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2014/04/15(火) 15:19

「武蔵浦和SKY&GARDEN」 販社に長谷工アーベストが選ばれた理由

投稿者:  牧田司

 

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「武蔵浦和SKY&GARDEN」完成予想図

 新日鉄興和不動産(事業比率50%)、三菱商事(同30%)、三菱地所レジデンス(同20%)の3社が5月に分譲する「武蔵浦和SKY&GARDEN」を見学した。埼玉県下の駅近で「最高層・最大級」を謳い文句にユーザーの購買意欲を掻き立てているタワーマンションだ。

 物件は、JR埼京線・武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩3分、さいたま市南区沼影1丁目に位置する13階建てA棟、14階建てB棟、32階建てC棟、14階建てD棟、14階建てE棟からなる全776戸(E棟160戸はコスモスイニシア分譲・非分譲住戸15戸含む)。専有面積は58.55~97.90㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は4,100万円台〜7,600万円台(最多価格帯4,600万円台)、坪単価は220~230万円になる模様。竣工予定は2016年2月下旬。施工は清水建設。設計・監理は久米設計。販売代理は三菱地所レジデンス、長谷工アーベスト。

 総開発面積約30haの武蔵浦和駅周辺の全体で9つある再開発プロジェクトの最南端に位置する第3街区の開発。約19,000㎡の敷地を生かし、独立型のコミュニティ棟を中心とした23もの多彩な共用施設、まちの賑わいを創出する商業施設、オフィス棟、駐車場・駐輪場、約7,500㎡の広大な庭園から構成される。

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 再開発の準備組合が発足したのが昭和63年というから、実に25年掛けてようやく分譲にこぎつけた案件だ。当初計画は、リクルートコスモス(現コスモスイニシア)が、当時としてはわが国最高峰の55階建て大京「エルザタワー55」を上回る61階建てからスタート。その後、バブル崩壊にリーマン・ショックに見舞われ、都市計画も数回にわたって変更され、事業者も変更され、今回の3社になった。

 その紆余曲折はともかく、記者の最大の関心事は、3年前に分譲され圧倒的な人気になった28階建て野村不動産「プラウドタワー武蔵浦和マークス」(309戸のうち分譲は280戸)の坪単価225万円を上回るのか下回るのかだ。現段階では微妙のようだが、同じくらいに落ち着くのではないかとみている。

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オアシスガーデン

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 取材は、一般のお客さんでごった返していた4月12日(土)だった。昔は土曜・日曜の現地見学をデベロッパーは認めていたが、ここ20年くらいは「お客さん」優先で見学することはほとんどできなくなっていた。今回は幹事会社の新日鉄興和不動産の計らいで土曜取材となった。

 対応してもらったのは、長谷工アーベスト受託販売第三部門販売二部販売第1チーム上席プロジェクトマネージャー・照井学氏だった。

 照井氏とは初めてお会いしたのだが、ほんの1、2分間で、照井氏がプロ中のプロ、これぞ営業マンであることを観取した。その場面はこうだ。

 シアターは、この物件が埼玉の最高峰で最大級の物件であるということを強烈に印象づける、まるで映画の予告編のような迫力のあるものだった。そのなかで「おやっ」と思うナレーションが2つあった。1つは「大宮、浦和をしのぐ」というもので、もう1つは「武蔵野線と埼京線が交差する唯一無二」という文句だった。

 どこが大宮や浦和をしのぐのか聞き忘れたのだが、これは未だに謎。地価公示ではないはずだし、ひょっとしたら池袋、新宿方面への近さのことだろうかと調べてみたら、なんと浦和より武蔵浦和の方が東京にわずか2~3分だが早くつける。これは嘘ではなかった。

 もう一つ。路線が交差するのだから線路が蛇行しているのならともかく「唯一無二」なのは当たり前ではないか。記者は「唯一無二」の見出しを付けたマンションがひとつだけある。それは三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス千鳥ヶ淵」だ。これは、皇居を見下ろせるマンションは他にないからそうした。

 この話を照井氏にした。驚いたのはここからだ。照井氏は「確かに。武蔵野線と交差する駅は18駅ある」とほとんど瞬時に答えた。そして、順々にその駅名を口にした「西船橋から東松戸-新八柱-南流山-南越谷-東川口-南浦和-武蔵浦和-北朝霞-新秋津-西国分寺-府中本町…」

 あとで確かめたら18駅ではなく12駅だった。照井氏は南武線も含めたのではないか⇒と書いたら、同業の記者から「徒歩連絡も含めると18路線が正解」との連絡をもらった。これはすごい。現地に足を運ぶこともそうだろうし、マーケットを熟知していないとできないことだ。かつて、アンビシャスの安倍徹夫社長が首都圏のマンション供給エリアの全駅を諳んじたのをこの耳で聞いたことがあるが、それ以来の驚きだった。照井氏は「うちは販売会社ですが、長谷工コーポが土地を仕入れたら、都合を付けて極力現場を見るようにしています」と話した。にもかかわらずメタボなのはよく分からないが、激務の反動かハードワークに釣り合うように酒やカロリーを多く摂るからだろうと納得した。

 これも後で聞いたのだが、4月1日付人事異動で受託販売第三部門担当の執行役員から受託販売第二部門担当執行役員に就任した遊佐康人氏によれば、照井氏は「私の右腕。遊佐軍団の一番若い次長職」だという。記者は全然覚えがないが、遊佐氏は以前、照井氏を記者に引き合わせてくれたことがあるという。

 長谷工コーポの施工でもないのに、販売会社を選ぶコンペで同社が選ばれたのは、照井氏のようなプロが揃っているということだろうと合点した。70㎡でも4LDKの機能を持たせたモデルルーム提案も同社が行ったものだという。照井氏の説明は並みの営業マンより数段勝っていた。

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オアシスコート

全戸ワイドスパンがいい 野村不動産「プラウドタワー武蔵浦和マークス」(2011/9/27)

 

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