森トラストが11月下旬より分譲を予定している億ション「フォレセーヌ赤坂檜坂」を見学した。全54戸(非分譲13戸)が1億円以上で、全97戸が億住戸だった三井不動産レジデンシャル「パークマンション三田綱町ザフォレスト」とともに今年の高額マンションでは双璧をなす好物件だ。
物件は、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線六本木駅から徒歩6分、港区赤坂6丁目に位置する地下2階地上7階建て全54戸(非分譲13戸)。今回販売対象となる住戸の専有面積は73.46~170.46㎡、価格は1.1~4.7億円、記者の予想では坪単価は850~900万円とみた。竣工予定は平成28年1月下旬。設計・監理は日建ハウジングシステム、施工は前田建設工業。販売代理は三菱地所レジデンス。
最大の特徴は、ミッドタウン周辺ではヒルトップの位置にあり、敷地北側方向には氷川神社を含めた森が望める一等地であることだ。
建物は免震工法を採用。1階の3住戸は専用ガレージ付き。地下の駐車場から専用のらせん階段を上って住戸にアプローチできる。共用部分には縦格子のロートアイアンを多用。エントランス奥のコリドーには金沢「箔一」の職人による2m角の銀箔を用いた飾り壁が設置される。防災面では72時間対応の非常用発電機、防災井戸も設置する。
住戸プランは、北側の借景を生かすよう4階以上には大きなルーフテラスを設置。最上階の7階は1住戸のみで専有面積は239㎡、ルーフテラスは約100㎡。設備仕様ではウォールナットの面材を床・壁・ドアなどに採用。ドアは一部ナグリ仕上げ(オプション)。玄関・ホール、キッチン天板、洗面カウンター、浴室床・壁には天然御影石を用いている。とくに玄関・ホールの御影石は金箔をちりばめたような「スターギャラクシー」と呼ばれる御影石が採用されている。
これまで反響は800~900件。このうち6~7割の人がこの現地を知っており、極めて認知度が高いそうだ。敷地は高級賃貸の戸建てが建っていたところで、同社は2008年に用地を取得している。
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間違いなく本物の億ションだ。この界隈のマンションで最近見学したのは2年前に分譲されたモリモト・東急不動産・近鉄不動産「ミッドガーデン赤坂氷川」(135戸)がある。こちらは敷地が不整形で谷の部分にあったために坪単価は400万円を切っていたが、今回は立地がまったく異なる。
氷川神社を含めた周辺の緑豊かな借景も見事だ。もちろんミッドタウンの檜町公園も歩いて約1分である。
さて問題の単価。同社はいくらになるか明かさなかったが、平均で850万円が妥当な線だろうと思う。公開していない最上階や「非分譲」としている上層階部分も含めると900万円くらいでないか。最上階は10億円の価値があるかもしれない。こんなことを書くと怒られるかもしれないが、三菱地所レジデンス「千鳥ヶ淵」は皇居が見下ろせた。今回は深い周辺の緑がわが庭のように見渡せる。その価値を換算したらやはりこちらに軍配を上げざるを得ない。なにしろ東京のど真ん中だ。
ついでながら書くが、三井不動産レジデンシャルは今回の物件よりややミッドタウン寄りの「ヴァンガード」跡地に隈研吾氏の設計によるマンションを来年あたりに分譲するはずだ。記者は坪単価1,000万円でも驚かない。
ブリヂストンも近くで社宅を改築中だが、分譲にはならないという。一般社員向けの賃料もリーズナブルなもので、役員用でもないという。