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2014/09/03(水) 00:00

代ゼミの廃校問題 法律の壁厚く不動産事業への展開は難しい

投稿者:  牧田司

 学校法人高宮学園が経営する三大予備校の一つ、代々木ゼミナールが全国28校舎のうち本部校(新宿)など7校拠点に集約し、その他の校舎については平成27年度から募集を停止することが話題になっている。

 現段階では廃校になる校舎がどのようになるか代ゼミは公表していないが、校舎がほとんどすべて地方都市の一等地に立地することから、不動産業界が跡地利用に大きな関心を寄せている。

 記者は、学校法人のことや廃校となる校舎の敷地規模、権利関係はいっさい分からない(抵当権などはついていないと思われるが)ので適当なことは言えないが、学校法人のまま不動産事業を展開するにはハードルが高すぎるような気がする。

 代ゼミが「受験人口の減少や現役志向の高まりに伴う浪人生の減少」を理由に校舎の集約を行い、27年度以降も継続して募集すると発表したのは、本部校(新宿)、札幌校、新潟校、名古屋校、大阪南校、福岡校、および造形学校(渋谷区原宿)の7拠点。

 廃止するのは仙台校(仙台駅東口前)、高崎校(高崎駅東口前)、大宮校(大宮駅西口2分)、柏校(柏駅西口4分)、津田沼校(津田沼駅南口1分)、池袋校(池袋駅東口5分)、立川校(立川駅南口5分)、町田校(町田駅東口5分)、横浜校(横浜駅東口5分)、湘南キャンパス(大船駅5分)、浜松校(浜松駅1分)、京都校(京都駅中央口8分)、大阪校(江坂駅2分)、神戸校(三宮駅2分)、岡山校(岡山駅8分)、広島校(広島駅5分)、小倉校(小倉駅10分)、熊本校(熊本駅1分)など21校。

 各校の交通便を見ると、すべてが最寄駅から10分圏内というより、かつて丸井がCMでヒットしたのと同じ〝駅のそば〟だ。もっとも駅から遠い小倉校も川を挟んだ対面は北九州市役所。ここも市内の一等地であるのは間違いない。首都圏の池袋校、柏校、大宮校、津田沼校、町田校、横浜校などは仮に分譲マンションだったら坪単価は最低でも二百数十万円はするし、池袋校なら400万円を突破する。敷地規模がまったく分からないが、すべての校舎の資産価値は千億円単位だろう。

◇        ◆     ◇

 デベロッパーならずとものどから手が出るほど欲しい物件だが、処分するなり代ゼミが不動産業を営むのはかなり難しいハードルがある。

 学校法人は、その公共性・公益性を考慮して様々な税制上の優遇措置が講じられている。法人税・事業税は収益事業から生じた所得に対してのみ課税され、税率も軽減措置が取られている。国税の所得税などは非課税だし、校舎などの不動産については不動産取得税・固定資産税、都市計画税などが非課税となっている。

 収益事業とは日本標準産業分類に定められている18業種で、ほとんどの事業ができることになっている。禁止されるのは投機的事業、風俗業、規模が学校の状態に照らして不適当なもの、その他学校法人としてふさわしくない方法によって経営されるものなどだ。

 代ゼミが廃校する施設を売却するなり自らが事業を興す場合は、法律に基づき管轄する東京都の許認可が必要になる。

 これが難問だ。東京都は「現在、代ゼミさんからは何の相談もないのでコメントできませんが、学校経営より収益事業が大きくなる場合は難しいですし、売却する場合でもきちんと審査します」と話している。

 小泉内閣による一連の規制改革で、設立認可の弾力化によって学校法人を作りやすくし、株式会社による学校法人の経営参画をやりやすくする方針が打ち出された。 

 代ゼミの問題はその逆だ。「受験人口の減少や現役志向の高まりに伴う浪人生の減少」を理由に、いとも簡単に廃校-収益事業に転換できるとしたら「教育」を隠れ蓑に課税を逃れ、営利事業ができることにならないか。とはいえ、廃校となった一等地の不動産をどう活用するのかはしっかり論議すべきだ。

 

 

 

 

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