図り、街の活性化を図ってきた。

 今回のマンションはその第一弾だ。昨年、旧横須賀プリンスで行われた事業発表会には市長も参加して500人が集まった。失敗は許されないプロジェクトだ。最初に躓けば、第2弾、第3弾が打ちだせないからだ。

 坪単価190万円というのは立地条件を考えれば安いような気がするが、トップランナーとして勢いをつけようという狙いがあったのだろう。この低めの単価設定は納得できる。最上階住戸の億ションをはじめ、1フロア10戸をまとめて購入したいという人もいたというから、この物件を待ち望んでいた地元の富裕層も多いのだろうと思った。デベロッパーは地域のポテンシャルを引き上げる役割も担っている。販売会社も含め両社の好発進に拍手を送りたい。

 ただ、このマンションが早期完売したとしても、引き続くマンションが好調理に売れるかどうかは記者も自信がない。

◇       ◆     ◇

 今年1月、総務省は昨年の全国市町村の人口動態をまとめ発表したが、横須賀市は転出超過が前年比599人増の1,772人でワーストとなった。労働人口の流出がとまらない。平成5年のピークには約44万人だったのが、直近では41万人を割り込んでいる。

 今回のマンションの契約者も約7割が市民だという。つまり、地元や他の市内エリアから移り住むだけで、人口増加にはつながらない。横浜方面など市街からどれだけ呼び込むことができるかが課題となりそうだ。

view00_01.jpg
眺望

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン