「ミディアス(MIDEAS)」
三井ホームは7月7日、三井不動産グループの次世代型都市「柏の葉スマートシティ」の街びらきに合わせゼロエネルギーを目指す実証実験住宅「ミディアス(MIDEAS)」をリニューアルオープンした。
過去2年間の実証実験の結果、外気温の変動に対してトータル空調により安定した室温が保たれ、想定した太陽光発電や蓄電容量により自給自足を可能とするゼロエネルギー住宅(ZEH)を十分上回る能力を備わっているとし、新たな技術を盛り込んで開発を進めていく。
新たに盛り込んだ技術は①ナチュラルユーザーインターフェイスVer.2②タッチユーザーインターフェイス③スマート家電④EVワイヤレス給電⑤電気配線が不要の振動発電スイッチ-など。
ナチュラルユーザーインターフェイスでは、これまで手振りで窓やブラインドの開閉、お湯張りなどを操作する技術に音声対応が加わった。その結果、「開けゴマ」で窓が開き、「風呂を沸かせ」でお湯張りが可能となる。
タッチユーザーインターフェイスは、太陽光発電や使用電力の「見せる化」を意識した技術で、楽しみながら居住環境をコントロール仕組み。スマート家電では、外出先から冷蔵庫の中身の確認や室温の調節ができる。
ナチュラルユーザーインターフェイスVer.2
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「ミディアス(MIDEAS)」は一昨年に報道陣に公開されているので、今回見学するのは2度目だ。高気密・高断熱の住宅ではあるが、パッシブ技術を最大限取り入れているのが特徴だ。全てがすぐ実現するものでもないようだが、実験住宅は約50坪で8,000万円だとか。坪単価は160万円だ。実用化されるのはそう遠くないと見た。
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よくわからなかったのがナチュラルユーザーインターフェイス。身振り手振りで窓を開閉したりりテレビのチャンネルを変えたりするのはそれはそれで結構だし、さらに音声によってコンピュータが人に変わって家事労働をやってくれるのは便利だと思う。実用化は近いのだろう。
しかし、夫婦、あるいは親子関係はそう単純ではない。同じ言葉でもそのときの感情によって微妙に意味が異なってくるし、第一、誰の声にコンピュータは反応するのか。「暑いな」「私は寒いのよ」「早く寝ろ」「いやだ」「西武戦が見たい」「パパ、ドラえもんだよ」「暗くして」「明るいほうがいい」…コンピュータはパニックになるはずだ。
ならば、声が大きいほうに反応したり、特定の人間のみに言うことを聞くようになったら、これはこれで問題も多い。夫婦が怒鳴りあうようになり、全ての実権を握った夫あるいは妻が家族全てをコントロールすることにならないか。単身者なら問題はないというが、そんなことはない。ロボットとしか会話を交せなくなったら人は生きる価値を何に見いだすのか。
タッチユーザーインターフェイス