大成有楽不動産の「オーベル金町レジデンス」と「オーベル金町エアーズ」を見学した。双方で224戸だ。同社のマンションについては、この1~2年間、かなり見学しているが、収納、キッチンなどの商品企画がどんどんよくなってきている。業界でもトップクラスだと思う。今回の2物件も設備仕様などはこれまで見学してきたものと変わらないが、坪単価が都内では希少といえる180万円以下というのが最大のポイントだ。ユーザーにどこまでアピールできるか。
前者は、JR常磐線金町駅から徒歩11分、葛飾区新宿6丁目の大規模開発エリアに位置する5階建て全117戸。専有面積は76.80~96.23㎡、価格は未定だが、坪単価は180万円前後に落ち着く模様。竣工予定は平成27年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。分譲開始は7月。
後者は、JR常磐線金町駅から徒歩10分・京成金町線京成金町駅、柴又駅から徒歩9分、葛飾区柴又三丁目に位置する11階建て全107戸。専有面積は65.74~86.30㎡、1期(35戸)の価格は3,290万〜4,980万円(最多価格帯3,500万円台・3,800万円台)、坪単価は177万円。竣工予定は平成27年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。すでに分譲が始まっている。
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まず前者から。現地は、同社のマンションのほか住友不動産の中高層マンションなどの住宅ゾーン、生活利便施設、東京理科大と広大な葛飾にいじゅくみらい公園を中心とする文化・教育・公園ゾーン、都市型工場・研究所ゾーンで構成される約33.3haの大規模複合開発エリアに位置している。
同社のマンションは、東京理科大に道路を隔てて隣接しており、広々とした空間と同大学のカフェや学生食堂など(一部制限等があり)も、図書館や学食なども利用できるのが魅力だ。全体として平置駐車場など敷地をゆったり活用している上、居住面積が広いのも特徴。
後者は、金町駅10分圏であり、京成線の柴又駅も9分と利用可能。線路際ではあるが、それほど電車の運行本数が多くなく、また、準工地域ではあるが街路樹も美しい。嫌悪施設などはない。
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問題の価格だが、記者は前者の坪単価は200万円近くしても不思議でないと思っていた。後者は「柴又」は全国区ではあるが、いま一つマイナーな駅なので坪単価は180万円くらいだろうと思っていた。
この予想と比べると前者はかなり割安感がある。住友不動産がいくらで分譲するかだが、用地取得額からいって間違いなく同社のマンションよりは高くなる。後者はいい線だと思う。
マンション建築費の上昇はまだ序の口だ。断定的には言えないが、これからどんどん上がると予測せざるを得ない。第一次取得層にとっては厳しい時代になりそうだ。立地条件などはより郊外に広げざるを得ないだろう。リーマンショックの前もそうだったが、やがて23区から坪単価180万円以下のエリアは消えるのではないか。