RBA OFFICIAL
 
2014/07/04(金) 00:00

人の話を聴くのは記者の基本 大手不動産会社主催の懇親会

投稿者:  牧田司

 大手不動産会社など9社の広報が主催する恒例の「不動産広報研究会記者懇親会」が7月2日に行われたが、記者は極めて不愉快な気分にさせられた。懇親会は毎年行なわれており、この日は主催者側からは50人近くが集まり、国交省の記者クラブに所属する一般紙や業界紙の記者、フリーのジャーナリストや関係者はその倍くらい参加していただろうか。

 会が始まって数十分くらい経過したときだ。ある業界誌の女性編集長が挨拶に立った。女性が挨拶するのはおそらく初めてのことだ。この会社のWebは充実していて記者も重宝している。とても嬉しかった。編集長は自らの最近の取材活動などについて語ったのだが、あろうことか多くの参加者は私語を交していた。壇上の編集長に背を向けている人もたくさんいた。編集長の話をメモしていた記者は怒りがこみ上げてきた。

 編集長の話が終わってから、隣にいた女性に感想を求めた。この方も「半数くらいの人は聴いていなかったのでは」と不快感を示した。女性編集長にも聞いた。「話を聴いている人も聴いていない人もいた」と答えた。先輩記者は「いつものこと」と問題にしなかった。

 記者は「いつものこと」ことと済ませることはできなかった。男性であろうと女性であろうとどのような立場の人であろうと、宴が盛り上がっているときに静寂を取り戻すのは難しいこともよく分かる。しかし、会話を中断して話を聴く思い遣りが欠けていた。

 かくいう記者も謝らなければならない。この日は、懇親会を主催する会社9社のうち7社とそのグループ会社も参加するRBA野球大会の取材で、5時間くらいグラウンドを駆けずり回っていた。

 一度、社に戻り試合結果をホームページにアップして、懇親会に出かけるときに、若い女性社員に聞いた。「この恰好、どう? 」その女性は眉をしかめながら「会合に参加する人によると思います」とズバリ核心を衝いた。複雑な気持ちで参加したが、よれよれのジャケットを着ていたし、疲れは表情に出ていたはずだ。

 結果的には、記者の身なり・振る舞いは、礼を欠いた参加者と似たり寄ったり、五十歩百歩だと思った。不快な思いをされた方々にお詫びしたい。不愉快な思いをしたために、9社のうち半数くらいの会社の広報の方と話ができなかったのも残念至極。

◇     ◆   ◇

 記者もそうだが、この懇親会は取材する側とされる側の距離を縮め、とくに取材チャンネルを持たない若い記者やフリーの記者にとってはこれほどありがたい会合はない。取材ネタの宝庫でもある。

 われわれにはメディア・リテラシーが問われているが、それ以前の品性・マナーについても考えなければならない。

 

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