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2014/07/07(月) 00:00

三井不動産「柏の葉スマートシティ」 中核施設の「ゲートスクエア」8日オープン

投稿者:  牧田司

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「ゲートスクエア」全体外観

 三井不動産は7月7日、同社のスマートシティ戦略のフラグシップ・プロジェクトとして開発を進める「柏の葉スマートシティ」の中核をなす駅前の「ゲートスクエア(GATE SQUARE)」を7月8日にオープンするのに先立ち記者会見と内覧会を行なった。これまで10年くらいかけて行なってきた第1ステージの街づくりが完成し、今後2030年までの「イノベーションキャンパスシティ構想」の実現を目指す第2ステージのスタートとして行ったもので、200人を超えるメディア関係者が集まった。

 同社は、2005年つくばエクスプレス開業以降、柏の葉スマートシティの街づくりの第1 ステージとして、柏の葉キャンパス駅周辺の4つの街区を「先行モデルエリア」と位置づけ、公・民・学が連携して環境共生・健康長寿・新産業創造をテーマに街づくりを進めてきた。

 「ゲートスクエア」のオープンによって、住宅、商業、オフィス、ホテル、ホールなどの都市機能が集積した複合開発型のスマートシティが本格稼動することになる。

 第2ステージでは、ゲートスクエアを中心に具現化した最先端のスマートグリッドをはじめとするスマートシティの機能を、街全域(約300万㎡)へ広げていくとともに、公・民・学で連携しながら次世代ライフサイエンスの産業創造拠点の開発などを行い、「イノベーションキャンパス構想」の実現に向けた街づくりを進めていく。

 2030年までに居住人口約26,000人(2014年7月現在、約5,000人)、就業人口約15,000人(同、約1,000人)、来街者約1,000万人/年(同、約700万人/年)を目指す。

 記者会見に臨んだ同社・菰田正信社長は「これまで取り組んできた第1ステージの集大成でもあり、第2ステージのスタート。日常的にリノベーションが起きる街としてこの『柏の葉スマートシティ』のビジネスモデルを都心の日本橋や日比谷などの都心型のビジネスモデルと共に世界に展開していきたい」と語った。

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ショップ&オフィス棟

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三井ガーデンホテル柏の葉 ラウンジ

◇     ◆   ◇

 記者はつくばEXが開業する前後からずっと取材を続けてきた。「柏の葉キャンパス駅」に降り立つのは10数回にのぼるはずだ。他の同沿線の開発がどちらかと言えば、すでに破たんした官・公主導の街づくりであるのに対し、ここは民主導の街づくりが行なわれてきたといっても言いすぎでないはずだ。同社は地元柏市の官や東大、千葉大などの学の力を最大限に引き出した。わずか10年でここまで街を完成させたスピードに驚かざるを得ない。

 一つひとつの施設の詳細は省くが、公開された施設のいくつかを紹介する。「柏の葉スマートシティ」のポテンシャルの高さが一見して分かるのがホテル&レジデンス棟だ。まず1階のホテルラウンジ。エントランスを入るとすぐ正面に約65㎡の壁面緑化が飛び込んでくる・これには圧倒されるはずだ。記者はすぐサントリーミドリエの「パフカル」だと思ったが、その通りだった。室内壁面緑化としては同社製品としては最大規模だという。「環境共生」をテーマのひとつに掲げている街づくりを象徴するモニュメントでもある。これひとつとっても強い街づくりの意志を感じた。

 それ以上に驚いたのが全114室の賃貸住宅「パークアクシス柏の葉」の賃料だ。記者は「坪7,000円くらいですか」と尋ねたら、「いえ、地域の相場は7,000円くらいですが、ここは9,000円です」という答えが返ってきた。それほど募集活動を行なっているわけではないが、それでも46戸の入居が決まっているという。入居者は40歳前後の東京勤務のサラリーマン夫婦が中心。

 居室そのものは、バルコニーに同社の北海道社有林の間伐材を利用したウッドデッキが敷き詰められているの以外は普通の賃貸住宅だ。にもかかわらず、相場より3割も賃料でも約4割の入居率に上っているのは、街全体の価値が評価されているということだし、それだけの価値があると記者は判断した。

 せいぜい坪単価が180万円くらいだった川崎の街を300万円くらいに一挙に引き上げたのと同じだ。単なるビルやマンションだけではなく街全体を創造し、価値を高める展開力はさすがというべきか。

 しかし、ひとつ注文もつけたい。賃貸住宅は「礼金」として1カ月分を「イニシャルコストに対するフィーの一部」として徴収していることだ。記者は絶句した。返す言葉がなかった。そのような説明で外国人は「礼金」を納得するのだろうか。「世界に通用するビジネスモデル」のひとつとして「礼金」が通用するとは記者は全然思わない。

 「国際交流を促進するシェア型賃貸住宅」は面白い試みだ。全41室のうち27室が先行入居済みだという。26人が10カ国の国籍を持つ外国人で日本人は1人。日本人の少なさに驚いたが、これは一般向け入居募集に先行して東大や千葉大を通じて入居者を募ってきたためで、今後は日本人の入居募集活動を行なうということだった。居室の広さは約18~22㎡で、賃料は7万円台から8万円台。共用LDKやランドリー室、シャワー室付き。

 「三井ガーデンホテル柏の葉」は、三井ガーデンホテル初の天然温泉大浴場付きというのが最大の特徴で、地産地消がテーマのひとつにもなっているレストラン「コメ・スタ」もある。記者は宴会もできるシティホテルを期待していたので、やや物足りなさを感じた。菰田社長は「ここから将来上場するベンチャー企業が2桁くらい生まれることを期待したい」と語ったが、そのようなベンチャー企業の経営者や関係者はどこで宴会や飲食を行なうのだろう。つくばEXには宴会ができるホテルはひとつもない。日本橋の「マンダリン」やミッドタウンの「リッツ」は遠い。

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「パークアクシス柏の葉」共用ラウンジ

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三井ガーデンホテル柏の葉 ガーデンスパ

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三井ガーデンホテル柏の葉 レストラン

 

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