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2014/11/04(火) 00:00

唯一残っていた「近代化」が消える 不動産流通近代化センターが名称変更

投稿者:  牧田司

  設立から34年目にして「公益財団法人不動産流通近代化センター」の名称が変更される。11月4日、新名称募集を一般から募集するとホームページ上で発表した。募集期間は平成26年11月4日(火)~28日(金)まで。発表は平成27年4月。最優秀賞には3万円の商品券が贈られる。

 応募方法はWebまたはFAXで。詳細は不動産流通近代化センター TEL:03-5843-2070へ。

 同センターは昭和55年に設立された国土交通省が所管する特例民法法人で、不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステム「レインズ(REINS)」の運営や不動産コンサルティング技能試験などを行っている。

◇       ◆     ◇

 ついに不動産流通センターの名称が変更される。結構なことだ。記者にとっても念願の名称変更だ。

 この呼称についてはもう30年も前から変更すべきという記事を書いてきたし、直接訪ねて呼称変更を〝お願い〟したことがある。

 なぜか。当時、記者はデベロッパーを取材していたのだが、不動産業界に「近代化」なる言葉が付けられた公益法人があるのに驚いた。「近代化」なる言葉は歴史の教科書に出てくる「戦前」のことだ。「もはや戦後ではない」と経済白書が謳ったのは昭和31年だ。どうして昭和の50年代にもなって「近代化」をわざわざつけなければならないのか不思議に思った。

 確かに「全国宅地建物取引業協会連合会」(全宅連)という会員数が約11万(当時約14万)を擁す、主に街の不動産会社などからなる業界団体があり、「前近代的」と思われる部分も少なくなかった。しかし、それでも大手デベロッパーや大手流通会社は良好な街づくりや住宅供給を行っており、他の業種を含めトップランナーだと記者は思っていた。「近代化」などと言われると、自分自身が時代遅れの俗物と言われているような気がした。

 そこで「近代化」が付された団体があるかどうか調べた。今でこそネットで検索できるが、当時は電話帳やらその他の刊行物を調べ、「近代化」が付いている団体は不動産流通近代化センターのほかには、昭和44年に設立された財団法人東京タクシー近代化センターしかないことを突き止めた。東京タクシー近代化センターは平成14年に「東京タクシーセンター」に呼称変更されているので、現在、「近代化」のついている団体は不動産流通近代化センターしかないはずだ。

 今回の呼称変更は、「より安全・安心な不動産取引を実現する不動産業の健全な発達に関する支援により、一般消費者の利益擁護を充実したい今、『近代化』の名称は、現在の事業内容に照らし、十分ふさわしいものと考えられません。私たちはもう一度、原点に立ち返り、皆様にとって、もっとわかりやすく、より身近で、信頼できる名称に変更したいと思います」(同センターホームページ)というのが理由のようだ。

 この業界にはもう一つ、取りようによっては不動産の「適正取引が行われていない」と誤認させるような「一般財団法人不動産適正取引推進機構」という宅建試験を行う団体もある。合併してもいいように消費者にも分かりやすい名称にしてほしいと願うのみだ。

 

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