コスモスイニシアは6月6日、1棟リノベーションマンション「リノマークス目黒本町」の記者見学会を行い、販売を開始したと発表した。駅近でありながら比較的静かな住環境、平均80㎡の居住性、坪単価270万円という割安感、好みで選べるインテリアなどが人気で、全21戸のうちすでに10戸が契約済みだ。
物件は、東急目黒線西小山駅から徒歩2分、目黒区目黒本町五丁目に位置する5階建て全24戸(うち非分譲住戸3戸含む、販売対象住戸10戸)。価格は50㎡台が4,298万円~90㎡台が8,998万円。坪単価は270万円。既存建物の竣工は平成8年2月。既存建物の施工はピーエス三菱。改修工事完了は平成26年8月下旬。
現地は、信号がない道路を渡って駅から徒歩2分。前面道路は約15mで車の通りは多くないエリア。
建物は個人オーナーだった賃貸用マンション。1戸当たり約700万円をかけて改修。地下には会議や懇親会ができる多目的ルームも新たに設置した。
躯体と水回りを除きフルリノベーションが可能で、間取りの変更から設備仕様、カラーリングなども好みによって選べるようにしているのが特徴。
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話が散漫になるのを許していただきたい。思いつくままに書いた。梅雨空と一緒、考えも右往左往、まとまらなかった。
出掛けがいけなかった。雨に濡れるとは〝梅雨〟ほども思わなかった。駅に降りたら結構降っていた。傘を持っていなかったので同業の記者の傘に入れてもらい駆け付けた。建物はろくに見なかった。これが判断を誤らせた。
同社マンジョン事業部販売2部販売2課チーフ・辻井氏は「周辺の新築マンションの相場は330万円。当社は270万円。新築の相場や中古マンションと比較したら1戸当たり465万円は安いはず」と説明した。なるほどと納得した。
アンティークな家具を配置したものや、床に花梨の突板フローリングを敷き詰め、長さは7m以上と思われる廊下の幅を1m確保し、書棚を設けたモデルルームを見るうちに、これは安いと思うようになった。アンティークな家具は、昨年、三井不動産レジデンシャルが「山下町」で提案して圧倒的な人気になったので、記者は理解できないが、いい提案だと思った。
これまでの同社が分譲したリノベーションの「武蔵小杉」「津田沼」「横浜仲町台」はともに従前は社宅だった。記者は「津田沼」を見学しており、そのレベルの高さに驚いた。
今回は築18年の賃貸マンションだ。外観のデザインはやや古く、天井高は2400しかないのが難点と言えば難点だが、アールのバルコニー、最大100㎡超で平均80㎡の居住性など、とても賃貸とは思えないグレードにびっくりした。1棟リノベーションマンションと言えば、従前は社宅というのが通り相場だろうが、質の高い賃貸も視野に入ってくるのだろうか。物件を取得したのは1年前だというが、4社競合の末に落札した同社の目利き力これほどの提案をした商品企画力はさすがというべきか。
物件の評価を上方修正したのは帰りだった。同社にビニール傘をもらった。せっかくだからと外観などをしっかり見た。高さ規制があるためだろうが、同じレベルのスカイライン(高さ規制に記者は反対だが)が整っており、前面の道路が広く、舗道には植栽ますがあり草花が植えられていた。車の通りも少ない。そこで、新築なら坪単価は最低で350万円と弾いた。
伊藤忠都市開発やモリモトの近隣物件もいい物件だが、これだけ差があれば売れるのは当然だ。ただ、単価は安いが、みんな広いのでグロスが結構張るのがどうか。
3戸だけ非分譲というのは、賃貸入居者が入居したままで同社が物件を取得したため。賃貸借契約が終了したら、リノベーションして分譲する方針。