旭化成不動産レジデンスは5月26日、旭化成ホームズの賃貸仲介ブランド「ヘーベルROOMS」の直営アンテナショップ「ヘーベルROOMS 新宿」を6月4日にオープンすると発表した。
「ヘーベルROOMS」は、旭化成ホームズが供給する賃貸住宅「へーベルメゾン」など賃貸住宅の入居者募集強化と入居者サービスの向上を目指すもので、昨年1月に立ち上げた賃貸住宅入居者募集代理店ネットワークのブランド。
今回、アンテナショップを開設するのは、直接入居者募集を行うことで入居希望者のニーズを直接把握するとともに、実際の募集活動を通じて独自のサービスやノウハウの開発をおこない、代理店ネットワークにその成果をフィードバックするため。
ブランド力向上のため、昨年度に引き続き旭化成キャンペーンモデルの久慈暁子さんを採用したポスターなどで広告宣伝活動を行っていく。
アンテナショップは、同社が管理する首都圏のヘーベルメゾン約4.8万戸(常時紹介できるのはうち約1,500戸)を紹介するほか、「プライベートブース」を設け、希望に応じて女性が対応する。定休日なし。仲介経験の豊富な「ニチワ」と店舗スペースをシェアする。店舗はJR新宿駅から徒歩2分、渋谷区代々木2-11-17 ラウンドクロス新宿9階。
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同社の賃貸部門の業績はこのところ飛躍的に伸びている。管理戸数は2008年が約36,000戸だったのに対し2014年度は約64,000に達する見込みで、売上高は334億円が608億円に大幅に増加。空室率は4.0%から3.6%へと減少している。同社は2020年までに売上高1,000億円、管理戸数100,000戸を目指す。
記者は賃貸住宅の管理についてはよく分からないが、同社の「へーベルメゾン」や旭化成不動産レジデンスの分譲マンション「アトラス」の賃貸に特化した管理事業では業界トップクラスのようだ。一般的な賃貸マンションやアパートなどと比べ耐震性や遮音性、その他の基本性能が高いからこそ空室率が3.6%という低い水準を維持できている要因だろうということは容易に想像できる。
ただ、私見を言わせていただければ、大手流通業界もそうであるように、これからはグループの総合力が問われる時代だ。たんに賃貸だけでなく中古の売買から、個人住宅の受注、建て替え・リフォーム、不動産投資・資産管理などワンストップで消費者のニーズに応えていくことがグループ全体の業績アップにつながっていくと思う。「へーベル」は首都圏に限っていえば圧倒的なブランド力があるはずだ。
発表会に臨んだ同社副社長賃貸営業本部長・池谷義明氏も「近い将来はワンストップで対応できるような店舗展開も考えたい」と話した。