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2014/10/28(火) 00:00

「新宿中村屋ビル」オープン 必見の「中村屋サロン美術館」所蔵作品

投稿者:  牧田司

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「新宿中村屋ビル」 

 昨日(10月27日)は、朝から記者が書いた街路樹の記事に対する賛意を示す嬉しい社員のコメントをもらい、昼は三井不動産がマネジメントした「新宿中村屋ビル」の記者見学会で中村彝(つね)などの名画を鑑賞させてもらい感動し、夕方は三井ホームの和モダンをテーマにした素晴らしい川越モデルハウスを見学できた。おまけに夜の懇親会では記者の出身高校の後輩女性記者に会うことができて舞い上がった。話すことに夢中になったおかげで深酔いもせず、興奮のあまりほとんど寝ていない割に頭は冴えている。楽しい記事が書けそうだ。 

 まず「新宿中村屋ビル」。完成した新しいビルは、三井不動産が事業主である中村屋から委託を受けて建物の開発計画の立案から設計・施工管理、テナント誘致などを行ったもので、東京メトロ丸ノ内線新宿駅と直結、地下2階地上8階建て延べ床面積約6,400㎡。中村屋がレストランなど4フロアを自社で利用し、他は「COACH」の日本初となる新コンセプト店など全12店舗が入居。10月29日にグランドオープンする。

 

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中村彝「小女」

◇       ◆     ◇

 「中村屋」と言えば印度カレーとパンやお菓子だろうが、是非お勧めしたいのが3階に設置された「中村屋サロン美術館」だ。「中村屋サロン」の言葉は知っており、中村彝の「小女」、鶴田吾郎の「盲目のエロシェンコ」、荻原守衛の「女」などは他の展覧会で見たことがあるが、ほかにも中村不折、高村光太郎、會津八一らの美術品約90点を所蔵していることを初めて知った。額にして数十億円に達するはずだ。

 10月29日から2015年2月15日までは、長野・碌山美術館の協力を得て特別展「中村屋サロン-ここで生まれた、ここから生まれた-」を開く。入場料は一般が300円。

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中村彝「小女」(部分)

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 中村屋のご厚意によりWebで一挙公開する。中村は印象派の影響を強く受けた画家で、ルノワールと同じ、普通の女性をモデルにした裸婦像も多く描いている。記者の好きな画家の一人。

 今回展示されてている「小女」(69.8㎝×65.3㎝)は、相馬家の長女俊子をモデルとして描いたものだ。作品に添えられている開設や館内に展示されている「中村屋サロン」の人物相関図を読むと明治末期から大正にかけての社会・政治状況などが絵を通じて伝わってくる。少し紹介する。

 中村は明治44年、中村屋の相馬愛蔵、黒光夫婦が愛蔵と同郷の荻原守衛ら芸術家・文化人を支援していたことから中村屋裏のアトリエに移り住む。そこで相馬一家と家族ぐるみの付き合いをしながら制作活動に励んだという。

 中村は俊子と結婚したかったそうで、俊子も裸体モデルになることをいとわなかったという。ところが大正3年、俊子の裸体像を展覧会に出品したところ、当時俊子が通っていた明治女学校の逆鱗に触れることとなり、相馬家と感情的な溝を作ってしまい、中村は肺を患っていたこともあり結婚はかなわず失意のうちに中村屋を去る。そして大正13年、肺結核により37歳の若さで生涯を閉じる。

 俊子は、思想家・頭山満や犬養毅からの勧めもありインド独立運動活動家・ラスビハリボースと結婚。イギリスから国外追放されていたボースをかくまうのは大変だったようで、俊子は過労のため夭折。ボースは恩返しのために印度カレーを振る舞ったことが縁となり、中村屋のインドカレーの開発につながったという。

 特別展には俊子の裸婦像習作も展示されている。浴衣から膨らみ始めた乳房が少し見え、俊子は温かいまなざしでまっすぐ中村を見つめている。小品だが静物画もいい。「小女」や「盲目のエロシェンコ」とともにこれらは必見。

中村彝「牛乳瓶のある静物」2.jpg
中村彝「牛乳瓶のある静物」

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中村彝「麦藁帽子の自画像」

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高村光太郎「自画像」

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中村不折「始制文字の下図」

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荻原守衛「女」

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荻原守衛「坑夫」

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會津八一「双幅:林下十年夢/湖辺一笑新」

 

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