積水ハウスと東芝、ホンダの3社は先日、モビリティを含めたCO2排出量をゼロにする2020年の暮らしを想定したスマートハウスの実験棟の見学会を行った。
さいたま市に建設したもので、実際に居住できる二世帯住宅になっており、昼間外出している子世帯の太陽光発電の余剰電力を親世帯に供給し、各世帯で生み出した電気やお湯の世帯間での相互融通が可能となっている。また、ケーブルを接続せずに充電できる電気自動車への非接触充電、創エネと省エネ、歩行アシスト・UNI-CUB(ユニカブ)などの取り組みが公開された。
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積水ハウスの取り組みはよく理解できた。もともと同社はユニバーサルデザインや省エネ・創エネに他社に先駆け取り組んでおり、ホンダの歩行アシスト・UNI-CUBが利用しやすいよう自動開閉ドアや完全バリアフリー、シャッター・窓の自動開閉、屋上緑化、壁面緑化、階段幅1.2m、16段ステップなどは一部の富裕層向けだろうが2020年までに間違いなく普及するものだと思う。
ホンダのUNI-CUBも試乗したが、これがなかなかいい。バランスを取るのが最初は難しいが、慣れれば容易に移動できる。「開けゴマ」と呼ばなくてもセンサーが作動してドアを開閉してくれる。現段階では外で乗ることはできないそうだが、やがてUNI-CUBのような乗り物専用レーンが公道に設けられるかもしれない。機器の重さは約25キロ。物などを持って動くのは難しいとのことで、このあたりが改善点だろう。値段がいくらになるかは公表されなかった。
マンションも鍵なしで帰宅しても玄関で「ただいま」と呼びかけるだけで開くようになる日が来るのは近い。酔っぱらって帰ろうものなら、水をぶっかけられることもありそうだ。
非接触充電器は、記者はまったく自動車のことが分からないので便利だとは思ったが訳が分からなかった。運転手がいないのに車が勝手に動くのにも面食らった。
ついでに最近車を乗らない若者が増えていることについてホンダ企画室第1ブロック主任研究員・瀧澤敏明氏に聞いた。瀧澤氏は「食も含めた車文化に食傷気味。今までのようなモビリティではこれからはどんどん乗る人は少なくなるだろう」と話した。
東芝の取り組みもよく分かる。コミュニティ管理、家庭内機器制御は日進月歩。どんどん進化するだろう。機器を設置するスペースをどう省くかが課題のように思う。