東京建物が参加組合員としてマンションを分譲することになっている「目黒駅前地区第一市街地再開発事業」の着工式が8月21日行われた。目黒駅から徒歩1分の都バス営業所跡地などを再開発するもので、敷地面積は約2.3ha。1棟のオフィスビルと2棟のタワーマンション945戸(うち分譲は661戸)が建設される。竣工予定は2017年11月。マンションの分譲は来春。
同事業は平成15年、「東京都先行街づくりプロジェクト」の指定を受け、良好な住宅供給とにぎわい創出、公共・公益施設の整備を目指すもの。
全体敷地約2.3haのうち駅に近いAソーンには40階建ての商業・業務・住宅棟が建設される。住宅は528戸(うち分譲は320戸)。敷地南側のBゾーンには38階建て417戸(うち分譲341戸)が建設される。施工は大成建設・竹中工務店。総事業費は約800億円。竣工予定は2017年11月。
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注目のプロジェクトがいよいよ始動した。山手線沿線のしかも駅前でこれほどまとまった規模の再開発マンションは2007年の旭化成ホームズなどが事業参画した日暮里駅前以来か。旭化成ホームズの分譲マンションは坪260万円だった。極めて割安感があり、記者は知り合いに「黙って買え」とみんなに勧めた。
今回も間違いなくいいどころか、住環境は比較にならないほど良好だ。これほど立地条件に恵まれた物件はまず今後供給されない。しかし、起工式後の囲み取材で東京建物住宅プロジェクト開発部長・田代雅実氏は「30㎡台から150㎡台まで豊富な間取りで多様なニーズに応えたい」と語ったのみで、坪単価については一切話に乗ってくれなかった。
だから、以下の単価予想はあくまでも記者の予想であって、的中しないからと言って責任を問わないでいただきたい。自信のほどは50%くらい。
比較になる物件はほとんどないが、敢えて探すとすれば三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザタワー」だ。一昨年分譲で、坪単価は476万円。ご存知のように最多価格帯が9,000万円台の高額だったにもかかわらず圧倒的な人気を呼んだ。
「恵比寿ガーデンプレイス」が分譲されたのは約20年前だ。バブル崩壊後の厳しいときだったが、瞬く間に売れた。分譲単価は500万円強だったはずだ。
目黒駅前のマンションでは8年前、三井不動産レジデンシャルが「パークタワー目黒」を分譲した。これもよく売れた。坪単価は400万円だった。
さて、これらの物件と比較し、さらにもっとも大事な市況がどうなっているかなどを総合的に考慮して、記者がはじき出した坪単価は最低でも500万円だ。550万円と聞いても驚かない。さすがに600万円はないと判断した。
根拠はないが、「立川駅前」の再開発マンションが340万円の時代だ。三井不動産レジデンシャルの「三田綱町」は坪単価725万円でほぼ完売した。今秋分譲されるアパの「代官山」は650万円くらいになる。今後、都心の一等地マンションは800万円台に突入するはずだ。
ならば、アドレスは「品川区」だが目黒駅前の再開発マンションが500万円を突破するのは間違いないと思う。東京建物には商品企画を練り、設備仕様を上げて高値挑戦してほしい。