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2014/04/25(金) 20:49

三菱地所レジデンス 最後の同潤会建て替え「上野」 ワイドスパンがいい

投稿者:  牧田司

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「ザ・パークハウス上野」完成予想図

 三菱地所レジデンスが5~6月に分譲開始する「ザ・パークハウス上野」を見学した。同潤会アパートとして最後まで残っていた「上野下アパート」の建て替えマンションで、東西軸が長い敷地形状を生かした全戸南向きのワイドスパンプランがいい。

 物件は、東京メトロ銀座線稲荷町駅から徒歩1分、またはJR山手線・京浜東北線上野駅から徒歩8分、台東区東上野5丁目に位置する14階建て全128戸(事業協力者住戸52戸含む)。専有面積は25.17~75.26㎡、価格は未定だが、坪単価は280万円台になる模様。竣工予定は平成27年8月下旬。施工は東亜建設工業。

 現地は、稲荷町駅から徒歩1分だが、表通りから一歩入ったところで、すぐ近くに銭湯があるようにまだ下町の風情が残るところ。用途地域は商業地域で、前面道路の幅員は6m。前建の影響は受けるが、高層建物は1棟くらいしかない。

 敷地が東西軸に細長い形状を生かしたプランが最大の特徴。1階は駐車場や店舗、共用施設で、2~5階まではコンパクトタイプが中心。6階以上の62㎡プランでも間口は約8.5mのものや、75㎡では12.8mのものもある。全住戸の6割ある逆梁タイプにはバルコニーに花台を設置しているのも特徴のひとつ。

 2週間前に予約制の事前案内会を開始したばかりだが、平日でも全て満席。約100組の来場者がある。

◇     ◆   ◇

 説明を受けたのは同社街開発事業部主任・上村剛司氏。「単価はいくらですか」と聞いたら、「いくらだと思いますか」と返された。「坪275万円はどうですか」と答えたら、上村氏はしばし沈黙。顔には「そんなに安いはずないでしょ」と書いてあった。

 記者だってそんな反応が返ってくるのは百も承知、千の風だ。鎌をかけたわけではなく、ストレート勝負で聞いたのだが、皆もの上がる春の風をしっかり読んでいる。そこで「290万円でも高い」と返した。上村氏は「まだ決まっていませんが…」と即答はしなかったが、当たらずとも遠からず。280万円台に落ち着くことを匂わせた。いい線だ。

 台東区の人は、「320万円の武蔵小杉よりどうしてそんなに安いのか」と抗議するかもしれないが、新幹線の始発駅を東京に奪われてから23年。あのころから上野の地盤沈下は始まり、加速している。「ああ上野駅」「上野発の夜行列車…」 演歌のメッカはかつて昔だ。最後の砦というべき常磐線・高崎線・宇都宮線も来年には東京乗り入れになるのではなかったか。山手線で坪300万円以下のマンションが買える-これが上野のいいところだ。

 三菱地所レジデンスは、「18坪の3LDKですが、ワイドスパンなので70㎡の機能があります」とは言わないだろうが、それに近いことはアピールしていい。

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75㎡のプラン

最後の同潤会「上野下アパート」 三菱地所レジデンスが現地見学会(2013/5/8)

 

 

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