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2014/05/29(木) 00:00

15万円/坪の耐震補強・リノベ費用で賃料50%アップ 地所レジ 中小ビルリノベ事業

投稿者:  牧田司

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中小ビルリノベーション事業第一号物件(神田岩本町)

三菱地所レジデンス 中小ビルリノベーション賃貸事業に進出

 三菱地所レジデンスは5月30日、中小ビルリノベーション事業に進出すると発表。同日、第一号物件の千代田区岩本町にある築40年の内覧会を行った。約15万円/坪(総額約1,500万円)の耐震補強・リノベーション費用で賃料は従前より50%アップでき、ほぼ満室稼働する。

 同事業は、築年数の経過などで競争力が低下し、継続的な運営が困難な中小事務所ビルを一括賃借、耐震補強工事を含むリノベーション工事を行い、バリューアップを通じて再生・転貸するもの。10年後にはオーナーに返還する。今後3年間で15棟、5年間で30棟の事業規模を目指している。千代田区神田小川町の第2号物件もリノベーションが完了し、順調にリーシングが進んでいるという。

 リノベーションにあたっては、同社の子会社メックecoライフとオープン・エー(東京R不動産)と企画・連携し、リノベーション物件のニーズを的確にとらえ、飲食・物販・住居・オフィスなどの多様な用途に改修する。

 環境負荷が大きいスクラップ&ビルドに頼らない既存ストックの有効活用につながり、資金面で改修できず競争力を失った中小ビルをバリューアップすることは、社会的意義も大きいとしている。

 内覧会で同社リノベーション事業部資産活用室資産活用グループ・明嵐(めあらし)二朗氏は、「当社の『大・丸・有』エリアとシナジー効果が期待できる神田エリアを中心に展開していく。神田は食・住・商が混在する一方で、後背地などは土地の細分化も進み、大型の再開発が困難な地域。これらを再生・支援する意義は大きい」と語った。

 第一号物件のビルは、築40年の敷地面積約73㎡、延床面積約387㎡の7階建ての物販・オフィスビル。1、2階に耐震補強を施したうえ、1戸については住居兼SOHOに改修した。改修費は約1,500万円(15万円/坪)。賃料は約1.2万円で、従前より50%増の設定。転貸するのは1~6階で、すでに1~5階は入居者が決まっているという。

 同社は、昨年10月、リノベーションマンション事業に進出。今年4月には体制を強化のため「リノベーション事業部」を新設。年間100戸、売上高30億円を目指している。

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住居兼SOHO

◇       ◆     ◇

 リノベーションについてはよく分からないが、古いビルやマンションの耐震改修は喫緊の課題だと思う。しかし、所有者の高齢化が進み、資金難から進まないのが現状だ。その費用を同社が負担するというのは、オーナーにとっても決断しやすいのではないか。

 今回のリノベーションビルは、耐震壁以外はそれほど設備仕様にはお金を掛けていないようだ。床はコンクリートのままで、天井高を2.5mから2.8mにして、配線などは天井にむき出しで設置するようだ。窓も単板ガラスのままだった。

 1戸だけ住居兼SOHOになっていたが、複数の住戸にコンバージョンするためには2方向に避難箇所を設置するよう求めている建築基準法がネックになったためだという。階段など1カ所しか避難箇所がない古いビルを住宅用にコンバージョンするのは難しいようだ。

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明嵐氏

 

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