大和ハウス工業と「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは10月14日、江東区有明1丁目にファーストリテイリング専用物流倉庫を建設し、双方が究極の顧客ニーズに応える物流スキームを構築していくと発表した。
両社は共同出資による物流事業会社を設立し、お客様の多様なニーズに対応できる多機能物流拠点を中心とした新たな物流スキームの構築を目指す。
現在の物流スキームは消費地と倉庫が遠いところにあるのが問題で、バーチャルとリアルの双方で生み出される顧客との接点を束ね、新しい小売業の時代を構築していく狙いがある。有明の物流センターは首都圏の顧客が対象で、注文品を即日発送し、ところによっては当日配達できるところもあるという。
大和ハウスは同社初の私募リートを組成し、ファーストリテイリング向けの多機能物流拠点用地の取得及び開発のための資金調達を行っていく。同社は1990年からファーストリテイリングの店舗開発に取り組んでおり、これまで約550店舗の開発をサポートしてきた。
会見に臨んだ柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長は、「大和さんとは90年からのお付き合い。会社と会社の信頼関係があったからこそできたスキーム。有明は日本で最高の立地。奇跡に近い。ワクワクしている。単に物流センターを作るということにとどまらず、双方の成長の基をつくるもの。グローバルに展開していきたい。我々が目指している服を変え、常識を変え、世界を変える産業革命への第一歩であり、夢の実現に向かうもの」と話した。
これに対して大野直竹・大和ハウス社長は、「お世話になっているのは私ども。新しい事業に参加できるのは限りない喜び。用地は昨年9月、UR都市機構から取得した。わが国最大規模の都市型の最先端の物流センターになる。様々な産業革命を具現化したい」と応えた。
物流センターは、敷地約36,000㎡、RC+鉄骨造6階建て延べ床面積約112,000㎡。着工予定は2014年11月15日、竣工予定は2016年1月25日。同社オリジナルの免震システムや非常用電源などのBCP対策、壁面緑化や周辺緑地整備など環境配慮を施した最先端の物流センターとなる。
私募ファンドは2016年に組成し、資産規模は当初650億円程度。大和ハウス不動産投資顧問が運用する。今後、国内で10カ所くらいの物流拠点の開発を行っていく。
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「知らないことは聞くな。どのような答えが返ってくるか分からない質問はするな」というのが記者の鉄則だ。このニュースは前日、日経新聞が1面で詳細に報じているし、記者は物流のことは全然知らないので黙って聞いていた。
柳井氏と大野氏がお互いこれ以上ない賛辞のやり取りをしたのはともかく、数えてはいなかったが、「産業革命」やら「物流革命」やら「革命」という言葉が10回くらい両氏の口から飛び出したのにはいささか驚いた。
物流がひと・もの・かねの動きを一変させ、さらにそれぞれが作用しあいさらに高次の段階に進むということだろうが、そうなったら肝心の人の暮らしや住まいはどうなるのだろうかとずっと考えていた。
ユニクロは2020年までに売上高5兆円を、大和ハウスは2055年までに売上高10兆円をそれぞれ目指す。両社が革命を先導すれば、世界中の人々がつま先から頭のてっぺんまで「ユニクロ」のブランドを身に着け、大和ハウスの「xevo(ジーヴォ)」に住むことになるのだろうか。